今回のテーマは「年収」です。
これを調べるために厚生労働省の国民生活基礎調査にアクセスしました。
その結果、平成28年の所得分布において、所得の中央値は422万円、平均値は560万2000円でした。【2019年最新】年収分布統計を世帯別、男性女性別、職業別(サラリーマンなど)、世代別(20代~50代)に解説(厚生労働省統計参照)によると、20代前半の平均年収は262万9000円、20代後半の平均年収は361万4000円(但し、正規雇用のサラリーマンのみ)。ただサラリーマン全体の割合でいえば年収400万円以下が最も多く48.8%です。年収1000万は全体の0.6%です。ところが職業に拘らず全体で見れば年収1000万の人は11.6%もいます。
一方、非正規社員の年収は84.6%が年収300万円未満です。
- 大抵の人は年収300万円付近
自由に使えるお金「自由裁量所得」
年収1000万円の人が年収500万円の人よりも二倍お金持ちか、といえばそういうわけでもありません。所得が高ければ高いほど徴収される税金も多くなるからです。
自由裁量所得というのは、所得から税金や社会保険料、そして家賃や食費など毎月必ず掛かる支出を引き算したものです。自由裁量所得こそが、自由に使えるお金ということになります。
自由裁量所得について次のような調査があります。
全世代わたって平均すると、一か月の自由裁量所得は約2万4000円。
世代別に見ても、大体このあたりに分布していることがわかります。年収に関わりなく、自由に使えるお金というのが大体これぐらいだということです。
お金による幸福の限界
ところで、ダニエル・カーネマン氏の研究によれば、お金が幸福に寄与するのは年収824万円が限度なのだそうです。
全角度調査 「年収900万円=最大幸福」説は本当か?(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
年収700万円を超えると幸せが増えない? カーネマン研究を読み解く - 投資でセミリタイアする九条日記
ところが、サイモン・ルーチンガー氏によれば幸福を感じる仕事時間は一週間に33時間。そうであるとすると、月に132時間、年に1584時間であるから、年収824万円に達するためには時給約5200円。通勤時間は「20分」が限度だそうです。
- 作者: ダニエルカーネマン,Daniel Kahneman,友野典男,山内あゆ子
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「働きたくない族」はどうする?
自分が目指しているライフスタイルについて考えることは有益です。
「好きなことをして生きたい」というのは誰もが願っていることでしょうが、もっと具体的に、現実的に達成しうるような目標を設けてみましょう。
ここでちょっと足を止めて、お金のことについてにんじんが思うことをつらつらと書いてみることにします。
人生はお金ではないという人もいますが、一定レベルの不愉快は金さえあれば解決します。ちょっとインテリアが欲しいなあと思ったときに、お金に余裕があれば何も考えずにネットショッピングすることができます。歯の黄ばみが気になれば歯医者に電話してホワイトニングしてもらうこともできます。日々の雑務は人を雇って代わりに管理してもらうこともできます。
ところで、お金を得るためには働かなくてはいけないのでしょうか。それが雇用されるという意味ならば、お金を得るために必ずしも働く必要はありません。所得税法では所得は十種に分類されており、いわゆる「雇われ」によってお金を得るのは所得のうちのひとつにすぎないからです。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
ザッと見回してみてわかるのは「元手」なしに、金が手に入る方法は給与所得か一時所得か雑所得しかありません。元本が少なすぎるのに利子所得で食っていくのは不可能ですし、そもそも金利が低すぎます。不動産とか普通は持ってないし、事業やってないし、就職しなきゃ退職もないし、山林持ってるひとそんないないだろうし、譲渡するにもあげるものがないと駄目です。
一時所得はクイズの賞金とかそういうものです。ちなみに宝くじは課税されないことになっているので一時所得ではありません。雑所得は作家の原稿料とかそういうものです。一度調べてみてください。
さて、この三つの中で最も手軽に金が手に入るのは「給与所得」です。現実的に考えて、ここから始めるしかありません。もちろん新人賞に応募などしてプロの作家になってもいいのですが、全体の何パーセントがその恩恵に預かれて、そしてそれは賭ける価値のある確率かといえば心もとないでしょう。だからプロを目指すにしてもなんにしても、給与所得を得ながら、そっちを目指すのが普通かと思います。
「働きたくない族」には二つの選択肢があって、
- 事業所得を得る(自分で商売を始める)
- 給与所得で元手を作って、別の所得にシフトしていく。
ごく自然に考えれば、二番がよろしいと思います。
しかし、リスク回避の観点からいえば、十種の所得のひとつに集中するのは良くないだろうと思います。その所得が潰れたら終わりだからです。なので、給与所得の元手を徐々に他に振りながらも、雇用だけはされていたほうがいい、と最近考えております。雇用保険に入るとかそういうことではなくて、バイトでもいいのでたまに出掛けるぐらいのお仕事を目指すのがいいかなという感じです。
carrot-lanthanum0812.hatenablog.com