にんじんブログ

生活の記録です。

≪第2回:ちょろんと読書≫三四郎

≪ちょろんと読書≫は良い本をちょっと紹介するコーナーです。

第2回は有名な「三四郎 (岩波文庫)」です。

 三四郎 夏目 漱石(著)、岩波文庫、1990/4/16

 夏目漱石は「吾輩は猫である」とか「坊っちゃん」とか「こころ」は周りでも話題になりますが、あまりあげられないこちらも名作です。ここで描かれる学生たちは現代にも通じるものがあり、さすがは古典だなと思わされます。

ヘーゲルの講義を聞かんとして、四方よりベルリンに集まれる学生は、この講義を衣食の資に利用せんとの野心をもって集まれるにあらず。ただ哲人ヘーゲルなるものありて、講壇の上に、無上普遍の真を伝うると聞いて、向上求道の念に切なるがため、壇下に、わが不穏底の疑義を解釈せんと欲したる清浄心の発現にほかならず。このゆえに彼らはヘーゲルを聞いて、彼らの未来を決定しえたり。自己の運命を改造しえたり。のっぺらぼうに講義を聞いて、のっぺらぼうに卒業し去る公ら日本の大学生と同じ事と思うは、天下の己惚れなり。公らはタイプ・ライターにすぎず。しかも欲張ったるタイプ・ライターなり。公らのなすところ、思うところ、言うところ、ついに切実なる社会の活気運に関せず。死に至るまでのっぺらぼうなるかな。死に至るまでのっぺらぼうなるかな」(強調はにんじんによる)

 

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