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「被害妄想(ピエール・ジャネ)」を中途半端に読んだ🥕

途中まで読んだのでメモ程度にまとめです

 

被害妄想――その背景の諸感情

被害妄想――その背景の諸感情

 

 

 ここでの主題は「妄想」、特に「被害妄想」です。

 たとえばこうです。:アタシ悪く思われてるんじゃないかしら、うわあの人笑ってるよオレを馬鹿にしてるんだ、ボクはみんなに憎まれている、……ときには、もっとひどい被害を訴えることもあります。突然後ろの扉が開いて危険人物が乗り込んで来たり、悪魔が来たり……。

 患者は誰しも、最初から被害妄想に悩まされていたわけではありません。だんだん、だんだんとそういう気分になってきました。その気分が、患者の欲求や言葉遣い、振る舞いなどにあらわれ、被害妄想的な傾向を強めたのです。そして上のように「悪く思われてるんだ」と妄想するようになりました。最初の知的加工前の、発症当初からある、その漠然とした気分を「影響感情」と名づけましょう。それに知的加工が施された状態、それを解釈したもの、それが「妄想」です。

 患者は感情に影響されて行動を方向付けられており、妄想にあらわれます。だからたとえば「あなたには嫉妬感情がありますね」と診断されて驚くのも無理からぬことです。妄想に方向づけている感情を定式化するのは診断者のほうなのですから。『そのように、妄想の背後にあって妄想に先だって作動しているはずの感情があるのを認めることは、精神病を理解するためにはつねに大切なことであろう』。

 では、被害妄想を作動させる「影響感情」とは、どんなものなのでしょうか。

 

 被害妄想患者を観察すると次の三つの感情が見られます。①気おくれ感情、②嫉妬感情、③憎悪感情です。もちろん、これらを持てば必ず被害妄想に至るわけではありません。この中で最も被害妄想に特徴的なのは③です。迫害者と想定している人に対する憎悪感情が多くみられるのです。相手をなんとかして排除しようとしたりします。しかし被害妄想患者は診察者から何も言わなければ「他者が自分に憎しみを抱いている」と訴え続け、「自分のほうが憎しみを抱いている」とはほとんど言いません相手から自分への憎しみ、自分から相手への憎しみ。この両側のうち、被害妄想患者に強く作用するのは相手側、つまり客観化外在化された側面だけです。