にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

MENU にんじんコンテンツを一望しよう!「3CS」

にんじんと読む「人はなぜSEXをするのか?」 第四章

第四章 あなたが知らないセックスのこと

 セックスのはじまり、それは初体験であり、「処女膜」だと思われている。だが処女膜は処女を証明しない。処女膜なしで生まれてくる子もいる。オーストラリアの原住民の一族は生まれて来た子に処女膜がないと拷問して食事を与えないが、ここまでしなくても、処女膜を重要視するのは現代でも同じである。中世の女たちは膣にヒルを忍ばせて出血させ自らの処女性を証明し、現代では処女を装う手術を受ける。もちろん、処女膜をわざと破いてしまう文化もあるが、なんにせよ、「処女膜こそ処女のあかし」と考えられているがゆえの行為である。処女膜は一時破けてもそのままにしておけば自然に再生する。また、処女膜はおそろしく簡単に破けるので運動している最中に破けたり、タンポンを入れただけでも破ける。それどころかセックスしても膜がビヨンビヨンと伸縮するだけで破けずに済むことがある。

 何事もそうだが、セックスも訓練を積むほどよくなる。満足といえば男女のオルガスムだ。男と女のちがいはオルガスムの長さであり、同じことは性器とアナルの収縮である。この収縮が女性のほうが激しく、子宮の収縮とともに膣と骨盤をおおう筋肉を収縮し、「ビクンビクン」となる。やがて脳の中の快感中枢が激しく活動し、大脳皮質の活動が一時的に減退するので、フランス語でオルガスムは「ラ・プティット・モール」=「小さな死」と言われる。男のオルガスムは射精を促すという役割があるだろうと思われるにしても、女のオルガスムにはなんの意味があるのだろう。オルガスムなどなくても妊娠するからだ。とはいえ、妊娠に必要ないからといってオルガスムに意味がないとするのはやはりおかしいだろう。それでもはっきりとしたことはわからない。たとえば一説では、オルガスムによって女がぐったりしているうちは受精しやすいのだというが、実はオルガスムに達しやすいのは騎乗位なので、セックスは正常位派の意見である。あるいは一説によるとオルガスムによる収縮が精子を吸い込むと言う。実際カメラで見てみるとたしかに吸い上げている。だがこれにも異論は多い。

 だがなんにしても、オルガスムの回数も深さも相手との絆が関係する。オルガスムには快感以上のものがあり、両性の接着剤のようなものなのだ。しかもそれは単に性的魅力だけではなく、オルガスムを感じる相手には感情的な結びつきが生れる。性衝動が薄くなっても、セックスによって作られた絆は持続する。

 オルガスムには種類がある。「クリイキ」は定番として、「Gスポット」はクリとは違う種類のものだと女性の多くが言うし、バストの刺激だけでイったり、身体的な刺激なしでもイけるし、それらの複合的なオルガスムもある。

 最近よく知られるようになったが、65%の女性は射精する。その感覚は尿意に似ているので、パートナーが尿を楽しむ性癖の持ち主でもない限り女性としては躊躇する。だが、射精で出てくるのは乳白色か透明の液体で、分泌量はそれぞれだが、案外多い。しかもその化学成分も尿とはまったく違う。男性の精液とよく似ているものだ。このミルクには膣壁の抗菌の意味がある。女性がよくかかるのが「尿路感染症」であり、人生に最低一回はかかるぐらいなりやすい感染症なのだが、ミルクは病原菌から体を守ってくれるのだ。

 男が出す例の白い奴は、女にとっては外部物質であるから免疫システムの監視対象ではある。だが何度もそれに触れ慣れていると、徐々に受け入れやすくなってくる。つまりワンナイト野郎より長年のパートナーのほうが妊娠しやすい。それだけでなく、精子を飲まされたり、なんでもいいので精液に接する機会が多いと病気のリスクが減ることがわかっている。とはいえ、具体的に「精液飲めばええねん」とはならないのは、その行為と結果の因果関係を調べるのが難しいからだ(「ごっくん」する人はそれ以外のいろいろも同時にしているだろう)。なんにせよ間違いないのは、セックスはものすごく身体にいい、ということだ。