にんじんブログ

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2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

にんじんと読む「現象学ことはじめ(山口一郎)」🥕 第二章まで

第一章 数えること 「心の働き」と「心の内容」は区別しなければなりません。たとえば「喜んだり、悲しんだり、見たり、聞いたり、想像したり、思い出したり、判断したりする」ことと「喜びや悲しみといった感情、見えている何か、聞こえている何か、想像さ…

にんじんと読む「今こそ学ぼう地理の基本」🥕

(地理学における五概念)位置・分布、場所、地人相関、空間的相互依存作用、地域。①その事象がどこにあるか、空間的にどのように広がっているか。位置の規則性や分布パターンから、事象の一般的共通性をみる。②場所の自然的、社会的特性。地方的特殊性をみ…

にんじんと読む「分類という思想(池田清彦)」🥕 第二章(おわり)

第二章 何をどう分類するのか 客観的な分類方法を求めて。でもそんな方法なんてあるのか? これについては一つの神話がある。すなわち「事物を分類するには、自然の秩序に従うのが最も合理的である」という神話である。 役に立つ・役に立たないといった分類…

(メモ)楽器・ピアノのこと

フィレンツェの宮廷音楽家でメディチ家お抱えの楽器製造者バルトロメオ・クリストフォリ(1655-1731)が1709年に作った「ピアノ(弱音)とフォルテ(強音)が出せる大型チェンバロ)=「ピアノフォルテ」が、私たちの知るピアノの発明となりました。単にピア…

にんじんと読む「日本の自然崇拝、西洋のアニミズム(保坂幸博)」🥕 第一章部分

「宗教とはなにか」が問われていない 日本においてはオウム真理教の一連の事件において、宗教というものに一挙に注目が集まった。事件の背景にあった宗教とそれに対する熱狂的な信仰がもたらした残虐な行いはマスコミにも多く取り上げられることとなったが、…

にんじんと読む「新しい腸の教科書(江田証)」🥕

腸は外界とカラダの中をつなぐハブである 人体はチクワ。身を制御するのは脳だとしても、口に入れたものを身に入れるかどうかを司るのは腸である。腸内の神経細胞は一億個。つまり外界とやり取りする第二の「脳」、それが腸である。腸の中にはさまざまな細菌…

にんじんと学ぶ「心という場所(斎藤慶典)」🥕 第一章まで

第一章 心という場所 本書は私たちの現実を、「存在」の充溢と過剰によって惹き起こされた亀裂のもとで何ものかが「現象」へとみずからを突破し、この「現象」のもとでみずからを表現するにいたる一連の過程として捉え直そうとする。ここで「現象」とは、「…

にんじんと読む「分類という思想(池田清彦)」🥕 第一章

第一章 名づけることと分類 なんであれ、何かを分けるためには、何かになまえをつける必要がある。(略)従って分類と、なまえあるいはコトバは不可分の関係にある。 分類という思想 (新潮選書) だからまずは「なまえ」について書く。丸山圭三郎『文化のフェ…

にんじんと読む「おしゃべりな腸(ジュリアエンダース)」🥕 制御システム②

嘔吐は計画的なものです。胃の中身はチェックされており、脳が情報を評価して吐くかどうか決めます。脳が嘔吐を決めると血液が顔から腹部に集められ(顔が青ざめる)、血圧が下がり、心臓の鼓動もゆっくりになります。次のステップは唾液。胃酸から歯を守る…

にんじんと学ぶ「心という場所(斎藤慶典)」🥕 序章

序章 「現象する」とは何の謂いか 序章 「現象する」とは何の謂いか 私たちの現実はどこからどこまでも「現象すること」を基盤として成り立っているのだ。 心という場所―「享受」の哲学のために 哲学をはじめるにあたって、にんじんとしても出発点としたいの…

