にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

にんじんと読む「ささやかながら、徳について(アンドレ・コント=スポンヴィル)」🥕 1.礼儀正しさ

礼儀正しさ 礼儀正しさは、すべての徳の源である。だが徳の源であるからといって、それが徳であるとは限らない。このことを説明するために、個人の成長段階を追ってみよう。新生児には徳行は見られないしそんなことが問題になることはない。乳児でも変わらず…

にんじんと読む「休養学基礎」🥕

休養というものを「生理的休養」「心理的休養」「社会的休養」に分け、全部で七種類の休養方法を提唱する(杉田・片野の休養モデル)。第一に「休息型」「運動型」「栄養型」、第二に「親交型」「娯楽型」「造形・想像型」、第三に「転換型」である。 日本疲…

自分でやる「合筆登記」

合筆とは、自分の手持ちの土地をギュッとひとつにまとめることです。 どれほど一つの土地に見えても、行政上の取り扱いとしては、二つになっていることはたまにあります。同じ広場を駆けまわっているように見えても、100番と101番の土地を行き来してい…

(メモ)「いや」について

私たちは自分の「本当の気持ち」がわからなくなることがある。 なにかの受け売りなのかはわからないが、にんじんは昔から、「本当の」という言葉がつくときは完璧に疑わしいものとして処理せよという持論を持っている。この言葉がつくとき、すべてのものは胡…

にんじんと読む「ウィトゲンシュタインとウィリアム・ジェイムズ(ラッセル・B・グッドマン)」🥕 第三章

第二章 ウィトゲンシュタインと『宗教的経験の諸相』 略 第三章 ウィトゲンシュタインと『心理学原理』 ウィトゲンシュタインはジェイムズのことを幾度となく言及し、最晩年に至るまで彼を批判し続けている。だがだからといって、彼から何も学ばなかったわけ…

にんじんと読む「ウィトゲンシュタインとウィリアム・ジェイムズ(ラッセル・B・グッドマン)」🥕 第一章

第一章 プラグマティックな経験の諸相 ウィトゲンシュタインは、その生涯の最後の年にこう書いた――「つまり私は、まるでプラグマティズムのように聞こえることを言おうとしている。ここで私は、ある種の世界観(Weltanschauung)によって妨げられているのだ…

にんじんと読む「がんばること/がんばらないことの社会学 努力主義のゆくえ」🥕 第五章まで

第三章 「頑張り」=努力主義と日本社会 日本には「誰でもやればできる」という能力平等観が根強く存在しており、それゆえにこそ忍耐・努力が重視される。これに対してアメリカ・イギリスでは能力素質説とでもいうべき、不平等観が強い。 また頑張ることにつ…

にんじんと読む「がんばること/がんばらないことの社会学 努力主義のゆくえ」🥕 第二章

第二章 中根千枝「タテ社会」論からみた「頑張り」 中根のタテ社会論は多くの誤解にさらされてきた。それはタテ=上下の関係、ヨコ=平等な関係といったような誤解である。その中でも最も建設的な批判は竹内洋による「同期」の問題である。 彼は日本社会をタ…

にんじんと読む「がんばること/がんばらないことの社会学 努力主義のゆくえ」🥕 第一章 

第一章 「頑張り」=努力主義と平等の日本的文脈 まずは「平等」ということの日本的な位置づけについて確認する。 中根千枝『タテ社会の人間関係 単一社会の理論 (講談社現代新書)』は、《社会構造の分析に関する新しい理論を提出》するものである。 社会構…

(お勉強メモ)漢字のこと・「形」

ふつう、文字には「形」も「音」もあるものだが、アルファベットなどのように意味のないものもあれば、漢字などのようにそれぞれの字が意味を持つものもある。これを「義」といい、形・音・義の三種は漢字が持つ主要な3要素である。義を持つものを表意文字…

知的めまいをほぐす「哲学」という治療【過去記事「明確化の哲学」】

現象学が明らかにしたことは、私たちの活動のほとんどすべてが非明示的なものによって支えられているということだろう。以前書いた記事『哲学の三層構造』において示した「受動性の層」がそれにあたる。フッサールは人々が互いに納得しながら議論をすすめて…

