にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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読書

にんじんと読む「自尊心の構造(森口兼二)」🥕 ごく一部のみ

ヒトはほかの動物と違って、独立して生きる能力が低いままで母体から出てきて、依存期間が非常に長い。たとえばチンパンジーの子どもは十か月で依存を脱する。ところが人間の赤ちゃんはいつでも保護者のやっかいになるし、保護者の目を振り向かせる努力をし…

にんじんと読む「現代の死に方(シェイマス・オウマハニー)」🥕 第三章~第八章まで

第三章 勇敢であることへの躊躇い フィリップ・アリエスは「従順な死」から「隠された死」への変化を「嘘の始まり」と呼んだ。隠された死の重要な要素は””死にかかっている人間にどう事実を隠すかであること””だと云った。そうして重症患者もそれを知りたが…

にんじんと読む「わたしは不思議の輪(ダグラス・ホフスタッター)」🥕 ~第六章

第五章 ビデオフィードバック 略 第六章 自己とシンボル 生物は生き延びるために、《身近に進行していることを、どんなに初歩的な形であっても、何らかの方法で察知し分類する能力を発達させる必要がある》(p.104)。その能力が自分自身に向けられるようにな…

KleinのErlangenプログラム

KleinのErlangenプログラム いろいろの幾何を統一し、あるいは分類する原理として提案されたのが1872年、KleinによるErlangenプログラムである。まずある空間Ω(基礎集合)を考え、Ω上の図形を考え、その図形の性質を考える。ΩからΩへの全単射写像fで、図形F…

にんじんと読む「サクッとわかるビジネス教養 地政学」🥕

地政学・基礎概念 地球全体をマクロな視点でとらえ、世界各国の動向を分析する。特に、「アジア」「中東」「ヨーロッパ」の三大エリアをめぐる国のふるまいを研究する。現在は「中国vsアメリカ」「イランvsアメリカ」「NATO・EUvsロシア」が主な衝突になって…

にんじんと読む「英語独習法(今井むつみ)」🥕 ③

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com ③ リーディングと文法は重視されるが、しかし、それは受容の段階に留まる。レシピ本を読み込んでも料理がうまくなるわけではないように、書いたり、話したり、聴いたりしなければ良くない。文部科学省も、「読む」「聴…

(メモ)日本における養生思想

日本における養生思想 日本の養生思想はまず平安時代・丹波康頼(たんばのやすより)『医心方』(984年)が挙げられる。医学書としては『大同類聚方』(808年)や『金蘭方』(846年)があるが、当時の医学をうかがう観点からも医心方は第一のテキストと目さ…

にんじんと読む「恋愛なんかやめておけ(松田道雄)」🥕

恋愛ってなんだ 著者はまず「恋愛」と、それと繋がりがある「性」に対する人々の反応のちがいを指摘する。恋愛はきれいなものだが、性はきたないものだ。つまり誰も話したがらない。 いったい「性」ってなんだろう。 恋愛なんかやめておけ (朝日文庫) この答…

にんじんと読む「知っておきたい日本の名字」🥕

今回の本はこれ。 日本の名字 作者:森岡浩 発売日: 2015/03/04 メディア: 単行本(ソフトカバー) 邪馬台国の頃、つまり中国の歴史書に記されている日本人外交官の名前は『難升米(なしめ)』『都市牛理(としごり)』であり、姓はなかったようです。しかし…

にんじんと読む「ストレス「善玉」論(中沢正夫)」🥕

今回読んだのはこの本です。 ストレス「善玉」論 (岩波現代文庫) ストレス「善玉」論 (岩波現代文庫) 作者:中沢 正夫 発売日: 2008/02/15 メディア: 文庫 社会というものは本当にわずらわしい。 もし誰もいない山のなかで転んでも「イテテ」で済むのに、町で…

(メモ)日本の古代史

列島の古代 【縄文時代】 第四紀更新世・氷河期:海面低下により日本列島が大陸と地続きに。北や南からマンモスやナウマン象、ホモ・サピエンスが移動してくる。 完新世(約一万年前):海面が上昇し、現在の姿に。 氷河時代が終わり完新世に入ると、環境変…

にんじんと読む「今こそ学ぼう地理の基本」🥕

(地理学における五概念)位置・分布、場所、地人相関、空間的相互依存作用、地域。①その事象がどこにあるか、空間的にどのように広がっているか。位置の規則性や分布パターンから、事象の一般的共通性をみる。②場所の自然的、社会的特性。地方的特殊性をみ…

(メモ)楽器・ピアノのこと

フィレンツェの宮廷音楽家でメディチ家お抱えの楽器製造者バルトロメオ・クリストフォリ(1655-1731)が1709年に作った「ピアノ(弱音)とフォルテ(強音)が出せる大型チェンバロ)=「ピアノフォルテ」が、私たちの知るピアノの発明となりました。単にピア…

にんじんと読む「人類最古の哲学(中沢新一・カイエ・ソバージュ一巻)」🥕 はじまりの哲学

はじまりの哲学 神話は人間が最初に考え出した、最古の哲学です。 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ) 神話は『幼稚で、非合理的で、非科学的で、遅れた世界観をしめしているもの』ではありません。学校教育で教えるのはせいぜい今か…

にんじんと読む「縄文人に学ぶ(上田篤)」🥕 少しだけ

日本列島にホモ・サピエンスが居つきはじめた頃は氷河時代末期、気候が激しく寒暖を繰り返す頃であった。氷河時代が終わり完新世に入ると日本列島の温暖化がはじまったが、このとき日本中で一斉に「竪穴住居」が作られた。著者はこれを『温暖化にともなって…