にんじんと読む「人類最古の哲学(中沢新一・カイエ・ソバージュ一巻)」🥕 はじまりの哲学

はじまりの哲学 神話は人間が最初に考え出した、最古の哲学です。 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ) 神話は『幼稚で、非合理的で、非科学的で、遅れた世界観をしめしているもの』ではありません。学校教育で教えるのはせいぜい今か…

にんじんと読む「縄文人に学ぶ(上田篤)」🥕 少しだけ

日本列島にホモ・サピエンスが居つきはじめた頃は氷河時代末期、気候が激しく寒暖を繰り返す頃であった。氷河時代が終わり完新世に入ると日本列島の温暖化がはじまったが、このとき日本中で一斉に「竪穴住居」が作られた。著者はこれを『温暖化にともなって…

もう一度にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕 第四章(途中で終わり)

第四章 何のための〈還元〉か(2) とにかくわかりづらいので、『純粋心理学』について見なおしておこう。 まず純粋心理学とは心を扱う学問である。心的なものの存在を私たちに感じさせてくれる経験とは「反省」である。反省によって与えられる心的体験は、…

にんじんと読む「縄文人の文化力(小林達雄)」🥕

日本列島に人々が移住してきたのはおよそ2万年前。この頃はまだ更新世、氷河時代であった。氷河時代が終わり、完新世に至ったのが約1万3000年前。これを境に旧石器時代と縄文時代に別れるのである。 日本列島にいた人々は農耕や牧畜ではなく、まず土器を作り…

もう一度にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕 第三章

第二章 〈生〉にとって学問とは何か carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 第三章 何のための〈還元〉か(1) これまでの経過をまとめておこう。フッサールはデカルト的姿勢を受け継ごうとした。それは『哲学するための確実な疑い得ない地盤を求める姿勢』…

もう一度にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕 第一章

第一章 ”学問の基礎づけ”とは何か フッサールの現象学はデカルトの描いたモチーフを徹底させたものだという。つまり『哲学するための確実な疑い得ない地盤』を本気で追い求める姿勢である。ところがデカルトは今や批判され尽くした人物であって、こうした『…

にんじんと読む「おしゃべりな腸(ジュリアエンダース)」🥕 制御システム①

第二章 腸の働きをつかさどる優雅な制御システム ケーキを食べると味がして、喉を通るのがわかります。しかしある地点から何も感じなくなります。そこから先は「平滑筋」の領域です。平滑筋は自分で動かすことができません。コントロールできる筋肉は定規で…

にんじんと読む「世界一まじめなおしっこ研究所(金子大輔)」🥕

世界一まじめなおしっこ研究所 おしっこのもとは「血液」、作っているのは「腎臓」です。まず血液から血球とタンパク質という大きな粒子を取り除いたものが腎臓のボーマン嚢(のう)というところにこし出されます。これを「原尿(げんにょう)」といいます。…

もう一度にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕 序章

序章 現代思想の〈真理〉批判をめぐって この序章では、現代思想の〈真理〉批判のあらましをたどりながら、その仕方のどこに問題があったのか、そして現象学はこの同じ問題に対してどのような構えをとろうとするのか、ということを描き出してみたい。 哲学的…

にんじんと読む「おしゃべりな腸(ジュリアエンダース)」🥕 便の話

(ウンチのお話 中身・色・形) ウンチの構成要素をみてみましょう。4分の3が水分です。残りは固体。ではその固体はどういう構成になっているのか。3分の1が引退する細菌、もう3分の1が消化できない食物繊維。フルーツや野菜をたくさん食べると便を大…

にんじんと読む「おしゃべりな腸(ジュリアエンダース)」🥕 ④

小腸における脂肪の吸収は、血管ではなくリンパ管を用いて行われます。リンパ管は血管の横を通っている管のことです。小腸においてはこのリンパ管がすべて集まり、一つの大きなチューブとなって、脂肪を吸収しています。もし小腸のひだひだの血管から脂肪を…