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にんじんと読む「オートポイエーシス論入門(山下和也)」🥕 第二章①

第二章 概念整理

  •  「環境」 ・・・ オートポイエーシス・システムは自分でないあらゆるものを自分自身から切り離せるが、この時、システムから切りはなされたシステムでない一切のもの。*1
  •  「相互浸透」 ・・・ システムの構造はその環境を巻き込んで成立しており、環境から言えばシステムの作動に巻き込まれている、そのような事態。《オートポイエーシス・システムとは自分の環境の一部を加工して、自分の構成素として産出するシステム》(p33)。
  •  「攪乱」 ・・・ システムと環境の間には相互浸透を介して互いに決定性のない影響関係があるが、この結果システムと環境の双方に起きる変化のこと。
  •  「破壊的影響」 ・・・ システムの存続を不可能にするような相互作用。《どのような攪乱を受けるか、何が破壊的影響となってシステムが消失するかを決めるのはシステム自身だ。(略)心臓を撃ち抜いた弾丸は、人間には普通破壊的影響を与えるが、ヴァンパイアにとっては、ただの攪乱にしかならない》(p36)。

 相互浸透のため、システムは環境に対応して作動することができない。なぜなら、対応する以前に、環境は自分の作動の前提として織り込まれてしまっているから。対応するためには環境を認知して反応すると言う時間差が必要だが、この時間差はまったくとれない。《環境との相互浸透はシステムの作動と完全に同時であるか、あるいは前提として先行している。(略)目は光によってものを見るが、光そのものは見えない》。

 

 

*1:河本英夫氏の定義では「位相学的外部」