にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

MENU にんじんコンテンツを一望しよう!「3CS」

にんじんと読む「「食べる」が変わる 「食べる」を変える」🥕 序章

序章 食物に「追いつめられる」現代人

簡単に食物が得られるということは、裏を返せば、食物から逃れられないということにつながる。わたしたちは「食物に狩られる」最初の世代だ。

「食べる」が変わる 「食べる」を変える:豊かな食に殺されないための普通の方法

わたしたちが口にするものは、タバコや酒以上に世界の疾病や死亡の原因となっている。(略)かつて人間はペストや結核の恐怖にさらされながら生きていたが、いまや世界の死因の主役は食事になった。

「食べる」が変わる 「食べる」を変える:豊かな食に殺されないための普通の方法

 わたしたちは「飽食の時代」に生きている。これはかつてなかったことだ。

 大手食品会社や飲料会社、加工食品会社の方針には「顧客の健康」がなく、買うつもりや必要のない食品にまで手を伸ばさせる戦略を打ち出している。市場は拡大し続け、世界の辺境の村に住む低所得者層すら、劇的な「食物革命」に巻き込まれている。栄養学者は健康的な食事として地中海料理を挙げるが、肝心の地中海ではもはや地中海料理は食べられておらず、魚介類やオリーブ油よりも、甘いコカ・コーラや加工スナック類を好むようになってしまった。

 

あらゆる大陸で、栄養のある食品から甘いものへ、食事からスナックへ、地域の個人商店から大型スーパーマーケットへ、家庭料理から外食やテイクアウトへの転換が常態化している

「食べる」が変わる 「食べる」を変える:豊かな食に殺されないための普通の方法

 

 大勢の人々が「こんな食事にすべき!」と口々に言い、しかしそれを聞いた私たちは一体どうしたらいいのかわからない。あれは危険だからやめろ、いやそれはいいがこれは危険だからやめろ、と言われ、食材の危険度ばかり気にするようになり、食事の魅力がいつの間にか失せている。私たちは私たちが食べているものについて、あまりにも知らず、過去の経験も失われてしまった。

 そうなった原因のひとつは、料理することが当然ではなくなったことだろう。あれとこれを組み合わせてはいけないといったような規則は、食の構造感覚を養うものだった。今の私たちには食のルールなどはない。それは煩わしい作法から逃れることでもあったが、残念なことに、私たちはこの食生活をずっと続けて行くわけにはいかない。環境がそれに耐えられないからだ。

 では、どうすればいいのか?