原稿用紙一枚で書く日記 #40
論破という言葉が好きではない。言い負かしてやったがどうだ、という優越感以外に何も産み出さないからだ。論破された相手は論破されたからといって意見を変えたりしない。言い負かされたという感じだけが残り「もう少し口がうまければ」と思うだろう。巧言令色。双方ともにまことに浅薄皮相で、中身に乏しい。しかもそれが持て囃されるのだから厭世的な気分になってしまう。無論、気分とは関係なしに、世相は続くよどこまでも。
話す。返す。この差が早いほど頭の回転も早いとされるのもどうかしている。要するに慣れているというだけで、実際は何も考えちゃいない。むしろ「ちょっと待って」といって数分も黙りこくる人のほうが信用できる。声がでかくて目立つ人より、まじめで良い人が評価されて欲しいなと、常に思う。が、無論、気分とは関係なしに、世相は続くよどこまでも。