にんじんと読む「縄文人の文化力(小林達雄)」🥕

日本列島に人々が移住してきたのはおよそ2万年前。この頃はまだ更新世、氷河時代であった。氷河時代が終わり、完新世に至ったのが約1万3000年前。これを境に旧石器時代と縄文時代に別れるのである。 日本列島にいた人々は農耕や牧畜ではなく、まず土器を作り…

にんじんと読む「サピエンス異変(ヴァイバー・クリガン=リード)」🥕 紀元前3万年~西暦1700年

紀元前3万年~西暦1700年 定住の文化がいつ頃から始まったのかは定かではない。狩猟採集社会から農耕社会への転換を「農業革命」と呼んだのはアルビン・トフラーであるが( 第三の波 (中公文庫 M 178-3))、この革命は一時に起きたものではなく、各地で次第…

にんじんと読む「神社のことがよくわかる本(外山晴彦)」🥕

第一章 神社の発祥とその経緯 第二章 祀られる神々の系譜 第三章 神社の見方 「要約」ではなく、「にんじんと読む」ですのでご注意ください。 第一章 神社の発祥とその経緯 自然崇拝・祖霊信仰。古代からのこうした信仰が神社の基本です。たとえば「山」「森…

にんじんと(ちょっと)読む「おいしさの科学(佐藤成美)」🥕

思いがけず短くなったので「(ちょっと)」とつけた。 甘味・塩味・うま味の三つが好まれ、酸味や苦味は好まれずらい。なにがおいしいかというのはこれを基本(生物的条件)にして、経験的に定まっていくことで、生涯通じて変わっていくものだろうと想像され…

にんじんと読む「法華経とは何か(植木雅俊)」🥕 ②

釈尊は絶対者や、生きた神ではなく、一人の人間だった。 だが釈尊の神格化そして教団の権威主義化は百年後には確実なものになった。これまでは釈尊のことを気軽に「ゴータマ」や「君」と呼んでいたのだが、そのように呼んでは長期間にわかって不利益なことと…

にんじんと読む「食の歴史 人類はこれまで何を食べてきたのか(ジャック・アタリ)」🥕

はじめに 人は胎児のころからなにかを食べているし、生まれてからもなにかを食べる。そうして食べることはたいてい話をすることと結びついていた。「食」というものには生命を維持する以上の役割があり、他者・自然・動物との関係を定めるのはまさにこの「食…

にんじんと読む「バカの研究(ジャン=フランソワ・マルミオン)」🥕 バカと知性

知性が高いバカ 知性とバカの関係はどのようなものだろうか。バカは知性の欠如なのか。しかし、どれだけお勉強してもバカなことをするやつはいる。 知能検査にはいろいろあるが、まず第一に「アルゴリズム的知性」をはかるもの。これは物事の意味を理解した…

にんじんと読む「バカの研究(ジャン=フランソワ・マルミオン)」🥕 はじめに+特徴

はじめに バカについての科学研究(バカの特徴) はじめに 「疑いは人を狂わせ、確信は人をバカにする」。 バカはわたしたちより物知りだ。わたしたちがどう考え、どう感じ、何をすべきか、誰に投票すべきかさえ知っているらしい。わたしたちがどういう人間…

にんじんと読む「法華経とは何か(植木雅俊)」🥕 ①

『法華経』成立まで 釈尊は紀元前463年ー紀元前383年に在世していた。釈尊と直弟子から成る教団から釈尊入滅後教団分裂までを原始仏教の時代という。紀元前三世紀頃(-268~-232)、インド亜大陸をほぼ統一していたアショーカ王は現在のスリランカに仏教を伝…

にんじんと読む「最先端研究で導きだされた考えすぎない人の考え方」🥕 

第一章 考えすぎる理由・考えない方法 第二章 行動を最適化する 第三章 不安から「冷静」へ 第四章 最高に集中する 第五章 態度だけはポジティブである理由 第六章 脳、体、心のつながり 第一章 考えすぎる理由・考えない方法 考えずにまず始めよ。やる気は…

にんじんと読む「超越と実存(南直哉)」🥕 ①~⑥

ゴータマ・ブッダ アビダルマ、般若経典、華厳経典の思想 法華経、浄土経典、密教経典の思想 竜樹と無着・世親の思想 中国仏教の思想 空海と空海以前 ゴータマ・ブッダ なぜ人間は生老病死という問題に苦しまねばならないのか。この問いに関してブッダは「自…

にんじんと読む「老荘思想と仏・道二教(森三樹三郎)」🥕

老荘、つまり道家は神の存在を信じず、祭祀や祈祷とは無縁であり、教団組織といったものはまったく持たなかった。つまり道家は哲学であり、宗教ではない。ゆえに仏教や道教とは種類の異なるものなのであるが、道家がこの二つに与えた影響は大きい。 老荘思想…

にんじんと読む「老荘思想――中国的世界観(森三樹三郎)」🥕

長谷川如是閑の『老子』 長谷川如是閑が書いた『老子』は、老子解釈の原点をおさえている点で注目に値する。 老子とはそもそも実在が疑われるものであるが、明らかなことは、それが儒家・孔子の思想に対するアンチテーゼとして成立しているということである…

にんじんと読む「僕らはそれに抵抗できない(アダム・オルター)」🥕

われわれは依存症というものを自分とは関係のない、特殊な人間だけが抱える症状だと思っている。しかしたとえばスマホを手に取る回数や使う時間は年々増えているし、しかも当人はそれらを半分以下に見積もっている。一日のうちどれぐらいスマホを操作するか…

インターネットが奪うもの

ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること ネットのバカ(新潮新書) ウェブに夢見るバカ ―ネットで頭がいっぱいの人のための96章― インターネットが奪うもの まえがき 脳には可塑性はあるが、弾力性はない 知的テクノロジーは私たちを「…