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にんじんと読む「入門・証券投資論」🥕 第四章②

 ところで、証券会社はたいてい開いているので、注文自体は前場後場の時間外にも出すことができる。取引所にはその間にボンボコと注文が溜まっているわけである。前場開始時、後場開始時はそれらを一気に処理する必要があるし、加えて言えば、前場終了時、後場終了時に大量の注文が残ってしまわないように一度ケリをつける。このクリーニングは板寄せ方式で行われる。逆に、前場後場の真っ最中にはザラバ方式というものが使われる。

 板寄せ方式は、溜まっている注文を一度「板」にすべて書き出すものである。ふつう注文には時間差があるが、この方式ではすべての注文は同時に来たものとみなす。成行は成行で売り買いの量を書き、指値は値段ごとに買いと売りの量を書いていく。

  1.  最初に成行注文を処理する。売り注文が10株、買い注文が20株だったとき、注文が成立する10株をマッチングさせる(値段は最後④に決まる「始値」で成立!)。成行買い注文が10株残る。
  2.  指値売りの中で最も安い値段10株と、成行買い注文をマッチングする。
  3.  残った指値売り注文と、指値買い注文の中で最も高い値段をマッチングさせる。売りの人は高い値段で売れるし、買いの人は安い値段で買えるので問題なし。
  4.  どんどん上と下とを相殺させていく。すると最後にはひとつの値段で注文がぶつかる。この最後の値段が「始値」になる。

 ザラバ方式は、順次出される買い注文と売り注文を価格優先の原則&時間優先の原則に従ってマッチングさせる方式である。価格優先の原則というのは、買い注文ならできるだけ安く買うし、売り注文ならできるだけ高く売ってやるぜというもの。時間優先の原則とはつまり、早いものから順番ということ。

  1.  現在の株価は100円
  2.  売りに101円(100株)、102円(50株)、103円(150株)
  3.  買いに100円(100株)、99円(50株)、98円(150株)

 だとしよう。売りたい人と買いたい人がマッチングせず、待っているのが(100株)(50株)いるような状態なのである。だから単純に、

  •  もしあなたが102円で売りを出しても、注文は成立せず、待ちになる。
  •  もしあなたが100円で売りに出せば即成立する。
  •  もしあなたが99円で買おうとしても成立しない。
  •  もしあなたが101円で買おうとすれば成立する。

 

 株価は””なんとなく良い””でも高く動くが、明らかに過大評価しすぎだろというレベルで高騰することもある。その株価が本当に適正なものなのかというのは興味あるところであり、そのひとつのモデルが「配当割引モデル」である。このモデルは、株式の保有によって将来受け取る配当を現在価値に割り引くことによって株価の妥当な水準を計算しようとするものである