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にんじんと考える「株投資(整理するために)」

 株投資をやる目的は金である。社会貢献などでは断じてない

 投資をすることによってその会社に貢献できるかどうかなどどうでもよい。金さえ手に入れば、倒産しようが構わない。とはいえ、倒産されては儲からないのでやっぱり会社の繁栄は望むことになるが、取り立ててその会社に思い入れがあるわけではない。

 うるさいぐらいによく言われるが、バフェットだろうがなんだろうが、株への投資に「上級プレイヤー」など存在しない。これは投資による成果がプロとアマでそれほど差がないことの謂いである。必然的に勝つためにはインサイダー情報が必要だが、言うまでもなく、違法である。要するに確実に勝つ方法など無い。分割で売り買いしようが、ドルコスト平均法がどうたらとか、一切関係ない。マジでギャンブルなので、どれだけ手際よくやろうが負ける可能性がある。

 それでは適当にやるしかないのかというと、そうではない。私たちにできることは、凡ミスを避けること。あからさまな失敗を回避することだけだ。無駄な損失が消えるだけで、トータルとしては勝つ確率が高まる。これがいわゆる普通のギャンブルとは異なる点である。投資以外のギャンブルがたいてい割に合わないのは、みんなから集めたお金をまず胴元がいくらか取り、その余分を「みんなの中の特定の数人」に配るからだ。参加者の金を全部集めて一部抜き取られたものを元の参加者に配るのだから、大きく得をする人がいれば確実に大きく損をする人がいる。一方、株投資はどうかというと、参加者が出した金を使って企業は商売をする。投資と投機にはこういう違いがあるが、しかし一般には、次のように説明されることが多いのも同時に確認しておこう。

配当を目的にして株を買うのを投資、そして値上がり益を目的にして株を買うのを投機という――これがごく一般的な投資と投機の区別である。あるいは長期的に株を持っているのを投資、短期的な所有を投機という場合もあるが、投資と投機を厳密に区別するのはむずかしい。

株のからくり (平凡社新書)

  ヤバいものから理屈あるものまで凡ミスを避ける戦略は色々ある。自分なりに納得のいく方法を組んでから株投資に出かけ、少しずつ経験によって修正していく「ゲーム」的感覚を持とう。売買は急がず、常にルールに従って機械的に処理しなければならない。

これだけルール集

  •  目標利回りは、年〇%?
  •  仕掛ける前に出口、危険ラインの非常口を設定すべし。出口は基本的に『買った理由が消失した時』であろうが、株価の値段で判断するという手もある。株には売買益もあるが配当金もあるので一概には言えない。両方考慮しなければならない。
  •  株価が安すぎたり、配当金が支払えていなかったり、利益剰余金(積み上げて来た利益)がない会社の株は避ける。
  •  銘柄選びを丹念にやっても意味はあまりない(一日10分~15分以内で)
  •  投資銘柄は多いほうがよい。5~10銘柄ほどが一般的だが、多ければ多いほどリスクは減る。

 

 

基本事項

 当たり前だが、ふつうは企業は損をするために商売をしない。企業はおおよそその年の利益を見積もっているものだが、そのプラン通り順調に行けば、必ず儲かる。

株式会社は、出資者から資金を集めて事業を行い、それで得た利益を配当として出資者に還元するためにできたものである。したがって配当は株式会社の基本であり、配当しない株式会社は株式会社とはいえない。かりにいまは利益がないので配当できないとしても、将来は配当できるという見通しがなければ会社は存続する価値はない。そのような会社は解散した方がよい。

株のからくり (平凡社新書)

 「配当金出すしお金ちょうだい」と株式会社がカブを売り、みんながそれを買ってくれる。そしてそのあと、その株を巡って「俺も欲しい」「売ってあげる」が起きて勝手に株価が上がったり下がったりする。これが順序であるから、いくら株価が上がろうが株式会社にはその時点では何の関係もない。それでも自分の株価が上がって嬉しいのは、まさに「株が上がる=信用を得る」からで、この信用をもとに「新たに株を発行する=金を得る」ことによって事業の拡大のチャンスを得られるからだ。基本はここ。

 これを逆の視点から見てみると、株価が下がることの問題がわかる。株主に株を安くでも手放されるほど将来性がない企業は業績が悪化していることが多い。その状態だと内部のカネも減っているから、株を発行しまくって資金を得たいところだが、株価は落ちており、そのぶん大量の株を作らなければならなくなる。大量の株を作るということは大量に配当金を出さないといけないということで、業績が悪化しているというのにこれは崖っぷちである。

 だが株価が下がることなど日常茶飯事ではないか。その下落を「有事」ととるか、そうでないととるかは経験次第か。

 

 

投資指標

  •  当期純利益を総株数で割ったものを一株利益Earnings Per Share;EPSと呼ぶが、この値が仮に100円なら、一年後には一株当たり100円の利益が見込めるわけだ。今期の予想EPSを投資の基準にすることもできる。
  •  投資家としてもこの利益は高いほうが嬉しいが、たった100円を得るために1株10000円の金を出すのはつらい。そこで株価をEPSで割ったものが投資指標として利用される。これを株価収益率Price Earnings Ratio;PERという。この値が大きいほど「割に合わない」。つまりふつうは小さければ小さいほどありがたい。

