厚労省によれば2017年の死亡者のうち、死因第一位:がん、第二位:心臓の疾患、第三位:脳血管の疾患であり、その割合は第二位と第三位を合わせるとがんで亡くなった数に匹敵します。というわけで「がん」「心臓・血管」で死ぬ可能性が高いのですが、この二つのうち、予防しやすいのが心臓・血管の病気です。
自らの心臓・血管の状態を知るための重要なサインは血圧と脈拍です。脈拍は心臓の仕事のペースで、血圧は心臓がギュッと血を送り(上の血圧)ポコッと元の形にふくらむ(下の血圧)の二つの値からできていて体の状態を敏感に反映します。毎日血圧を測定して徐々にその値が上昇しているなら、血管に何らかの問題が起きていて、血液を送るのにより多くのパワーが必要になっていることがわかるのです。脈が少なく血圧も低いなら、一回のドクンで十分体を動かせているということです。
余裕がある値は「血圧:120以下,80以下、脈拍:60拍」
心臓・血管の病気はじわじわ体をむしばんでいくもので、突然死するようなものではありません。しかし「血栓」ができたときは直接命にかかわります。
血液の中にはマクロファージという白血球の一種があります。マクロファージはコレステロールを食べますが、食いすぎると死んで死骸がゴミになります。これが「プラーク」です。プラークは膜で覆われているのですが、これが非常に破れやすく、やぶれると血液がカサブタをつくりはじめ、それが原因で血管が詰まってしまうのです。これが「血栓」です。ときにはこのカサブタがはがれて体のなかを漂いはじめ、心臓や脳といった場所に向かい、別の場所で詰まりを引き起こすことがあります。これが脳梗塞と心筋梗塞です