にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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哲学

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ②

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com ② だが、考えてみれば笑われるのがいつも嫌なわけではない。芸人でなくとも、笑ってほしいときがある。たとえば朝ぼうっとしているときに冷蔵庫にリモコンを入れてしまったら「この前ぼけっとしててさぁ」などと言いた…

にんじんと読む「笑いの哲学(木村覚)」🥕 ①

① トマス・ホッブスは『リヴァイアサン』において、「とつぜんの得意は、笑いと呼ばれる顔のゆがみをおこさせる情念」だといい、「他人の欠陥についておおいに笑うことは、小心のしるし」であると言った。階段で転んだ人を見てあなたが笑うのは、「馬鹿だな…

にんじんと読む「心の進化を解明する(ダニエル・C・デネット)」🥕 第一章

第一章 序論 心はいかにして存在するに至ったのか? そして、心がこんな問いを発し、それに答えるということはいかにして可能であるのか? 手短な答えを言えば、進化の産物としての心が数々の思考道具を創り出し、やがて心は、それら思考道具を用いて、心が…

にんじんと読む「私はどうして私なのか(大庭健)」🥕 ②

② 自分もまた世界の中のひとつの事物である、と理解するためには何が必要なのか。鏡像は視覚に限定されていたので、ここからはその限定をやめてみよう。もっとも肝心なことは「他人にも世界が現れている」ということと「他人にどう世界が現れているか」とい…

にんじんと読む「私はどうして私なのか(大庭健)」🥕 ①

① 「存在」と「意識」は違う。背後霊を意識しているからといって、背後霊が本当にいるとは限らない。しかし、「私」に関する限り、このことは一致する。つまり、私が存在するというのは私が意識されていることであり、私が意識されているというのは私が存在…

にんじんと読む「ニーチェ入門(竹田青嗣)」🥕 第一章

第一章 はじめのニーチェ まず論壇上の処女作と呼べる『悲劇の誕生』から。(悲劇の誕生 (岩波文庫)) その中身は①悲劇論、②音楽芸術論、③主知主義批判の三つから成る。彼は悲劇の概念を考え直すため、ギリシャ文化をたどる。その変遷をみるために、ニーチェ…

にんじんと読む「なぜ今、仏教なのか Why Buddhism Is True(ロバート・ライト)」🥕 仏教の真実一覧

仏教の真実一覧 「真実」としてここにあげたものすべてが仏教の教義とはかぎらない。むしろ仏教思想から得られる教訓や示唆に近いものがある。しかしいずれも、神経科学や心理学をはじめとする現代科学、なかでも人類の心が自然選択によってどのように形づく…

にんじんと読む「哲学がはじまるとき(斎藤慶典)」🥕

第一部 思考 第二部 世界(途中まで) 第一部 思考 思考とは反復であり、反復の中核をなすのは偏差(ずれ)である。 哲学がはじまるとき―思考は何/どこに向かうのか (ちくま新書) 反復とはだんだん付け加わっていくということで、偏差というのはいわば「世界…

にんじんと読む「生命と自由(斎藤慶典)」🥕 第三章

第三章 間主観性と他者 超越論的領野とは、すべてがそこにおいて姿を現わす場所である。なにかが存在するためには現出が必要であるがその場こそが超越論的領野であり、ここが最終的な地点である。これは個人の心というレベルの話ではない。 しかしフッサール…

にんじんと読む「生命と自由(斎藤慶典)」🥕 第一章③

基づけ関係による階層性 基づけ関係は「こころ」と「もの」に対してだけではなく、広く成立する。たとえば「植物」と「物質」もそうである。たとえば二酸化炭素から酸素を作り出す物質変換過程は、物理的秩序だけからは説明できない。しかし一方で、植物的秩…

にんじんと読む「生命と自由(斎藤慶典)」🥕 第一章②

デイヴィッドソンの非法則的一元論 デイヴィッドソンは、こころとものの関係について「自由」を得る方法はないかと考えていた。これまで行われてきた多くの議論は以下の三つの原理からくみ上げられたものであると指摘する。 (因果的相互作用の原理)少なく…

にんじんと読む「生命と自由(斎藤慶典)」🥕 第一章①

今回はこの本です。 生命と自由: 現象学、生命科学、そして形而上学 生命と自由: 現象学、生命科学、そして形而上学 作者:斎藤 慶典 発売日: 2014/06/24 メディア: 単行本 何ものかに対して何ものかが何ものかとして現れること、即ち現象。 これを「現実」を…

にんじんと読む「生まれてきたことが苦しいあなたに(大谷崇)」🥕 ③

「生まれたこと」から考える 生まれてきてしまった。こういうとネガティブな感じがして性に合わなければ、ともかく生まれた。生まれている。このことは間違いない。そして私たちは自殺しようと思わない。いくら厭世的であろうが、生きたいと思っている。 大…

にんじんと読む「生まれてきたことが苦しいあなたに(大谷崇)」🥕 ②

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 自殺 厭世主義者はもっとも受ける批判が「自殺しないの?」だろう。 しかし当たり前だが、「生まれなきゃよかった」からといって「自殺しなければならない」は帰結しない。とはいえ、彼らが漠然と自殺に惹かれているの…

にんじんと読む「生まれてきたことが苦しいあなたに(大谷崇)」🥕 ①

今回読んだ本はこちら。 生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書) 生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書) 作者:大谷 崇 発売日: 2019/12/27 メディア: 新書 残念! 生ま…

