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にんじんと読む「民衆暴力」🥕 新政反対一揆

新政反対一揆

 これは、廃藩置県・徴兵令・学制・賤民廃止令・地租改正といった明治政府の一連の政策に反対して起きた一揆を総称して「新政反対一揆」という。有名なのが明治6年、現香川県で起きたものである。6月26日の夕方、ある女が二人の子を連れて歩いていた。するとそこに髪を振り乱した女が近づいてきて、子どもを奪い去った。騒ぎを聞きつけて竹槍を持ってきた村人たちが加害者たる女を即座に殺そうとしたが、町村の長などが制止したため、人々は長を攻撃し、彼の家に火を放った。この騒ぎはどんどん大きくなり、お偉いさんの家をガンガン焼き払い、小学校48カ所、掲示場3カ所等々、他にも一般の人々の家まで焼かれた。とうとう軍隊が出動し一揆を鎮圧した。なんと一揆に加わったとして処罰された人数は「17000人」であった。

 どう考えても過激すぎるこの事件は、一言でいって野蛮である。とはいえ、これを野蛮というのは明治政府の政策の結果としての今があるからだ。激動の時代である明治は、政府主導でそれまでの生活が一変させられた時代でもある。学校制度は農民から労働力を奪う。政府はやれやれと改革ばかりすすめるが、大衆の生活を楽にしようとはしなかった。彼らの要求は生活上の些細なふるまいにまで及び、いままで当たり前にやっていたことでしょっぴかれてしまう。新政反対一揆はなんらかの制度ひとつをめぐっておきるというより、新時代の不安の発露のようなところがあった。人々の不安はさまざまな形で現れ、「西洋式の病院に行くと鉄串の上に乗せられ、知らぬ間に体中からあぶらを抜かれ、笑いながら死ぬ」という噂が流れたりもした。「西洋人は生き血を吸う」「妊婦の鮮血を薬に混ぜる」「処女の血を電線に塗る」・・・。