本日のテーマは「〈社会不安〉を自分で治す」です。
にんじんが本を参考にしつつ、勝手に言っているだけなので専門家の記述が直接見たい場合は本をあたってください。
不安もパニックも、さようなら 不安障害の認知行動療法:薬を使うことなくあなたの人生を変化させるために
不安の原因、その4つの理論がこちら。
- 認知モデル:否定的思考が不安を引き起こす
- 曝露モデル:回避がすべての不安の原因となる
- 隠された感情モデル:親切や優しさが不安の原因となる(自分を押し殺す)
- 生物学モデル:不安や抑うつは脳内の科学的バランスの不均衡によって生じる
自分で治すわけですから、薬物療法は使えません。なので上の三つを組み合わせていくわけですが、色々な本で指摘されている通り、確認しなければならないことがあります。社会不安だけでなく、悩み全般に言えることだと思います。それは「そもそも治療する気があるのか?」ということです。
『不安もパニックも、さようなら』にあるように、たとえば完全回復ボタンがあったとしたら、それを躊躇なく押すだろうか……。
行動が定着するにあたって、なにかメリットを得ていないだろうか。回復するということはそのメリットを手放すことになる。———ということが頭にあって、回復を拒否する事例があります。また、この点を反省してみると、自分がなぜ「治したい行動」を繰り返すのかがわかって、すっかり不安がなくなってしまう事例もあります。
今回は自分で治す基礎となる記録表を、にんじんなりにまとめたものを紹介します。自分を研究するつもりでやっていくと良いですし、何度もやっているとパターンが見えてきます。思い込み自体は以前見たように、言葉にされると「そんなこと気にしなくても」というレベルなので、軽度な場合は記録しているだけで随分変わって来るのではないかと思います。
より詳しい技法については、次の本にたくさん載っています。
不安もパニックも、さようなら 不安障害の認知行動療法:薬を使うことなくあなたの人生を変化させるために
- 作者: デビッド・D・バーンズ,野村 総一郎,中島 美鈴,林 建郎
- 出版社/メーカー: 星和書店
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日常気分記録表
にんじんは『他人がこわい―あがり症・内気・社会恐怖の心理学』を基礎にしているので、『不安もパニックも、さようなら』の日常気分記録表を少し変えつつ応用していきましょう。
不安が行動・認知にどういった影響を及ぼすかは過去記事参照。見やすいように下図はきれいにまとめてますが、スマホのメモ帳ぐらい、雑に書いてもいいと思います。記録表なんて持ち歩けるわけないですしね。
認知の歪みについては、
- 自分自身に対する思い込み
- 他人の評価に対する思い込み
- 他人の反応に対する思い込み
の3パターンがありましたが、他にも
- 白黒思考(ものごとを白か黒かで分ける)
- 一般化のし過ぎ
- 心のフィルター(マイナスだけしか見ない)
- マイナス化思考(プラスを「大したことない」と見る)
- 結論への飛躍
- 過大解釈/過小評価
- 感情的決めつけ
- 「すべき」思考
- レッテル貼り(「私はまぬけだ」「私は失敗者だ」)
- 非難(自己責任、他者責任)
があります。でも10個もあったら覚えられないので、上で間に合うなら上のほうが良い気がします。本には反しますが……。
合理的思考は落ち着いて現実的に判断します。「嫌われるかも」と思って話しかけるのを回避してしまったときは、「自分が出そうとしていた話題はこれだった。ひどい話題でもないし、話すこと自体に問題はない。楽しく会話できればいいなと思うけれど、駄目なら駄目で、人は人なのだからそれでよい」ぐらいでいいだろうと思います。
『〇〇したいと思う。でもできたらでOK』
という意識は結構大事です。にんじんは勝手に願望記述と呼んでます。でもできたらでOKが、しなければならない、とかになるとちょっと不安です。
自分が普段、「何に対して」「どう感じやすく」、それは「どんな認知パターン」だから「実際はこう(すればいい)」ということを確認していくのが大事です。
実際
自分の認知パターンの歪みがどれに属するのかを知るのが大事です。
「あぁ、またこんなこと考えてるよ」「普通に考えてそんなわけないのに」とまずは頭で理解しましょう。
たとえば、「ここにいるやつ、みんなお前のこと嫌ってるよ」と思った場合、傷つくかもしれませんが、冷静に考えて「みんな」ということなどありえません。とんでもないことしてる人でも平然と選挙で当選してるのを見ればわかるように、たとえ何をやろうが一定の支持者・無関心層はいるものです。
他人の反応・他人の評価に関してはほぼ「被害妄想」です。誰もあなたの行動を逐一見てませんし、攻撃してきません。