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(メモ)日本における養生思想

日本における養生思想

 日本の養生思想はまず平安時代丹波康頼(たんばのやすより)『医心方』(984年)が挙げられる。医学書としては『大同類聚方』(808年)や『金蘭方』(846年)があるが、当時の医学をうかがう観点からも医心方は第一のテキストと目されている。養生思想についてはこれより約150年前に物部広泉(もののべのひろいずみ)『摂養要訣』があったが伝わらなかった。

 医心方は中国の『千金方』を引用して、「養性できる者とは、発病前の病気を治癒させるということである」と述べ、いわば未病を治すことが養生の本旨であると書く。身体だけでなく精神や環境のすべてにわたって配慮されている。日本の医学的知識というものはほとんどすべてが中国の典籍を引用、取捨選択したものである。

 時代は大きく下って江戸時代となると、一般に養生を啓蒙する動きが出てくる。この代表的なものが貝原益軒『養生訓』(1712年)である。この養生法の基本は体内の元気をはぐくむことで、儒教風の欲望の節制をすすめる。益軒は日本風にアレンジすることもしており、中国や韓国などの人は内臓が強いからたくさん食べても平気だが、日本人は穀物や肉をたくさん食べると良くないと述べている。仏教においては白穏『夜舟閑話』(1757年)がある。

 

 

<参考>