にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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読書

にんじんと読む「人間の経済と資本の論理」 第一章

第一章 経済の二つの意味 カール・メンガーはある物が財になるための四つの条件を挙げている。要するに「人間の欲望満足に役立つあらゆる物」なのだが、ここに因果連関という観点を導入することによって、欲望を直接叶えてくれるものだけでなく間接的なもの…

にんじんと読む「入門講義ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』」🥕 ②

論考の中身① 論考の記述は独断的である。著者の解釈によると、冒頭の形而上学的記述は「語り、考えること」に伴う常識の明示化が目的になっている。前理論的な考えをあぶりだし、 世界は成立していることがらの総体である。 世界は事実の総体であり、ものの…

にんじんと読む「入門講義ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』」🥕 ①

論考とはなんだったのか ウィトゲンシュタインは「前期」と「後期」に大きく分けられるが、そこには連続性がある。彼は哲学を治療として捉え、哲学的問題を問題としてしまうのは言語に対する誤解のせいだと診断する。哲学者たちはなにか意味のある議論をして…

にんじんと読む「情動の哲学入門」 第一章、第二章

※この本において「感情」ではなく「情動」を使うのは、そこに意識的なニュアンスを排除して多様な心の状態を包摂するためである。 昔から情動は悪者だった。感情に身を任せるとろくなことにならない、と言われる。そこで理性が重視された。だが人間は理性だ…

にんじんと読む「ふわふわする漱石」

第一章 夏目漱石の『文学論』と、ウィリアム・ジェイムズの心理学とはきわめて深いかかわりをもつ。『文学論』はそもそも「組織だったどっしりした研究」、つまり文学とは何かという根本原理を探ろうとする科学的、実証的な、普遍を志向する探求だった。 凡…

にんじんと読む「文学とは何か(T.イーグルトン)」

文学とはなんたるか。 それは虚構か。いや虚構とするとどれほど多くの文字表現が見逃されることか。 この問いに関してロシア・フォルマリストはこう言った。文学とは形式だ。文学はある特殊な言語の使い方を陳列する。「汝、いまだ犯されざる静寂の処女よ」…

にんじんと読む「なぜ心はこんなにも脆いのか」

「なぜ自然選択は、私たちの体を病気に対して脆弱にするような形質を残したのか?」 これがこの本の中心的な問いである――――「病気」は、絶対に進化学的に説明できない。なぜなら、その病気になることは進化的な適応の結果ではないからだ。だが、どうしてそれ…

にんじんと読む「比較不可能な価値の迷路」

第一章 国家はそもそも必要なのか? 何らかの制度の正当化は、発生論的なものと帰結主義的なものに分かれる。国家が「人々の自発的な意思の合致によって成立したから」正当だとするのは前者であり、国家が「人々の効用を増大させるから」正当だとするのは後…

にんじんと読む「妊娠中絶の生命倫理 哲学者たちは何を議論したか」

ジョン・ヌーナン 妊娠中絶における根本問題は「ある存在者が人間であることをどうやって規定するのか」である。人はいつ人になるのか。神学者たちは人間存在を程度に基づいて差別することを拒否し、受胎即人間とみなした。受胎したのだからもうそれは人間で…

にんじんと読む「英語独習法」

① 認知科学の知見を外国語学習に当てはめ、その合理的な学習法を提案し解説することが本書の目的である。英語学習に関するわかりやすい方法論は数多出ているが、しかしそもそも、ほんとうに楽に英語を習得する方法があるのだろうか。認知心理学的にいえば、…

にんじんと読む「統計学が最強の学問である」

なぜ統計学が最強の学問なのか? どんな分野の議論においても、データを集めて分析することで最速で最善の答えを出すことができるから。 統計学が最強の学問である 果たして「どんな分野でも」なのかはともかく、多くの分野で役に立つのは間違いない。 サン…

読書カテゴリ。これまで読んできた本①

人類史のなかの定住革命 認知革命、農業革命、定住革命、国家誕生、工業革命。 人類史のなかにある様々な大変革のうち、およそ一万年前に起きた大変革である「遊動生活の停止」とその弊害について語る。人間は遊動生活に慣れ過ぎてそれに合わせて進化してき…

にんじんと読む「マーケターのように生きろ」

【マーケティングの定義】 マーケティングとは、顧客、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を、創造し、伝達し、運搬し、交換する、活動・一連の組織・プロセスである。 マーケターのように生きろ―「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動…

にんじんと読む「劣等感と人間関係(アドラー心理学を語る3)」

精神的な健康な人がどんなものかについて色々思いつくかもしれない。ただ身体がどんな状態であれ、人は精神的には健康でいられる。たとえ死に瀕しても。あるいは喜怒哀楽がなんでも自由に出せることは精神的に健康なこととは言えない。たとえば怒りや哀しみ…

にんじんと読む「うつのためのマインドフルネス&アクセプタンスワークブック」🥕

イントロダクション 「人が人生に求めるものはだいたい決まっています。健康、愛情ある人間関係、やりがいを感じられる仕事、建設的な気晴らし、精神的な活動、そしてレジャー活動」だがこれを求めることで「楽しいことが次から次へと起こる」わけではない。…

