リライト
ゲティア問題 証拠主義から信頼性主義へ 証拠の構造 基礎づけ主義 整合主義 新しい正当化理論 伝統的に、知識とは正当化された真なる信念であると言われてきた。これは「正当化」「真」「信念」の三つに整理される。真であるというのは素朴に事実性のことで…
健康というものを考えるにあたり、もちろん「健康とは何か」が問題となる。しかし言葉というものは時代や文化において相対的なものであり、極端な立場においてはまったく恣意的なものとなりうる。それらすべての健康に共通なものを見出すようなことは望むべ…
完璧主義の基本 完璧主義とは「自身や周囲を評価する際、過剰なまでに完全性を求める認知・行動傾向のことであって、自身にとっての期待外れやコントロールできない部分を究極的に全て無くしてしまおうとするあり方」のことです。 Hewitt and Flett(1989)は…
carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 認識論において、基礎づけ主義と整合主義は正当化を説明するうえでそれぞれ長所と短所を持つ。Susan Haackはそれぞれを見比べて整理し、次のように考える。 基礎づけ主義は正当化の一方向性を要求するが、整合主義はし…
経済学とは、さまざまな経済主体が市場で財やサービスやお金を交換し合う経済活動を、ある仮説をもとにモデル化し、説明しようとする学問である(大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる (角川文庫))。あるいは、資源を効率的に配分する学問であるともい…
宇宙開闢から時代は流れ、遂に哺乳類が生まれ、その一部がホモ・サピエンスへと進化した。彼らは故郷のアフリカを発ち、ユーラシア大陸を満たし、現在の日本列島へ歩を進める。 世界史的には、文字が使用されていない先史時代のうち、多くの道具を石で作った…
宇宙誕生からカンブリア爆発 生物について 進化 ダーウィンの功績・進化についての注意 生態系とは ホモ・サピエンスについて 誕生 ネアンデルタール人vsホモ・サピエンス 人類の特徴 人類の歴史 宇宙誕生からカンブリア爆発 (これより前は空間も時間もない…
感情というものと価値とのつながりについては他記事参照のこと。 進化論的に見た情動 自然選択は私たちを助けない 情動:状況に対するモード 不安の役割 補論:パニック障害と過呼吸 進化論的に見た情動 自然選択は私たちを助けない 私たちは心が脆すぎる。…
国家とはなにか 暴力による定義 暴力の種類 国家の誕生 秩序と支配の保証 国家の誕生 国家を正当化する アナキズム 国家とはなにか 暴力による定義 私たちにとって「国家」とは、憲法があり法律があること、すなわち政治機構のことである。つまり人間共同体…
価値の”客観"主義 情動との関係 正当な情動とはなにか 結論 世界のなかの事物はたとえば青かったり、四角かったりするが、同時に、美しかったり、おいしそうだったりする。私たちに与えられる対象はすべて、単なる事実的なものであるだけでなく、価値的なも…
死ぬこと 死の宗教的意味 令和元年簡易生命表の概況 自然淘汰における死の意味 生物の基本形は不死 死はプログラムされた 老いること 死ぬこと 死の宗教的意味 どうにもならないことだが、私たちは誰しも最後は死んでしまう。これは私というものの最大の喪失…
恣意的に区切ること 分類作業へ 分析すること 恣意的に区切ること 分類は対象をなにかとなにかに区切る。対象もなにかも、すべて言葉である。だが実は言葉というものは既に、区切られているのだ。たとえばりんごはりんごであり、りんごではないものとは違う…
仏教思想のゼロポイント 仏教の最終目的は「悟り」「解脱」「涅槃」である。だが、これがわからない。 釈迦の教える生活の基本条項は『労働の否定』『生殖の否定』である。ブッダ本人もそれが「世の流れに逆らうこと」(『聖求経』偈)であり欲望に流され楽…
宇宙開闢から時代は流れ、遂に哺乳類が生まれ、その一部がホモ・サピエンスへと進化した。彼らは故郷のアフリカを発ち、ユーラシア大陸を満たし、現在の日本列島へ歩を進める。 世界史的にみれば、文字が使用されていない先史時代のうち、多くの道具を石で作…
先日投稿した記事の付録として、同じ著者が訳出を担当した『ウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇 ケンブリッジ 1939年 (講談社学術文庫)』に書いている解説文「言語哲学と数学についての哲学的像」を読んでいこう。 ⇩ 先日投稿した記事 carrot-lanthanu…
現象学が明らかにしたことは、私たちの活動のほとんどすべてが非明示的なものによって支えられているということだろう。以前書いた記事『哲学の三層構造』において示した「受動性の層」がそれにあたる。フッサールは人々が互いに納得しながら議論をすすめて…
carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 自然的態度と超越論的態度 日常生活をただそのまま生きていくことと、その生活の成り立ちや仕組みを反省することは異なる二つの態度である。前者を「自然的態度」、後者を「超越論的態度」と呼ぶ。これは、成り立ちや仕…
「悟り」とはなんなのか 仏教の最終目的は「悟り」「解脱」「涅槃」である。だが、これがわからない。 釈迦の教える生活の基本条項は『労働の否定』『生殖の否定』であり、ブッダ本人もそれが「世の流れに逆らうこと」(『聖求経』偈)であり欲望に流され楽…
carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 前回の記事では、 「人間関係がいかに人を疲れさせるか」 「過度の期待をやめ、あきらめることで疲れを予防する」 そして「共生という関係」 について書いた。特に大事なのが予防策を打ったうえでの、具体的な対人関係…
私たちはなぜ生まれてきたのだろうか。 幸福(Eudaimonia;よき人生;開花)を考えるうえでの出発点は、私たちが動物の一種であるということだ。私たちはほかの動物となんら変わりのない普通の生物であり、その一方で、ホモ・サピエンスという非常に「特異な…
人と会話した後に「あぁ、やってしまった」という後悔が必ずあります。目の前に人がいる場合も、電話も、メールもそうです。安心なのがTwitterとブログなのですが、これはそもそもレスポンスを期待する度合いが他よりも小さいからかもしれません。ふぁぼの数…
ペンギンは、真核生物の動物界脊索動物門鳥綱ペンギン目ペンギン科の動物であり、6属18種の区別がある。鳥綱というのは、口がクチバシになっている卵から産まれる脊椎動物のことで、飛べるか飛べないかは関係がない。 エンペラーペンギン属(2種) アデリー…
エウダイモニア主義というのは、幸福Eudaimoniaあるいは開花Flourishingと徳を積極的に結びつけようとする考え方である。『依存的な理性的動物: ヒトにはなぜ徳が必要か (叢書・ウニベルシタス)』においては、開花というものを、それが埋め込まれる社会関係…
開花Flourishing 幸福への発達 社会との関係 全体の素描 過去記事 開花Flourishing 私たちがいかに「傷つきやすいvulnerable」存在であるかということ、すなわち、私たちの生が苦しみに満たされているということ。私たちは日ごろ、その憂鬱の中に身を置くよ…
「すべて」を始めた大爆発 アインシュタインが1916年に発表した一般相対性理論によって、それまでの静かで永遠の宇宙観は一大転換を迫られた。言い出したのはベルギーの司祭・天文学者のルメートルであり、””渦巻銀河の後退””という観測結果に基づいて、「宇…