この頃はいかがお過ごしでしょうか。
世間話
しばらく前に、といってももう記事も削除してしまったかもしれませんが、にんじんは世間話というものについて書いたことがあります。人と話すのはなかなかつらいもので、沈黙ばかり続くとどうもつらい。なんとかしないといけないと思って対策を考えて来たのですが、いや、しかし実のところ、大して役に立たなかったのではないかという風に今となっては考えております。このときはこうする、あのときはああするといくら分類したって甲斐がないことに気が付いたのです。
※消してませんでした。
carrot-lanthanum0812.hatenablog.com
昔からそうなのですが、どうも周りの人は世間話がうまい、と感じてきました。よくもそこまでぺらぺらと話せるものだなと感心していたのですが、話の中身を聞いてみると案外、深い話をしているでもない。最近ようやく知ったことですが、誰も世間話の内容など覚えてもいないし、ついさっきまで何を話していたのだか、話の直後にも思い出せないという向きもあるほどで、世間話というのは重要なのだかなんなのだか、判然としません。ところがどうも世間話というもののキモは、その中身のなさにあると言ってもよい、という気がするのです。
たとえば「あっ」と出くわしたと思ってください。当人、外出中という仮定であります。そこでこういう風に切り出すことがある。:「あぁ、お出かけですか?」
外出してるんだからお出かけに決まっています。それをわざわざお出かけですかと訊く。答えはイエス。これも当然。「どこまで?」「いや、ちょっと頼まれごとで」「はぁ。頼まれごとですか。はは、それじゃあまた」という風に続く。別になんと続いても構わない。別段どこに行くか興味があるわけでもない。頼まれごとがなにかもよく知らんでいい。そういうもんです。
ちょっと気温が低くて、体が冷える。「いや、今日は冷えますね」
街に出掛ける「今日は随分人が多いですね」これも良い気がする。
すべてに共通して言えることは、
そんなもん当たり前だろうが
ということを話題にしている、ということです。
世間話のネタとして、こういう記事がありました。
キ…気候
ド…道楽(趣味、テレビ、映画、スポーツ)
ニ…ニュース
タ…旅
チ…知人
カ…家族
ケ…健康
シ…仕事
衣…ファッション
食…グルメ
住…住まい、暮らし、家
「気候」なんかはまさに世間話。「今日はよく晴れましたね」といっても、上を見りゃ誰だってわかる。「最近肩が痛くってね」といっても、やっぱり同じ年の頃ならわかってくれるでしょう。
世間話のキモは「そりゃそうだろ」であって、話すきっかけさえつかめれば別にそれで構わないのです。こういう風にいうと切ない気もしますが、多分たいていの場合、誰も覚えちゃいません。話題に困ったら当たり前のことを言えばいいのです。天気あたりが一番ちょうどいいです。