普段は内容を要約しているけれど、今回は読みながら考えたことを書いていきます。 人とかかわらなければかかわらないほど、他人のことがバカに見えてくるのかも……と思ったのは、人が深い話をするのは、その相手としょっちゅう会っていて過ごす時間が長いほど…
財宝 天然アルカリ温泉水 財寶温泉 ミネラルウォーター 高い。しかしこの水は一味違う……。 同じ水なのに何がちがうのかよくわからないが、「水だけ飲むと後で気持ち悪くなる」という現象に悩まされていた自分が、財宝では悩まずに済む。その点が大きい。前に…
2024.02.08記 働かないことを目標にしてやってきたが、では働かなくなったあとにどうするのかという件についてはあまり考えて来なかった。問題としては把握していたけれど、「戦争が終わった後どうするか」と似て、ともかく戦争を終わらしておいて問題はある…
大衆はそれぞれ自己完結しており、自分を疑うということもない。「お考え」をべらべらとコメントし、他人の話は一切聞かない。Twitterのトレンドをのぞけばいくらでもいる人種だが、『こういうひといるよな』と言い、暗に自分はそうではないと思っている人間…
第一章 江戸時代の遺産 江戸時代の政治は「幕藩体制」という。中央政治を担当する幕府と、地方政治を担当する諸藩という構図だが、中央政府の権力は強く中央の許可なしに婚姻も相続も大規模な普請もできないきわめて中央集権的な体制であった。*1 藩とは大名…
第二部 世界への信頼と希望はいかにして破壊されてきたのか 資本主義 アーレントは資本主義を批判する。 まず資本主義は「制作」プロセスを「労働」プロセスに変えてしまう。すなわち、使用対象物の消費財化が起きる。消費財はたちまち消費される。一方、使…
序章 明治維新はどう論じられてきたか 石橋湛山は明治から大正に移った1912年、明治という時代を振り返って「政治、法律、社会の万般の制度および思想に、デモクラチックの改革を行った」ことが明治最大の事業だったと書く。言い換えれば政治参加の拡大・伝…
2024.01.29記 職場で出会う人なんて数年後には赤の他人だし……などと自分に言い聞かせたり、俺は俺、仕事は仕事なんだぜ……と決意しても、いざ職場というひとつの「世界」に迷い込むと、心と体がそこに適応して、割とどうでもいいことでくよくよしたり、思い悩…
第一部 第一章 活動的生とは何か――活動的生の世界維持形成機能 人間には三つの根本活動があるとアーレントは言う。それが労働・制作・行為であり、諸活動はすべてこの三つのどれかに属する。そしてこの三つの活動を総称するものとして、『活動的生』という言…
序章 この世の中はいやなことばかりで、苦しみに満ちている。そうした出来事に直面してもなお、われわれは世界を愛することが、肯定することができるだろうか? ———アーレントが『活動的生』という著作で行おうとしたことは、「それにもかかわらず」の世界肯…
時代の高さ 前章で確認したことは、大衆の支配がもたらした歴史的水準全体の上昇は好都合なものだということである。この水準の「高低」に、しかし、著者は次のようにいう。 ほとんどすべての時代において、自分たちの時代の方が他の過ぎ去った時代よりもさ…
歴史的水準の上昇 密集の事実。大衆と少数者集団の特徴。……並べてきたことはなんとなくエリート主義的なにおいをかんじさせるが、著者もこのことは自覚していたと思われる。彼は自らを「根本的に貴族主義的な歴史解釈をその持論とすることで有名」と書いてい…
密集の事実 私たちが見ているもの、私たちをそんなにも驚かせるものとは何だろうか。それは文明によって創り出された諸々の施設や道具を占有する群衆そのものの姿である。 大衆の反逆 (岩波文庫) 昔はそうではなかった、という。だがこれは私たちにとっては…
2024.01.21記 みんなの顔が見えなくなったらいいのに、と思う時がある。 * そのサングラスは見えている人間の存在を消すことができる。視覚情報だけなので、耳では声は聞こえてしまう。それに、消すことができるといっても透明になるわけではない。AIで背景…
ショーワグローブさらっとタッチ 水仕事をするときに、「絶対に手を汚したくない」と考える人のための基本アイテム。ちょっと触りづらいキタナイところもこの手袋なら安心です。使い込んでくるとだんだん指先が固くなってくるので、そうなったらそろそろ交換…
