2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧
機能的文脈主義とはなにか アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)は、認知行動療法の一種である心理療法である。この心理療法は「機能文脈主義」という世界観を前提とする。 世界は要素で構成されているか? 部分的要素が実在し、それによって世…
第一章 男性の権力というのは本当に神話か? 第一の視点 女性がいかに被害者であるかという言説はたくさんあるのに、男性が男性であることによる被害を主張するのはそれほど認められていないようだ。『なぜ女性のつらさは問題にされるのに、男性の生きづらさ…
第一章 機能的文脈主義とは何か アクセプタンス&コミットメント・セラピーは「機能文脈主義」という哲学的立場のもとで実践される行動療法である。機能文脈主義は、文脈主義のはじまりであるPepperによれば、世界それ自体についての仮説・世界観のひとつで…
第四章 知っているかどうかということは心の中だけで決まることなのだろうか? その人の信念が事実として信頼のおけるプロセスで作り上げられてさえいれば、そのプロセスのことなど知らなくても正当化されているというのが信頼性主義だった。だがなんだかよ…
第一章 現象学の理念と方法 根本的に新たな始まりを求めるデカルトの指導理念は、デカルトにおいては主観へと転じられた哲学において達成されなければならない。なぜか。第一に、哲学の全面改革は個人の中に生じるしかないから。もし共同研究をしているにし…
第三章 基礎づけ主義から外在主義へ 基礎づけ主義者を打ちのめす五つの前提は次のようなものだった。 前提(1) 基礎的な経験的信念が存在するとする。 前提(2) 信念が認識論的に正当化されているためには、それが真であるとすべき何らかの理由がなければなら…
コナトゥスと欲望 おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力はその物の現実的本質にほかならない。 はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書) エチカ、第三部定理七 ここでいう「努力」をコナトゥスconatusといい、つまり「自分の存在を維…
第二章 知識に基礎づけが必要だと思いたくなるわけ 【どの推論でいく?】 命題QがPから推論されるとき(P⇒Q)、演繹には三つの特徴がある。 真理保存性:前提が真なら結論も真 単調性:正しい推論にいくら前提をつけたしても真なものは真 情報量は増えない:…
形而上学 …… 世界とはどんなふうにできているのか 認識論 …… 世界がどうあれ、私たちはそれを知り得るのか 第一章 なにが知識の哲学の課題だったのか 知っているとはどういうことか。これについて哲学はこういうふうに定義してきた:「それを信じており、そ…
今日はお知らせです。 2022年より、にんじんブログの更新は「月」「水」「金」がお休みになります。 だんだんと考えがまとまってきまして、乱読というよりは重ための本を精読しなくてはならなくなってきたからです。それから、いまはどうなるかわかりません…
自己評価などを気にするのは道徳的に責められてしまうことのようで、変に気が引けてしまうかもしれない。だが、自己というものを適切に評価できていないことが、逆に自分というものに囚われてしまう、《自分というものを気にかけすぎ》てしまうという結果に…
第三章 うつとその人生への影響を一覧表にしよう 第四章 うつの罠を知ろう 「本章では、「社会化(社会環境からもたらされる基本教育)」がいかにうつの罠に対する耐性を低めてしまうかをみていきたい」。うつの罠の本質というのは、「これまでに受けた教育…
イントロダクション 「人が人生に求めるものはだいたい決まっています。健康、愛情ある人間関係、やりがいを感じられる仕事、建設的な気晴らし、精神的な活動、そしてレジャー活動」だがこれを求めることで「楽しいことが次から次へと起こる」わけではない。…
東洋人は環境に、西洋人は対象物に。東洋人は自己というもののありかをさまざまな人間関係や環境のつながりの中に見いだそうとするが、西洋人はそうしたものに囚われないところに自己の姿をさがす。東洋人にとって変化はあたりまえのことであり、西洋人は安…
第一章 老化の概念 老化とは、成熟期以降、加齢とともに個体を形成する各臓器の機能あるいは各臓器をネットワークとして統合する機能が低下し、個体の恒常性を維持することが不可能となり、ついには死に至る過程を指す。 加齢とは生後から時間経過とともに個…
倫理的ベジタリアン 過去のベジタリアンたちと動機 「なんで植物は食べていいんだ?」 倒錯した動物「愛」 政治的ベジタリアンへ 倫理的ベジタリアン この本の主要な「敵」は、倫理的ベジタリアンである。ベジタリアンとは植物だけを食べることを好む者のこ…
この本はドイツの著述家であるクニッゲ(1752~1796)が書いた処世哲学の古典的名著で、他にも小説などいろいろな作品があるが、自他ともに認める「粗製乱造」のせいもあってか、現在でも親しまれているのはこの一冊のみである。 第三部まであり、第一部にお…
生きる目的はない。やるべきことはなく、つまり、何をしてもよいので別に自殺してもよい。だが、本当に「よい」と思えるはずはない。私たちはいろいろの理由で死にたくないと思っている。その主要な理由は「私たちはホモ・サピエンスという動物種の一人であ…