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にんじんと読む「怒りの心理学」 第三章

第三章 怒りの表出

 怒りに伴う反応には2種類ある。生理的兆候を含む「表出的反応」と「道具的反応」である。前者は顔が赤らんだり声が震えたりするもので、後者は社会化の程度を反映したものでコントロールの余地が大きい。道具的反応は4群に大別される(Averill)。

  1.  直接的攻撃行動群 ボコる 言語的攻撃 利益停止
  2.  間接的攻撃行動群 告げ口 宝物クラッシュ
  3.  攻撃転化行動群 八つ当たり
  4.  非攻撃行動群 話し合い 相談 心を静める

 日本人は怒りの表出を抑制するところがある。その怒り表出を分類したところ、大きく7種類に分けられる。感情的攻撃・嫌み・表情口調・無視・遠まわし・理性的説得・いつもどおり(気にしてないふり)。最初の二つは言語的な攻撃にあたり、無視は利益停止に該当するだろう。表情口調も怒りの表現も含む言語的攻撃とみてよいだろうし、理性的説得やいつもどおりは非攻撃行動と呼べよう。ただひとつ、「遠回し」(自分が怒っていることをさりげなく伝える。「なんでそういうことする?」)だけはどこにも当てはまらず、日本人の怒り表出の重要な側面である。怒り表出を怒らせた側に対する行動という点に縛られずに考えると、「捉え方を変える」とか「先手を打って対応する」「やり返す」「第三者へ訴える」というさまざまな対処があり得る。

 7種のうち最も用いられやすいのは「遠まわし」「表情・口調」「いつもどおり」である。一方で最も適切だと考えられているのは「理性的説得」だった。「遠まわし」がそれに続く。

 日本人は基本的に抑制的であるが、これは対人関係を配慮したものである。しかし怒り表出の意義についても検討しなければならないだろう。意義には集団に関わるものもあるが、ここではまず個人について見よう。怒り表出がないということ自体が否定的な結果をもたらすこともある。「否定的な言動を抑制されている」ということ自体が不満のひとつになりうるし、そうであれば、怒りを感じているであろうときに怒りを表出させないのは受け手にむしろ不信感を与えることとなるだろう。肯定的な意義としては、怒りが自分の権限範囲が侵害されていることを示す警告になったり、怒ることが関係を強化するということもある。