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「未来の年表」

 日本は少子高齢社会にあるといわれる。つまり少子化しており、かつ、高齢社会であるということだ。少子化とは「0-14歳の子どもの割合が小さい」ことであり、高齢社会とは「高齢者人口の割合が7%以上」のことである。21%を超えると超高齢社会であるが、これは日本のことでもある(2022年時点で29%)。少子化の定義は少々あいまいだ。

 人口ボリュームが大きいのは1947年から1949年のベビーブーム期に生まれたいわゆる「団塊の世代」である。下は2022年の人口ピラミッドである:

図2 我が国の人口ピラミッド(2022年10月1日現在)

 2022年の時点で65歳以上の人口は全体の29%に達した。一方、15歳未満人口は11.6%である。少子化の状況でもあるため高齢化率は今後上昇し、いまから12年後の2036年には3人に1人が65歳以上となる予測がされている。女性のほうが男性よりも長寿なため、女性だけに限ってみればすでに3人に1人が65歳以上である。

  • 既に健康寿命に達し介護が必要な人々の割合も増えている(2019年で男性72.68歳。女性75.38歳)。介護離職が増え、働き手がいなくなる。
  • 2023年度、子どもの数が減ったことで私立大学の定員割れが過去最大の53.3%に達した。これを防ぐために増えているのが外国人留学生の受け入れであり、合格ラインの引き下げも各地で行われている。献血の量も減り、輸血用の血液が減っていく。血液は怪我の治療に使うというよりも、がんや心臓病、白血病などの治療に際して体内で血液を作りづらい人のために使用されることが多いため、高齢社会においては需要が高まる。
  • インフラの維持管理も若手の確保が課題である。たとえば水道の管路を更新はほとんど行われておらず(2014年に0.76%)、これをすべて行うのに130年かかる。収入もどんどん減っており値上げせざるを得ない状況ではあるが、仮に公費でまかなったとしてもその他社会保障費も伸びており、耐用年数を超えたインフラを更新するのにまわすことは難しい。それ以上に勤労人口の減少によってインフラの維持管理・更新もそうだが、開発の分野でも技術者不足に陥っている。
  •  たとえ合計特殊出生率が倍増しても出産できる女性の数自体が減っているので出生数増には至らない。もちろん、倍増すれば少子化のスピードはおさえることができる。
  •  高齢者ボリュームが多いということは死亡者数も増える。空き家が増える。深刻な火葬場不足が予想される。自治体のほとんどが消滅の危機に瀕する。

 日本国土において無居住となる場所はすでに予想されており、スカスカな状態になる。その状況での外国との関わり方はどうあるべきかも大きな課題である(移民・外国人労働者参政権、土地の売買……)。

 

 

人口が激減しスカスカになった国土には、税収不足で予算確保がままならず、老朽化したインフラが放置されている。若き自治体職員が不足して十分な行政サービスが行きわたらない地域がたくさん誕生し、そうした土地にさえ、ひとり暮らしの老いた高齢者がパラパラと住み続ける。


従業員が高年齢化した企業では、マンネリ化した発想しか出て来ず、ヒット商品がなかなか誕生しない。焦りを隠せない経営者は「生産性の向上だ!」と掛け声だけは勇ましい一方、都会の駅では1つしかないエレベーターの前で順番待ちをする高齢者が長い列をつくる。乗客は電車やバスの乗降に時間がかかるため、公共交通機関の遅れは日常茶飯事になる。かたや百官の売り場では、耳の遠くなった高齢客への商品説明に、よぼよぼの店員が多くの時間を取られる。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)