哲学は既存のすべての知識に対する反省を促すがゆえに、もっとも一般的で、誰しもにひらかれたものである。その哲学は専門化の道をたどり、その議論を追うために独特な知識の集積を必要とするようになっているが、互いの理論的前提を共有しないことによる分…
大学の数学は、高校からの移行がうまくいった学生たちにとっては、高校よりもある意味ずっと簡単である。高校までは何百個もある料理のレシピを覚え実際に作ってもらうという活動が「数学」だったが、大学からは力点が変わるのだということに気がつきさえす…
第二部 危ない対話への勇気 現代人の今の態度のまま「対話」を推奨していくことには問題がある。 プラトン『パイドン』において、「ミソロゴス」(言論嫌い)について語られたことがあった。言論嫌いというのは、どんな言論にも真理などない、世の中に出回っ…
第一部 対話を知っていますか? 対話とは何か。対話とはそもそも可能か*1。 このことを考えるにあたって、類似する他の言語行為(会話・談話・演説・討論)などとどう違うかを見よう。つまり対話でないものを見ることで対話とは何かが見えてくるという方法で…
2024.01.09記 新年だからというわけではないが、久しぶりに漫画を買った。「ヒナまつり」で有名な大武政夫さんの「J⇔M(ジェイエム)」である。なにかの記事で大武さんがアナログからデジタルに作画環境を変えたと読んだ覚えがあるが、そういえばヒナまつりの頃…
本書を通じて自分の考えが哲学者たちに伝わるのを望みはするが、哲学者のような書き方はするまいと思っている。わたしには、多くの哲学者は数学者と同じで、自分の正しさを実際に証明できると信じていて、そのために非常に厳密で専門的な言葉を多く用い、場…
Life-do.Plus ウェットティッシュ 机を拭くのに買ったもの。なによりも安さが売り。ヒアルロン酸がどうだの書いているが、特にそのあたりで効果を実感することはなく、ほぼ「濡れた紙」ぐらいの気持ちで机を拭いている。 ボトルタイプで、ティッシュを引っ張…
人生の基本的な指向、なにが大切かを測る物差しを変えよう。つまり「自分は何者なのか」ではなく、「自分にとって大切なことをどれだけ創り出せているか」にフォーカスを移そう。これによって、必要な能力を身につけ、学び、行動し、適切な方針をもって、創…
第一章 競争原理 競争は、うまく働けば創造性や卓越を生み出す原動力になる。問題は、時にそれがお互いをつぶしあう争いに発展することだ。そもそも「競争」と「争い」はどのように異なるのか。競争では、限られた地位や立場をめがけて一定のルールの下で皆…
世界内存在 世界内存在 —— 世界 交渉と認識 存在了解の二つのベクトル 鳥という対象を志向するためには鳥が鳥であることの意味の把握が前提となっている(フッサール 志向性の哲学)。鳥は常になんらかの仕方で現われ、たとえば鳥は飛んでいるが、それは単に…
三つの概念 人類の言葉の歴史を考えるために、次の三つの概念を用いる。 普遍語universal language 現地語local language 国語national language :国民国家の国民が自分たちの言葉だと思っている言葉 ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』の核心は「…
人間の傷つきやすさの根本的な原因は、まず生きていることである。 脆さ カエルは石よりも脆い素材でできている。鉱物は酸化したケイ素や金属から成り、分解されにくく非常に硬い。これに対して生物はタンパク質・核酸・脂質など炭素原子が連なった高分子で…
i-shirt 完全ノーアイロン ストレッチ シャツが前々からぱりぱりした感じがして着づらかった。ストレスなく、もはや普段着のごとく腕を通せるものがあればいいと思っていたら、i-shirt。おかげさまでシャツに関してはなんのストレスもなくなった(あとはスラ…
ハイデッガーの『存在と時間』は、存在者的なもの・存在論的なもの・存在時性という三水準を区別した問題設定によって描かれた。すなわち、①存在者が了解されることの可能性の条件としての存在、②そのような存在一般の了解の可能性の条件、③存在了解一般の可…
歴史は史料に基づいて織りなされる物語の重ね合わせである。重なって重なって、盛り上がったところが定説と言われる。人や国について語られる物語はたくさんあり、それが争いの火種になることもあるが、歴史を学ぶことは他者の目でものを見るということでも…