2022.04.02記
特段なにかあったわけでなくても、機嫌の悪い日というのはある。機嫌というのは「なんかだるい」と同レベルの体調の一種で、「自己株式会社」の「意識部」に届いた差出人不明の通達である。部長がうまく対処できないとなんだか本当にイライラと感情的になってしまい、風が吹いただけで世界のすべてから攻撃されているような気分になる。こんな状態のときに意識部で会議をはじめてもろくな結果にならないのだが、どうでもいい会議は日本中どこでも好まれるもので、人間個人もすぐに会議をひらいて余計な決議をし、外交上の問題を増やす。意識部は自己株式会社の一機関にすぎないのだが、自分たちこそが会社の中枢だと勘違いしているので、会議をしたほうが会社のためになると思っている。しかし、それはとんでもない勘違いである。意識部の役割は通知された文書を読み上げることだけだと、後年、必ず気づくことになるだろう。できることといえば、校閲だけだ。独自調査は認められているが、質問する権利はない。
