にんじんブログ

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【社労士】雇用保険法① 被保険者&適用事業&届出&基本手当

 

雇用保険法とは?

雇用保険法とは、

労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ること

  を目的とした法律です。法律によくあることですが、長ったらしくてわかりにくいですね。要するに失業関係の保険です。

 

 勉強するにあたっては、どの保険法でもそうだと思いますが、

  • 「どんな事業」で、
  • 「誰が」、
  • 「どんな給付」を

 受けるのかを、まずは大枠として捉え、問題を解きながら細かい知識を得ていくのが定石です。

 

 

適用事業

 雇用保険の適用事業は「労働者を雇用される事業」です。

 これは適用事業だろうかと訊かれたら労働者がいるかどうか考えればいいのです。随分お気楽ですが、一部の事業は暫定任意適用事業とされ、雇用保険に加入するかどうかをゆだねられている事業があります。

暫定任意適用事業
  1.  農林水産業
  2.  個人経営
  3.  5人未満

 この3つを満たす事業は「暫定任意適用事業」といって、別に雇用保険に入らなくてもいい事業になります。労働者の半分以上が希望するときに、厚生労働大臣に申請に行くことになります。上の場合だと勝手に適用事業になってたところ、暫定任意適用事業だとどうするかは労働者が選べるんですね。

 ただし、船員が雇用される事業はたとえ水産でも適用事業になるので注意です。

 労働関係では「船員」には要注意で、今後もたびたび顔を見せることでしょう。

過去問で見る問題傾向

 適用事業の問題は、暫定任意適用事業の要件に関わるものが中心になっています。

 たとえば、

平成18年 雇用保険法 問1 肢E

個人経営の小売店で常時2名の労働者のみを雇用する場合、事業主が任意加入の申請をしない限り、それらの者は被保険者となることはできない。

  これなどは典型的です。労働者を雇っているので適用事業になりそうですが、暫定任意適用事業でないかの最終チェックをしておく必要がありますね。要件は「個人経営」「農林水産」「5人以下」でしたが、小売店は農林水産ではありません。

 よって適用事業。答えはバツになります。

 

被保険者

 被保険者とは「雇用保険適用事業に雇用されてる労働者(適用除外を除く)」のことです。

 被保険者の種類は4つあって、

  1.  一般被保険者(65歳未満の人)
  2.  高年齢被保険者(65歳オーバー)
  3.  短期雇用特例被保険者
  4.  日雇労働被保険者

 です。

被保険者の適用除外
  1.  20時間未満/週
  2.  31日以上雇用されることが見込まれない
  3.  季節的に雇用される者で次のいづれか。①4カ月以内②20時間以上30時間未満/週
  4.  学生
  5.  船員で、漁船に乗り組む人
  6.  国、都道府県、市町村に雇われとる人

 

 こういう人たちです。一口に言って、あんま働かん人船乗りお役所です。

 

重要と思われるポイント

 被保険者の種類と、適用除外を見比べることが重要です。私たちは人間をポンと出されたときに、その人がどの種類の被保険者かを確認できなければなりません。そしてこの判定のプロセスを追うことで、被保険者の分野は理解が深まります。

 一般被保険者とは、

 被保険者であって、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇被保険者以外のもの

 のことを言います。つまり、他のどの種類にも当てはまらないものを一般被保険者というわけです。この点は重要で、すなわち一般被保険者になるかどうかは他のものにならないかどうかのチェックが必要になるからです。

 

【Step1:日雇労働被保険者じゃないか?】

 日雇労働被保険者とは、

 日々雇用される者又は30日以内の期間を定めて雇用される一定の者。

  1.  適用区域内の適用事業に雇用される者
  2.  厚生労働大臣が指定した地域の適用事業に雇用される者
  3.  公共職業安定所所長の認可を受けた者

 のことです。

 これに当てはまっているでしょうか?

 YES → 彼は日雇労働被保険者です。

 1~3のいずれでもない→ 適用除外

 NO → Step2へ

 

【Step2:適用除外チェック】

 まず「学生」「船員」「国、都道府県、市町村にやとわれている」かどうかを確認してください。この人たちは基本的には排除してオーケーです。*1

 それから週当たりの労働時間です。20時間未満ではありませんか?

