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にんじんと読む「論証のルールブック」序章、第一章

序章

 「論証する」とは、結論を支える一連の根拠や証拠を提示することを意味する

 それは単に自分の考えを主張することだけではないし、口喧嘩をすることとは異なる。論証とは特定の考えを根拠で裏づけようとする行為である。論証が無意味なものではなく、有意味であることの理由は、①論証はその見解の是非を判断する手段=検討のための手段だからで、②根拠で十分に裏付けられる結論が得られたときに、それをわかりやすく説明し正当性を主張するという役割が論証にはあるからである。自分の考えを他人にも確信してもらうためには自分自身がそう確信した根拠や理由を述べなければならない。

第一章 短い論証をつくる

 論証を作るには「前提」と「結論」を決めなければならない。前提とは根拠となる主張のことである。ここで””決める””というのは、前提と結論をはっきりと””区別する””ことでもあるし、その両方の主張に””責任をもつ””ということでもある。

 前提と結論が決まったら筋の通る順序でアイディアを示す

もっとたくさん豆類を食べるべきだ。その大きな理由の一つは豆類が健康に良いからだ。豆類は食物繊維やたんぱく質が豊富で、脂質やコレステロールが少ない。さらにいえば、豆類は料理法が多彩で食欲をそそる。スパイシーブラックビーンズのタコスやフムスを試してはいかがだろう。

論証のルールブック [第5版] (ちくま学芸文庫)

 まず結論が示され、続いてその前提が挙げられさらにその前提の根拠が続く。次いで、新たに前提が示されさらにその根拠が続く。このように読み手が前提や結論を読み取りやすくなるようにする(「大きな理由の一つは」)サインポストというつなぎ言葉を用いた論証はたいへん読みやすい。読み手が忍耐強いとは限らない。

 前提がたしかであること、具体的かつ簡潔に書くこと、感情的な意味合いの強い言葉を避けること、首尾一貫した言葉を使うこと。これらはどれも基本的だが、重要である。

【前提がたしかであること】

 「本当に幸福な人間などいない。ゆえに人間は幸福になるようにできていない」

 この論証は前提に疑問の余地がある。ほんとうに誰も幸福でないのか。明確な前提を示すことは難しいし、そのための調査か、前提に対する論証が新たに必要になるだろう。自分の前提が十分に立証できないなら、あきらめるしかない。

【具体的かつ簡潔に書くこと】

 「長くつづく困難な努力の道のりだった」

 より

 「炎天下を何時間も歩いた」

 のほうがはるかにわかりやすい。簡潔であること、飾った言葉を使わないこと。

【感情的な意味合いの言葉は避ける】

 「面目ないことに、かつてあれほど隆盛を誇った旅客鉄道をすっかり衰退させてしまったアメリカは、いまや名誉にかけて過去の繁栄を取り戻す義務がある!」

 義務があるという証拠はなにも挙げられていないし、しかも””名誉にかけて””と来ている。まるで口先だけの政治家のように新鮮味がない。衰退したのは何が原因なのか、アメリカに問題があったのか。なぜ面目ないのか。隆盛を誇った組織が衰退している例などいくらでもあるが、そのすべてが繁栄を取り戻さなければならないのか。

 いくらでも言葉を飾ることはできる。だが、問題は中身である。

【首尾一貫した言葉を使う】

 どれほど無味乾燥に見えても、イエス・キリストの山上の説教のように「Xは幸いである、なぜならY」というような淡白さが必要だ。

 「ペットの世話について学べば、人間に頼って暮らす生き物がなにを必要とするかを学ぶことができ、それによってあなたはより良い親になる方法を学ぶ」