にんじんと読む「日本人のための日本語文法入門(原沢伊都夫)」🥕 ②

日本語は「自然中心の言語」 - 人間中心との対比 動詞には「雨が降る」などの自動詞と、「絵を描く」などの他動詞がある。目的語の有無でたいてい判別がつくが、「父親が家を出た」などの場合はヲ格があっても目的語ではない。なぜならヲ格成分を主語にした…

にんじんと読む「日本人のための日本語文法入門(原沢伊都夫)」🥕 ①

日本語の文法 言葉の使い方が移り変わる以上、文法もまた移り変わる。また、その時代の文法を構築するにあたってもさまざまな違いが生まれる。大まかに分けると、いわゆる古文などとの接続を意識した伝統的な文法〈国語文法〉と、外国人などに日本語を教育す…

哲学の三層構造 受動性の層ー「過去把持」から【現象学関連過去記事】

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 受動的志向性 - 時間意識の分析から はっきりと自覚して働くような意識を「能動的意識」、そうした自覚がなく自己意識を伴わないで起こっていたことがただ受けとられていた場合の意識を「受動的意識」と呼ぶ。ただし、…

にんじんと読む「自尊心の構造(森口兼二)」🥕 ごく一部のみ

ヒトはほかの動物と違って、独立して生きる能力が低いままで母体から出てきて、依存期間が非常に長い。たとえばチンパンジーの子どもは十か月で依存を脱する。ところが人間の赤ちゃんはいつでも保護者のやっかいになるし、保護者の目を振り向かせる努力をし…

にんじんと読む「現代の死に方(シェイマス・オウマハニー)」🥕 第三章~第八章まで

第三章 勇敢であることへの躊躇い フィリップ・アリエスは「従順な死」から「隠された死」への変化を「嘘の始まり」と呼んだ。隠された死の重要な要素は””死にかかっている人間にどう事実を隠すかであること””だと云った。そうして重症患者もそれを知りたが…

にんじんと読む「現代の死に方(シェイマス・オウマハニー)」🥕 第二章

第二章 隠された死 フィリップ・アリエスが「従順な死」と呼んだものには、彼によれば、無頓着・放念・親密さ・プライバシーの欠如に特徴があると云っている。それは速やかで、受容され、親近感があり、医者よりも神父のほうが重要だった。これが徐々に「隠…

歪んだ姿勢をたてなおす!

仕事中など、退屈なときにチャレンジするといい気晴らしになる「姿勢」。 人間はどんな姿勢をとっていても体に負担がかかる。姿勢によって体にかける負担の場所が変わるだけだ。「動くこと」が大事なので、良い姿勢だろうが悪い姿勢だろうがずっと同じ格好で…

哲学の三層構造 全体像【現象学関連過去記事】

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 自然的態度と超越論的態度 日常生活をただそのまま生きていくことと、その生活の成り立ちや仕組みを反省することは異なる二つの態度である。前者を「自然的態度」、後者を「超越論的態度」と呼ぶ。これは、成り立ちや仕…

にんじんと読む「現象学ことはじめ」🥕 第一章 第二章

第一章 数えること いったい「なぜ」「何が」「どうなって」いるのか。事象の根拠、本質、構造。それは現実問題「何が必要か」「何が役に立つのか」にアプローチすることでもある。 何かを見ているということと、見えている何かは区別されなければならない。…

にんじんと考える「株投資(整理するために)」

株投資をやる目的は金である。社会貢献などでは断じてない。 投資をすることによってその会社に貢献できるかどうかなどどうでもよい。金さえ手に入れば、倒産しようが構わない。とはいえ、倒産されては儲からないのでやっぱり会社の繁栄は望むことになるが、…

釈迦の目指した「悟り」とはなんだったのか?【過去記事「仏教思想のゼロポイント」】

「悟り」とはなんなのか 仏教の最終目的は「悟り」「解脱」「涅槃」である。だが、これがわからない。 釈迦の教える生活の基本条項は『労働の否定』『生殖の否定』であり、ブッダ本人もそれが「世の流れに逆らうこと」(『聖求経』偈)であり欲望に流され楽…