 

 残りはこれ。

  •  季節的に雇用される者で次のいづれか。①4カ月以内②20時間以上30時間未満/週(条件A)

 

 

【Step3:条件Aを満たすか?】

 YES → 適用除外。そもそも被保険者じゃない。

 NO!

 (1)そもそも季節的業務じゃない → Step5へ

 (2)①、②はどっちも満たさない → 短期雇用特例被保険者

 

【Step4:年齢は65歳超えてる?】

 YES → 高年齢被保険者

 NO → 一般被保険者

 

 以上で、どの種類にいるかを判定することができます。

 

【コメント】

 一般、高年齢、短期、日雇の被保険者の区分を頭に入れておいて、判断の順番を、

  1.  日雇?
  2.  適用除外?
  3.  短期?
  4.  高年齢?

 とぼんやり覚えておくとよいでしょう。

 

 被保険者の分類というのは、労災保険のほうにはありませんでした。労災保険は労働者かどうかだけだったことを思い出してください。次の届出についても労災のほうでは勉強しませんでした。労災と雇用はお互いに比較しながら、一緒に勉強していくと効率がよいです。

 

被保険者、適用事業の届け出

【適用事業の届出】

  1.  適用事業所設置届 → 翌日から起算して10日以内
  2.  適用事業所廃止届 → 翌日から起算して10日以内
  3.  事業主事業所各種変更届 → 翌日から起算して10日以内

 提出先はいずれも公共職業安定所長です。

 

 【被保険者の届出】

 被保険者が増えたぜという連絡は事業主のお仕事です。

 ※日雇労働被保険者は除きます。彼らは自分で持って行かないといけません。

 

  1.  資格取得届 → 事実のあった月の翌月10日まで (※日雇:5日以内)
  2.  転勤届 → 事実のあった月の翌月10日まで
  3.  氏名変更届 → すみやかに
  4.  休業開始時賃金証明書 → 育児・介護休業の申請書提出までに。
  5.  休業・所定労働時間短縮開始時賃金証明書 → 翌日から起算して10日以内
  6.  資格喪失届 → 資格喪失日の翌日から起算して10日以内

 

 提出先はいずれも公共職業安定所長です。

 

 

 被保険者の資格を喪失すると、

 → 事業主が雇用保険被保険者離職証明書を作成する。

 → 事業主が資格喪失届とともに離職証明書を添付して提出する。(①)

 → 公共職業安定所長は被保険者でなくなったことを確認すると、

   事業主を通して離職票を交付します。基本手当を受ける際に必要となります。

 

①の手続きを当該労働者が希望しない場合あるいは死んでしまって被保険者でなくなった場合は、しないことができます。(ただし59歳以上の場合は除く)

 

【被保険者資格の確認】

 届出だけでは正式にはまだ被保険者ではありません。

  1.  事業主からの届出
  2.  被保険者又は被保険者であった者の請求
  3.  職権 

  に基づき、被保険者資格の確認を行い、それによって被保険者となったり、被保険者でなくなります。公共職業安定所長は確認したことを事業主に通知します。

給付の種類

  1.  求職者給付
  2.  就職促進給付
  3.  教育訓練給付
  4.  雇用継続給付

 4つが基本で、引き延ばす場合に延長給付が行われます。

 これからひとつひとつ見ていきますが、どんどん細分化されていくので途中で嫌になるのは必至です。一度で済ませるのは無理ですので、何度か戻って勉強しましょう。

 

※受給権の保護

  1.  失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
  2.  租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。

※未支給の失業等給付

 支給されないまま失業者が死亡した場合は、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、生計を同じくしていた者は支給を請求することができます。

(死亡した日の翌日から起算して6か月以内)

※不正利得の返還命令等

 偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した失業等給付の全部又は一部を返還することを命ずることができる。

 またこの返還は給付分の2倍以下の額で納付を命ずることができます。

 