 要するに会社が順調に成長してくれれば儲かる。つまり株価も上がる(可能性が高い)し、配当金も安定して得られる。株投資の利益は「値上がり益(キャピタルゲイン)」と「配当益(インカムゲイン)」のふたつがあるが、やはりなにより会社がすくすく育ってくれるのがその大元にある。もちろんふらふらと上下する株価の、一瞬の隙をついて、キャピタルゲインを得てもよいが。

 ところが、容易に想像がつくように、その会社の成長など社長ですら予測できるものではない。ものすごく流行っていたのにとんでもない速さで廃れることはよくある。十年後に生き残っている会社はほとんどない、とも言われることもある。成長を見込んで株投資をしようと思うと、十年どころか五年ですら無理で、厳密には直近ですら不可能だが、「これからこの会社は期待できる!」あるいは「カスだ!」という情報を集めるなら比較的近い時期のものにしたほうが無難なのは間違いない。実現が遠すぎる情報だと、頓挫する可能性もまた高くなる。私たちは別に特定企業に成長してほしいわけではない。泥船になりそうで、安全に手が切れそうなら売り払うのも手だ。キャピタルゲインインカムゲインはこの意味で、同時に考えなければならない。

 どれだけ有用な情報を集めても潰れるところは潰れる。そこで利用されるのが、期待できる企業をいくつかに分けて、その全部にばらばらに投資する分散投資である。一銘柄に全財産を賭けるよりも、不測の事態に対処できるし、リスクも小さいため、結果的にはプラスに終わる可能性が高い。冒頭と同じ内容を改めて注意しておけば、分散投資をすると必ず儲かるのではない。分散投資をすると「リスクが小さくなる」。ゆえに、勝つ可能性が高まる。だから銘柄は多いほうがよく、集中させるのはリスク低減の原則に反する。じゃあどれぐらいに分散すればいいのかというと、そこは、多ければ多いほうがよい。ただし業種をとにかくバラして、離れたものにしないと、共倒れも起きてしまう。

 

 

財務諸表による業績解釈

 株式会社には年に一度、決算をしなければならず、その決算を公開しなければならない。この情報はEDINETで見ることができる。また、決算を丁寧に作成するのを待っていては遅すぎるので、企業は「決算短信」という簡単な情報を先に開示するのがふつうである。

 決算に含まれる財務諸表には①貸借対照表、②損益計算書、③キャッシュフロー計算書があり、これらをもとに企業の財布の様子を確認できる。これによってその年にその株を保有し続けてもよいか判断したり、あるいは、投資しても大丈夫な対象かの基準にすることもできるだろう。

 

貸借対照表

  1.  (手元流動性)すぐに使えるキャッシュがなければ何もできず潰れる。売上高から月平均を計算して、すぐに使える現預金や売れる有価証券が何か月分あるか計算しましょう。1~1.5か月分ぐらいがOKライン。
  2.  (短期的安定性)1年以内の借金を返すあてがなければいくら売り上げがよくても会社は潰れる。流動資産と流動負債を比較し、負債を賄うだけのカネを決算時点で保有しているかをチェックしましょう。ただし、業種によっては「日銭」が多く入るところもあり、流動負債の額が大きくても大丈夫なケースもある。
  3.  (中期的安定性)会社の金は借金と株発行による調達したカネから成り立っている。株で集めた金は返す必要がないが、負債は返さなければならないので、負債の占める割合がデカすぎると潰れる。自己資本比率=純資産/資産を計算し、全体の15~20%ぐらいが返す必要のない金であることを確認しましょう。10%以下はヤバイ。

 会社のカネは負債と純資産から成る。この違いは返済の要不要であるが、両方に「調達コスト」がある。借金をすれば金利がつく。もし金利なしならゼロコストだってこと。そして株を出してもコストはつく。ふつう、株主が株に手を染めるのは国債とかいう安定した金融商品が役立たずだからだ。つまり株主は国債の利率よりも多くの利益を期待する。そしてその期待を大幅に下回ろうもんなら売却され、株価は下がる。これがコスト。しかも株主が期待する利回りは、ふつう、借金の金利よりずっと高い。

 だから自己資本比率は高けりゃいいっていうもんじゃない。それぐらい稼がなきゃいけないってことだから。で、資産あたりどれぐらい稼いだかっていう比率がROA(資産利益率)=利益/資産。このパーセントが高くなきゃ企業は続かない。なぜなら金利分も稼げてないし、株主を満足もさせられないから。純資産あたりどれぐらい稼いだかっていう比率がROE自己資本利益率)=純利益/自己資本。どちらが大事かといえばやはりROAだが、「自己資本比率が高く」安定的であるくせに、「低ROE」でその資本を有効活用できていない企業はやはりよくない。