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にんじんと読む「〈つまずき〉のなかの哲学」🥕 第一章

第一章 つまずきとしての〈謎〉を考える

 哲学は、「幸福とは何か」など色々な問いをつづけてきたが、どうにもこの問いというのは、ちょっとふつうの問いと性質の違うものなのかもしれない。それは〈謎〉である。たとえばそれは、「ダンプカーがカーブで落としたものはなに?」という問いかけと似ている。普通に考えればこの問題文だけからそんなものは知りようもないが、だれもが「スピード」だといわれればナルホド納得する。著者が考えるに、哲学というのは〈謎〉を扱う知恵なのだ。残念ながら、人生の問いにはっきりとした答えを与えてくれるものではなく、結局それは答えのないままなのだが、それでもやはり哲学は無駄ではない。どうにも、幸福とは何かということの答えをわからないからこそ、人は幸福になれるのではないかとさえ思える。

謎は解決されるために存在するのではなく、つまずかれるために存在している。

「つまずき」のなかの哲学 (NHKブックス)