みんなが欲しかった! 社労士の問題集 2019年度 [働き方改革関連法対応] (みんなが欲しかった! シリーズ)

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求職者給付

 まずは求職者給付からです。

  1.  基本手当
  2.  技能習得手当
  3.  寄宿手当
  4.  傷病手当

 この4つですね。基本手当は雇用保険でもっとも基本となるところです。高年齢の人には「高年齢求職者給付金」、短期雇用特例被保険者の場合は「特例一時金」、日雇い労働被保険者の場合は「日雇労働求職者給付金」の一種類ずつになりますが、ここではそれ以外の一般被保険者について見ていきましょう。

 

【基本手当】

 そもそも基本手当は失業した人が再就職するまでの生活保障です。ですので当然、職を失った人が対象になります。受給資格は次の通りです。:

離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上

 二年間のうちにどれだけ職を変えてようが別にいい、とりあえず12カ月間雇用保険に金さえ払ってればいいという要件です。

 2年のうち12か月と聞くと、まぁ半分ですから楽勝のように見えますが、最初の一年間に働いてなかったら丸々働いてないといけないわけで、けっこう厳しい条件といえます。

 そこで自己都合ではなく会社側から辞めさせられたり、会社がなくなったり、契約更新されなかったり、自分の都合ではあるけれど正当な理由がある場合などは特例として条件が緩和されています。:

離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上

 いや、しかしそれでもつらい。半年以上、事情があっておちんぎんがもらえなかったんやどうすればええんや、というケースもあるでしょう。そういうときのためにさらなる緩和があります。

 疾病、負傷等により引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった被保険者についてはその日数を算定対象期間に加算する。

 たとえば6か月間おちんぎんが発生しなかったら「離職の日1年間」という条件が「離職の日1年6か月間」になるということですね。ちなみに最大で4年まで引き延ばせます。

 

平成23年 雇用保険法 問2 肢A

被保険者が失業したとき、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して14か月ある者は、倒産・解雇等による離職者や特定理由離職者でなくても、基本手当の受給資格を有する。

  答えはマル。14か月も払ってたら十分です。

 

平成26年 雇用保険法 問1 肢C

被保険者であった者が、離職の日まで業務外の事由による傷病のため欠勤し引き続き6か月間賃金を受けていなかった場合、雇用保険法第13条第1項にいう「離職の日以前2年間」は、2年間にその6か月間を加算した期間となる。

  答えはマル。

 

【受給のための手続き】

  1.  職を失ったら、管轄公共職業安定所に出頭します。
  2.  ハロワに行って求職の申し込みをして、その際に持っている離職票を提出します。
  3.  ハロワのボスは受給資格の決定を行い、その際に失業の認定日を定めます。
  4.  最後に雇用保険受給資格者証を交付します。
  5.  基本手当が受けたいとなったら、失業認定日にまたハロワに行って「失業認定申告書」「受給資格者証」を提出します。そこで失業の認定が行われ、基本手当が支給されます。

 

 という感じ。職を失ったらハロワに行けということですが、いくつかチェックポイントがあります。まずは、離職票です。

 

離職票

 職を失ったということは当然働いてないわけで、働いてないやつは労働者じゃありませんので雇用保険にも入っていません。そして雇用保険に入ってないやつが雇用保険を受けられるわけもないため、離職の際には何かしら「雇用保険にいたぜ証明」が必要になりますよね。それが離職票です。

 事業主は雇用保険に入れさせてた労働者をポイするときは、資格喪失届を提出します。その書類には雇用保険被保険者離職証明書が添えてあって、それを見たハロワのボスが離職票を作成し、事業主を通じて労働者に交付します。

 

 <失業の認定>

 失業の認定は、

 求職の申し込みを受けた公共職業安定所において、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日各日について行うものとする。

 とされています。一読して意味が分かる人はなかなかいないと思います。

 認定日は、出頭した日から起算して4週間後に行われます。4週間を振り返って一日ごとに「この日失業状態やな」「この日もやな」とチェックしていく感じです。

 

 【基本手当の日額】

 さて、苦労して手に入れた基本手当はどれぐらいもらえるのでしょうか。計算方法は「賃金日額」と呼ばれるものに、所定の「給付率」を掛けたものになります。

 