にんじんと読む「リズムの哲学ノート(山崎正和)」🥕 第四章前半まで

第四章 リズムと認識 これまでの考察でわかったことは、ゲシュタルトの現われる場所は人間の身体だということだろう。「ルビンの壺」が現れるのも、自然の光景が一まとまりの絵柄として現れるのも、その場所は外界の現実でもなく、まして内面の意識でもなく…

にんじんと読む「リズムの哲学ノート(山崎正和)」🥕 第二章+第三章

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 第二章 リズムと持続 従来の哲学によれば、感覚は人間が外界に触れる第一歩であって、経験論者はその信憑性を論証することによって、観念論者はそれを錯覚として否定することによって、思索を始めてきた。だがベルクソ…

にんじんと読む「リズムの哲学ノート(山崎正和)」🥕 第一章

第一章 リズムはどこにあるか リズムという現象について。 たとえば振り子。鹿威し。体内時計や心拍・呼吸。水面に落とした石を中心に広がっていく波。月の満ち欠け。天体の公転運動。 リズムはどの文明においても広くみられる。リズムは言葉を知らない幼児…

にんじんと読む「現象学ことはじめ(山口一郎)」🥕 序章

序章 自然科学という学問は、生活世界という基盤を忘れはじめから自存自立しているような幻想を抱きそれに呪縛されている―――自然科学の成り立ち「生活世界論」 人が意識する手前、つまり、気づく前に生命体としての人が他の人やまわりの状況の間にかかわりが…

にんじんと読む「現象学ことはじめ(山口一郎)」🥕 第二章まで

第一章 数えること 「心の働き」と「心の内容」は区別しなければなりません。たとえば「喜んだり、悲しんだり、見たり、聞いたり、想像したり、思い出したり、判断したりする」ことと「喜びや悲しみといった感情、見えている何か、聞こえている何か、想像さ…

にんじんと学ぶ「心という場所(斎藤慶典)」🥕 第一章まで

第一章 心という場所 本書は私たちの現実を、「存在」の充溢と過剰によって惹き起こされた亀裂のもとで何ものかが「現象」へとみずからを突破し、この「現象」のもとでみずからを表現するにいたる一連の過程として捉え直そうとする。ここで「現象」とは、「…

にんじんと学ぶ「心という場所(斎藤慶典)」🥕 序章

序章 「現象する」とは何の謂いか 序章 「現象する」とは何の謂いか 私たちの現実はどこからどこまでも「現象すること」を基盤として成り立っているのだ。 心という場所―「享受」の哲学のために 哲学をはじめるにあたって、にんじんとしても出発点としたいの…

もう一度にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕 第四章(途中で終わり)

第四章 何のための〈還元〉か(2) とにかくわかりづらいので、『純粋心理学』について見なおしておこう。 まず純粋心理学とは心を扱う学問である。心的なものの存在を私たちに感じさせてくれる経験とは「反省」である。反省によって与えられる心的体験は、…

もう一度にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕 第三章

第二章 〈生〉にとって学問とは何か carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 第三章 何のための〈還元〉か(1) これまでの経過をまとめておこう。フッサールはデカルト的姿勢を受け継ごうとした。それは『哲学するための確実な疑い得ない地盤を求める姿勢』…

もう一度にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕 第一章

第一章 ”学問の基礎づけ”とは何か フッサールの現象学はデカルトの描いたモチーフを徹底させたものだという。つまり『哲学するための確実な疑い得ない地盤』を本気で追い求める姿勢である。ところがデカルトは今や批判され尽くした人物であって、こうした『…

もう一度にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕 序章

序章 現代思想の〈真理〉批判をめぐって この序章では、現代思想の〈真理〉批判のあらましをたどりながら、その仕方のどこに問題があったのか、そして現象学はこの同じ問題に対してどのような構えをとろうとするのか、ということを描き出してみたい。 哲学的…

ハイデガーの勉強:存在の問い&現存在の謎&存在了解

存在の問い なぜ現存在なのか 現存在の「優位」の起源:実存が存在了解を根拠づける 現存在の本質である実存 現存在と人類の関係 存在了解の構造 存在の問い 「存在する」とはどういうことなのか? 「存在」とはなにか? 存在者を存在者として規定する当のも…

にんじんと読む「ハイデガーの根本洞察(仲原孝)」🥕 本来性の謎①

本来性の謎 『存在と時間』における現存在分析の重要な課題の一つは、現存在がたいていの場合に陥っているとされる非本来的実存を克服した本来的実存とはいかなる実在様態なのかを明らかにすることである。ハイデガーはこれについて正反対の主張をしているよ…

にんじんと読む「ハイデガーの根本洞察(仲原孝)」🥕 現存在の謎①~③

『存在と時間』現存在の謎 三つの混同 現存在の優位性 「実存」の意味 現存在の謎・三つの理由の同一性 現存在と人間 『存在と時間』現存在の謎 三つの混同 存在する(ある)とはどういうことなのか、という「存在の意味」の解明にあたってハイデガーは人間…

にんじんと読む「デカルト『省察』の研究(山田弘明)」🥕 第一章まで

第一章 デカルト的懐疑の意味 デカルトの懐疑は、真理発見の方法としての懐疑(方法的懐疑)である。しかし、実はここには単なる方法以上の積極的内容を有しているのではないかと考える。そこで改めてデカルトの懐疑の意味を追求してみよう。 普遍的懐疑 デ…