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にんじんと読む「サクッとわかるビジネス教養 地政学」🥕

地政学・基礎概念

 地球全体をマクロな視点でとらえ、世界各国の動向を分析する。特に、「アジア」「中東」「ヨーロッパ」の三大エリアをめぐる国のふるまいを研究する。現在は「中国vsアメリカ」「イランvsアメリカ」「NATO・EUvsロシア」が主な衝突になっている。

 

 地政学において重要なポイントは、『そのエリアをどうやって支配するのか』である。国の存続には他国からの輸入が必須であり、その経路は通行可能な「道」を確実に通る。ゆえに「道」を押さえてしまえばよく、しかも、道全体ではなくその中でも確実に通らなければならないポイントを見張ればよい地政学において大切なのは、このように、地理的な条件をもとに他国との関係性や国際社会での行動を考えることである。相手の国土へ侵略することだけが、支配の方法ではない。アメリカにおいては相手に応じて関与レベルを考えている。

  1.  完全支配 : 全土に軍隊常駐。国の運営まで管理下。
  2.  選択的関与 : 重要エリアに軍隊。必要な部分をコントロール
  3.  オフショア・バランシング : 離れた場所から様子を見、必要に応じて圧力。
  4.  孤立主義 : 重要な時以外は派兵をしない

※現在、世界をコントロールしているのはアメリカである。この地位を揺るがせないための戦略は、「二位」の国が成長してきたときに、「三位」の国と協力することである。つまり、二位の国力を削ぐのだ。冷戦時代はアメリカは日本と結託してロシアを相手にし、1980年代は中国と結託して日本を相手にし、2010年代に入ると日本と結託して中国を相手にした。

 

 さて、道のひとつには海路がある。これをルート、その重要な点を「チョーク・ポイント」という。大規模物流の中心は海であり、国家運営の命綱である。海は広大であるが、どういう風に進もうが、どうしても通らなければならない場所や通りたい場所が出てきてしまう。たとえば、

  1.  イギリス海峡
  2.  シブラルタル海峡
  3.  ボスポラス海峡
  4.  スエズ運河
  5.  喜望峰
  6.  ホムルズ海峡
  7.  マラッカ海峡
  8.  パナマ運河
  9.  マゼラン海峡

 などである。この通り道のほとんどを米海軍がおさえているため、アメリカの許可がなければ通行できない。覇権を握れているのは最大規模の陸軍・最新鋭の戦闘機の空軍のためではなく、チョーク・ポイントをおさえる海軍の力なのだ。

 

 国の地理的条件として基礎的なのは、国境の多くが海に面しているかいないか、つまり海洋国家か海洋国家でないかである。「シーパワー」と「ランドパワー」と分類され、歴史的にはこの二つの力が衝突し合って来た。ランドパワーの代表はロシア・中国・ドイツ・フランスであり、シーパワーの代表はアメリカ・イギリス・日本である。また、歴史的には「シー」と「ランド」は両立できない。たとえばアメリカが大陸内部に侵攻しすぎたベトナム戦争では、撤退を余儀なくされた。

 

※衝突はシーとランドによって起こる。ユーラシア大陸の海岸線に沿った沿岸部、つまりシーランドの集まりを「リムランド」といい、ランドパワーの集まりである「ハートランド」との衝突が、歴史的に大規模な紛争を生み出してきた(リムランドにはアメリカや日本は含まれない)。たとえば朝鮮戦争ベトナム戦争アフガニスタン戦争、イラク戦争なども、リムランドとハートランドの境目で起きた。

 

 さて、他国を支配下に置くためには、その影響力を広げるために「拠点」を作るのがよい。アメリカは横須賀と沖縄に拠点を置いているし、ドイツにも空軍基地がある。しかし、この拠点は争いの火だねでもあり、拠点奪還のために対立することももちろんある。

 

日本の地政学

 日本は江戸時代後期に至るまで内向きのランドパワー国家だったが、明治から昭和初期にかけて覇権をめぐって大陸に進出しランド&シーパワー国家となるが失敗、WWⅡ後はアメリカの傘の下でシーパワーとして存続している。

 基本的には中国や朝鮮半島などのランドパワー勢力と対立する。いま朝鮮半島は二つに分かれ、韓国ができている。韓国はシーパワーで米軍基地もあり、基本的には協力関係にあるはずだが、歴史的に長く対立し続けており現在は地政学的には例外的な状態。

 

北方領土はなぜ返還されない?

 ロシアにとってはアメリカ防衛と、海運のためのルート確保という重大な意味がある。しかし日本にとっては「返さんかい」という強い想いと近海の海産物。ロシアとの間に重要度の不均衡が起こり、交渉がなかなか進まない。

 

②沖縄米軍基地は完璧な拠点

 アメリカのミサイルを沖縄に配備すると、世界の主要都市を射程に置くことができる。米兵の行動が沖縄の住人の反感を買っても、アメリカは簡単には手放せない。

 

横須賀基地は最高の拠点

 世界最大級の船の修理とメンテナンスを行い、空母すら対応可能。技術力は本国よりも高い。ここを拠点として世界中の海に進出する。

 

 

 

 

 

などなど。尖閣諸島などの話もあります。

 

 

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