 賃金日額 = 最後の6か月間の賃金総額/180日

 

 これが基本です。最低額は2470円、最高額は年齢によって異なりますが、30歳未満で13420円となっています。さらに日給・時給の場合は別の最低保証があって、過去6か月の賃金総額/6か月の労働日数 の70%です。一日の労働で稼いだお金の7割ということですね。

 

 賃金日額に応じて給付率は変わりますが50~80%の間です。60歳以上65歳未満の場合は45~80%で、少し割合が変わっています。

 

 【基本手当の給付日数】

 被保険者であった期間(算定基礎期間)と、離職した事情によって変わります。

  •  まずは一般の人から。離職した事情が解雇とか倒産とかではない人です。この人たちは算定基礎期間に応じて90~150日の期間が定められています。たとえば被保険者だった期間が10年未満の場合は90日与えられます。
  •  次は解雇された人たち。年齢にもよりますが、90~330日と幅が広くなっています。1年未満の算定基礎期間の場合はどの年齢でも90日。一番長いのは「45歳以上60歳未満 で 20年以上」勤めた人です。これだけ働いてこの年齢になって解雇されるとは、一番長いのも頷けます。

 これが基本なわけですが、基本があれば必ずそれ以外があるのが法律の勉強です。それは「就職困難者」です。障害を負っている場合など、社会的に就職が著しく阻害されている人たちはもっと長く給付されます。その日数は150日~360日! 

 

【受給期間】

 続いて、受給期間です。給付日数が90日となっていても、ずっともらわずに貯金しておくことはできません。この期間中じゃないと給付しませんよという決まりがあります。原則的には1年です。例外がもちろんありますが、とりあえず1年と覚えておきましょう。

平成24年 雇用保険法 問3 肢A

基準日において50歳であり、算定基礎期間が1年の就職困難者である受給資格者については、受給期間は、原則として、基準日の翌日から起算して1年に60日を加えた期間である。

 

 就職困難者です。しかも算定基礎期間が1年あり、50歳なので360日も給付日数があるんですね(45歳以上、1年以上で360日)。もしこの人たちの受給期間が1年だとすると、1年365日でまったく猶予がないことになってしまうので、問題に書いてある通り1年にプラス60日されます。答えはマル。

 

 給付日数なんていちいち覚えてられるかよというぐらい、給付日数は細かく設定されてますが、心配はいりません。原則1年の例外というのはたった二つしかないからです。それは(1)給付日数が360日 (2)給付日数が330日 というパターンです。

 そして300日を超えて給付日数がある奴は相当限られてきます。

(1)45歳以上65歳未満(算定基礎期間が1年以上)の就職困難者

   →1年+60日

(2)45歳以上60歳未満(算定基礎期間が20年以上)の特定受給資格者

   →1年+30日

 

 こいつらだけです。(2)については20年以上勤めあげたのに定年間際で解雇された人だと思えば覚えやすいです。悲しい覚え方ではありますが、試験に受かることが目的なので、致し方ないです。

 平成19年 雇用保険法 問2 肢B

基準日において45歳以上60歳未満であり、算定基礎期間が20年以上ある受給資格者については、基本手当の受給期間は、当該受給資格に係る離職の理由や本人の申出の有無を問わず、基準日の翌日から起算して1年に30日を加えた期間となる。

  答えはバツ。離職の理由が、解雇とか倒産とか悲しい感じじゃないと駄目です。

 

 まぁどれだけ長かろうが、

平成28年 雇用保険法 問4 肢A

受給資格者が、受給期間内に再就職して再び離職した場合に、当該再離職によって新たな受給資格を取得したときは、前の受給資格に係る受給期間内であれば、前の受給資格に基づく基本手当の残日数分を受給することができる。

  再就職したら全部なくなります。答えはバツ

 

新よくわかる雇用保険 改訂3版 (困ったとき読む本シリーズ)

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*1:基本的に、というのは、休学中だったらどうだとか、細かい決まりがあるからです。今はこれを省きましょう