にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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にんじん論文

「真理条件説と実在論」

言語の目的は思想の伝達と記録であり、言葉の意味とは言葉を使う人の「心にある観念」であるという啓蒙主義的言語論は、言語行動という物理的行為のうちには意味というものが見いだせないのだから心のなかにあるはずだという考えにもとづく。これに対し、フ…

論文「外在主義から何が学べるか」

cir.nii.ac.jp ここに「外在主義」とは意味論的なもので、『ある主体が何を思考しているのかといった経験内容を特徴づける上で、その主体の外部に存在する周囲的な状況、外在的な要素を無視することはできない』ということである。これは、意味や思想内容と…

にんじんと読む論文「Virtue Foundherentism」

www.degruyter.com Susan Haackが提唱したFoundherentismを説明し、擁護し、批判する。すなわち、よくある誤解を排除し、Andrew C. Cluneによる「Haackは隠れた検証主義者だ」という批判に対し反論し、Haackが軽視している「徳」の問題について言及しよう。 …

にんじんと読む論文「The Role of Experience in Empirical Justification: Response to Nikolai Ruppert, Riske Schlu¨ ter, and Ansgar Seide(Susan Haack)」

整合的基礎づけ主義という立場は、これまでの認識論におけるよくある立場とは異なるものだ。そうでないという人が持つ誤解はとても幅広い。整合的基礎づけ主義が経験に正当化の役割をみなすとそれだけの理由で「これは基礎づけ主義の一種だ」と結論したもの…

にんじんと読む論文「Problems at the Basis of Susan Haack’s Foundherentism(Nikolai Ruppert, Riske Schlu¨ ter, and Ansgar Seide)」

Susan Haackの基礎づけ整合主義が、当初意図されたとおりに、基礎づけ主義と整合主義の問題点を克服したものであるのか、また、BounjourやPeter Tramelが指摘したように単に弱い意味での基礎づけ主義にすぎないのではないかということを議論する。 基礎づけ…

にんじんと読む論文「Haack’s foundherentism is a foundationalism(Peter Tramel 2008)」

この論文ではハークの基礎づけ整合主義が基礎づけ主義であることを主張する。彼女は自らの立場を基礎づけ主義と異なるものであると考えているが、それは弱められた意味での基礎づけ主義と一致する。 まずハークが自らの立場を基礎づけ主義と異なるという根拠…

にんじんと読む論文「ハークの基礎づけ整合主義の理論的位置付け」

cir.nii.ac.jp 基礎づけ主義 基礎づけ主義とは、全ての正当化された信念は、最終的に、他の信念によって正当化される必要がない基礎的信念(basic belief)に依存するという考え方である。あるいは、私たちの知識や認識的な正当さがそれ以上証拠が必要ない確…

にんじんと読む論文「フッサール生活世界の現象学」

cir.nii.ac.jp フッサール論文『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(『危機』)において、彼は学問の危機を論じた。科学技術は人類の無限の発展と繁栄を約束してくれるかに見えたが、それは第一次世界大戦の惨禍を招き、そしてまた、「この人間の生存…

にんじんと読む論文「人生はなぜ生きるに値するか」

researchmap.jp ニヒリズムとは、生きることが無意味だという信念のことである。人生の有意味性は二つ区別することができる。ひとつは有意味性を特殊な価値だととらえることであり、ひとつは総称的な価値性質のことである。 前者は、「関係的」である。人生…

にんじんと読む論文「科学の’進歩’と’合理性’」

www.jstage.jst.go.jp 科学はなぜ反証可能でなければならないのか。 私たちは「カラスがみんな黒い」ことを証明できない。なぜなら個別のカラスからカラス全体のことなどどうあってもわからないからである。ゆえに、『いかなる認識も真なるものとして根拠づ…

にんじんと読む論文「現象学の探求プログラム化」

irdb.nii.ac.jp 探求プログラム 理論は常に仮説であり、仮説は経によるテストを通じて修正されなければならない(可謬主義)。可謬性を持たない理論はそれを承認する人の間でだけ流布し、膠着するドグマとなる。もうそれ以上展開することができなくなっても…

にんじんと読む論文「フッサール現象学における認識と真理の問題」

library.bliss.chubu.ac.jp 自然的態度と現象学的態度 世界が存在するということを自明とする態度における「認識論」は、主観と客観のあいだの関係によって語られるだろう。主観が客観を捉える仕方を説明するならばそれは《写像論》にならざるを得ない。すな…

にんじんと読む論文「フッサールにおける本質認識とアプリオリ性」 アプリオリについてのカント的な考え方

cir.nii.ac.jp アプリオリについてのカント的な考え方 カントのいう「アプリオリ」という概念は、認識論的な概念であり知り方を特徴づけるものである。だからある命題がアプリオリであるというのは「その命題はアプリオリに認識される」の省略形として理解さ…

にんじんと読む論文「合理論と経験論における生得観念について」

cir.nii.ac.jp 合理論と経験論における生得観念について 観念とは、「われわれの意識の内容として与えられている、あらゆる(現実の、また空想上の)対象」をさす(デカルト、ロック以来の用法)。 岩波 哲学小辞典から。 これが今日の一般的な「観念」の理…