にんじんブログ

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(メモ)志向的体験の区別

 志向的体験が対象に関わる仕方を、フッサールは「質料」と「性質」に分ける。たとえば””イェナの勝者””はナポレオンという質料を持つ。一方、判断や疑問、願望など、いわゆる話法によって言い表されるような対象との関わり方のちがいを性質という。どんな志向的体験も質料と作用を持っている。質料はいわば””意味””であり、性質はいわば””どのように存在しているか(存在様相)””である。

 ところで目の前の花を美しいと思う価値作用というべきものと、目の前の花を捉える知覚作用というべきものは同じ質料を持つ。この違いは性質に求められるのだが、より踏み込んでいえば、この知覚作用なしにこの価値作用がありそうにないのだから、価値作用は知覚作用に依存しているともとれる(これを基づけと言う)。知覚作用にこのような依存はない。