にんじんと読む「東洋の合理思想」

東洋思想は実践的関心を中心とし、それを知的に捉えようとするところに極めて合理的な一面がある。そのひとつの結実が仏教思想であり、これはカントの批判哲学に類し独断的な形而上学を排し現実に目を向けるものである。しかしカントの目的は近代科学の基礎…

にんじんと読む「結婚と家族のこれから」

第一章 家族はどこから来たか 説明の出発点は、「食べていくこと」です。人間、食べていくこと、つまり経済的な生活基盤がなければ生きていくことができません。逆にいえば、生活基盤が確保されていれば、あとのことは比較的自由に決められるのです。それは…

にんじんと読む「ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか」 ②

第二章 生物の基本形は不死 生物は非平衡状態の散逸構造である。 たとえばガスコンロの火はガスを供給し続けるなど条件を整えてやればずっと燃えている。だがガスは常に燃え続けており常に新しいものに入れ替わっていくだろう。人間も同じで、食って寝て出し…

にんじんと読む「ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか」 ①

第一章 自然淘汰的死亡説 天文学者フレッド・ホイルは言った。生命が偶然作られる確率は、「がらくた置き場を竜巻が通ることによって、たまたまボーイング747が組み立てられる」のと同じだと。だが現に生命はある。それは自然淘汰というものの働きが、一…

にんじんと読む「農家はもっと減っていい」🥕

第一章 農家はもっと減っていい 農家の平均年齢が上がり、農家数も減少してきています。しかし、これは特に問題ではありません。日本の農業は弱い経営体の淘汰と、規模拡大が遅々として進んでいませんでした。彼らは政府に与えられた自分たちの城のなかで全…

にんじんと読む「死はなぜ進化したか」 ②

② 生体は死ぬようにできている。だが、初期生命体が死ぬようにできていたかはそれほど明らかではない。もちろん彼らは死にうるが、「プログラム死」は起きないのだ。『死と生とは、決して表裏一体というほど強く関わり合っているものではない』。では死はど…

にんじんと読む「地球の中身」 ②生命

生命 地球が完全に形成されるに至るジャイアント・インパクトは同時に、地球を火の玉にした(マグマオーシャン)。もしも原始惑星が正面衝突したなら運動エネルギーがすべて熱エネルギーに変わり、温度は一万度。最も深い部分まですべて液体になってしまった…

にんじんと読む「死はなぜ進化したか」 ①細胞

細胞 地球が誕生し、無生物から最初の「細胞」が作られた。彼らはその後二十億年、集合してひとつの生物になろうとは思わなかったが、私たちが生命と呼ぶところのすべての性質を備えていた。つまり(1)エサを食べ、(2)動き回り、(3)子孫を残す。彼ら…

にんじんと読む「地球の中身」 ①誕生

地球は半径6480kmのほぼ球体である。化学組成による違いから地殻・マントル・コアの三層に分類される。””プレート””は地殻のことではなく、力学的な性質の違いにより分類される層のひとつであることに注意が必要である。プレートとは変形しない岩板のことで…

にんじんと読む「進化倫理学入門」 第三章

第三章 穴居人の良心 もし進化が人間の道徳能力の原因だと言いたいなら、その道徳能力というものがなんなのか進化とは関係なく説明しなければならないだろう。 たとえば「道徳的である」であるとは、道徳的に振舞うことと同じだという人がいる。この考え方は…

にんじんと読む「人はなぜSEXをするのか?」

第一章 少女の身体に十分な脂肪がつくことが生理の始まりの重要なポイントとなる(行き過ぎると逆に遅れるが)。現代においては初潮年齢が12歳頃と、150年前に17歳頃だったときに比べると早まっている。ピーター・グリュッグマンは農耕社会への突入によって…

にんじんと読む「進化倫理学入門」 第一章

なぜ自然選択は、道徳的に考え(しばしば)道徳的に振舞うヒト科の生物にとって有利に働いたと考えられるのか? 道徳的に考え道徳的に振舞うヒトは、どのようにして自然選択から生み出されたのか? 第一章 自然選択と人間本性 すべての個体は平等につくられ…

にんじんと読む「幸福は絶望のうえに」

哲学とは、言論を用いた一つの実践であって、その対象は人生であり、その手だては理性であり、その目標は幸福である。規範とすべきは「真理」であり、この真理をもとにして(それがどれほど悲しいものだったとしても)私たちは幸福を探す努力を続ける。だか…

にんじんと読む「統計学が最強の学問である」②

誤差と因果関係が統計学のキモである 何を調べるかは人間が決める。だからたいてい、人は集めてもどうにもならないようなしょうもないデータを集める。たとえば、「〇〇というブランドについてどう思いますか?」だ。たいへん好ましい、好ましい、ふつう、好…

にんじんと読む「天才⁉科学者シリーズ ヒポクラテス」

誰かの伝記を読もうと思って選んだのは、ヒポクラテス。 彼は地中海の島々のひとつ、コス島のケファロスという町で生まれた。紀元前460年のことである。代々医師の家庭だった。親父からは「俺たちはアスクレピオスとかヘラクレスの子孫なんだぞ」と言われて…