にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

MENU にんじんコンテンツを一望しよう!「3CS」

にんじんと読む「グライス 理性の哲学」 ①

 グライスは、オースティンと同様に日常言語に重きをおく方向へ進んだが、日常言語の使い方をつぶさに見るという方法の先にあるものはオースティンとは違っていた。オースティンは言葉の意味というものを考えるのを戒めたが、グライスの目的はまさに概念を分析することにあったのである。グライスにおける「概念分析」とは、その概念と結びついている表現をとりあげ、どのような状況でならその表現を適用するかということを一般的な形で記述することである。たとえば『善い』という、あるいは『善』というものについて考えてみれば、「この条件を満たしたならば善いというだろう」というような一般的条件を取り出すのが概念分析である。