にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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哲学

にんじんと読む「スマホ時代の哲学」

大衆はそれぞれ自己完結しており、自分を疑うということもない。「お考え」をべらべらとコメントし、他人の話は一切聞かない。Twitterのトレンドをのぞけばいくらでもいる人種だが、『こういうひといるよな』と言い、暗に自分はそうではないと思っている人間…

にんじんと読む「世界への信頼と希望、そして愛」 第二部

第二部 世界への信頼と希望はいかにして破壊されてきたのか 資本主義 アーレントは資本主義を批判する。 まず資本主義は「制作」プロセスを「労働」プロセスに変えてしまう。すなわち、使用対象物の消費財化が起きる。消費財はたちまち消費される。一方、使…

にんじんと読む「世界への信頼と希望、そして愛」 第一部

第一部 第一章 活動的生とは何か――活動的生の世界維持形成機能 人間には三つの根本活動があるとアーレントは言う。それが労働・制作・行為であり、諸活動はすべてこの三つのどれかに属する。そしてこの三つの活動を総称するものとして、『活動的生』という言…

にんじんと読む「世界への信頼と希望、そして愛」 序章

序章 この世の中はいやなことばかりで、苦しみに満ちている。そうした出来事に直面してもなお、われわれは世界を愛することが、肯定することができるだろうか? ———アーレントが『活動的生』という著作で行おうとしたことは、「それにもかかわらず」の世界肯…

にんじんと読む「大衆の反逆」 時代の高さ

時代の高さ 前章で確認したことは、大衆の支配がもたらした歴史的水準全体の上昇は好都合なものだということである。この水準の「高低」に、しかし、著者は次のようにいう。 ほとんどすべての時代において、自分たちの時代の方が他の過ぎ去った時代よりもさ…

にんじんと読む「大衆の反逆」 歴史的水準の上昇

歴史的水準の上昇 密集の事実。大衆と少数者集団の特徴。……並べてきたことはなんとなくエリート主義的なにおいをかんじさせるが、著者もこのことは自覚していたと思われる。彼は自らを「根本的に貴族主義的な歴史解釈をその持論とすることで有名」と書いてい…

にんじんと読む「大衆の反逆」 密集の事実

密集の事実 私たちが見ているもの、私たちをそんなにも驚かせるものとは何だろうか。それは文明によって創り出された諸々の施設や道具を占有する群衆そのものの姿である。 大衆の反逆 (岩波文庫) 昔はそうではなかった、という。だがこれは私たちにとっては…

にんじんと読む「人は語り続けるとき、考えていない」

哲学は既存のすべての知識に対する反省を促すがゆえに、もっとも一般的で、誰しもにひらかれたものである。その哲学は専門化の道をたどり、その議論を追うために独特な知識の集積を必要とするようになっているが、互いの理論的前提を共有しないことによる分…

にんじんと読む「対話の技法」第二部

第二部 危ない対話への勇気 現代人の今の態度のまま「対話」を推奨していくことには問題がある。 プラトン『パイドン』において、「ミソロゴス」(言論嫌い)について語られたことがあった。言論嫌いというのは、どんな言論にも真理などない、世の中に出回っ…

にんじんと読む「対話の技法」第一部

第一部 対話を知っていますか? 対話とは何か。対話とはそもそも可能か*1。 このことを考えるにあたって、類似する他の言語行為(会話・談話・演説・討論)などとどう違うかを見よう。つまり対話でないものを見ることで対話とは何かが見えてくるという方法で…

にんじんと読む「わたしは不思議の輪(ダグラス・ホフスタッター)」

本書を通じて自分の考えが哲学者たちに伝わるのを望みはするが、哲学者のような書き方はするまいと思っている。わたしには、多くの哲学者は数学者と同じで、自分の正しさを実際に証明できると信じていて、そのために非常に厳密で専門的な言葉を多く用い、場…

存在の問いへ

世界内存在 世界内存在 —— 世界 交渉と認識 存在了解の二つのベクトル 鳥という対象を志向するためには鳥が鳥であることの意味の把握が前提となっている(フッサール 志向性の哲学)。鳥は常になんらかの仕方で現われ、たとえば鳥は飛んでいるが、それは単に…

(メモ)ハイデガーの超越論的哲学

ハイデッガーの『存在と時間』は、存在者的なもの・存在論的なもの・存在時性という三水準を区別した問題設定によって描かれた。すなわち、①存在者が了解されることの可能性の条件としての存在、②そのような存在一般の了解の可能性の条件、③存在了解一般の可…

(読書メモ)「ハイデッガーの超越論的な思索の研究」序章

序論 『存在と時間』は前半部しか執筆されず、後半部は断念された。この研究が途絶されたのは彼の問うた「存在の意味の問い」の欠陥によるものか。その欠陥はあまりにも致命的であるためにこの研究を引き継ぐものさえ現れなかったのか―――このような疑問はハ…

(メモ)「風土の論理」

生命論と風土学 生命論との対比においていえば、風土学とは世界に存在する事物の多様性をその環境に即して明らかにするものである。近代地理学の発展を促したのは十六世紀以後のヨーロッパ世界の大規模な対外進出にある。未開の土地への侵入や開拓にあたって…

ドレイファス『世界内存在』について 第二章

第二章 『存在と時間』の序論——方法論的部分 存在了解にどのように接近すればよいのか。先述したようにこれを明示化することなどまったく困難なことである。この困難さについて、次の例はとてもわかりやすい。 説明のために次のような例を考えてみよう。ある…

ドレイファス『世界内存在』について 第一章

第一章 『存在と時間』の序論 —— 内容的部分 なにかがなにかであるというその意味一般を探る「存在への問い」は、この記事においてはフッサール的文脈から理解されている。するとハイデガーのいうところの『現存在』というワードは、フッサールにおける志向…

ドレイファス『世界内存在』について 序章

序章 プラトン以後、理論というものに寄せられた期待は過剰すぎるものだった。第三者的に物事を見下ろし、その様子をまとめ、未来を見通す一冊の本を完成させようという目論見は人々にとって刺激的な考え方だった。最初のページには誰の心の内を覗いても明ら…

にんじんと読む「ブッダが考えたこと」 はじめに

はじめに ブッダは人類史に記録がある中でも、最大の思想家――かつ最高の人格者――の一人とみなされてよい。 とはいえ、私はブッダの考えがすべて正しかったと考えているわけではない。 したがって私は、自分が仏教徒であるとは考えていない。だが私は、ブッダ…

にんじんと読む「健康の本質」

健康の本質 健康という概念の重要性についてはすでに明瞭であろう。健康についての理論が、理論として備えていなければならない適切な条件は少なくとも、 健康にかかわる概念相互の論理的な関係 健康概念と、そのほか主要な人間性に関わる概念との論理的関係…

にんじんと読む「世界は善に満ちている」 ~愛~

愛 善によって心が被る変化が、愛である。たとえば喫茶店でふと耳にした音楽に心が強く揺り動かされ、店を出てからもずっと心の中で鳴り続ける。何かが気に入るとそのものが心の中に住み続け、それ以前の自分ではなくなっている。愛は受動的な仕方で生まれる…

にんじんと読む「世界は善に満ちている」 ~希望~

希望 希望という感情が抱かれる対象は、まず〈善である〉。ここでいう善というのは道徳的善」だけでなく、私たちを喜ばせる「快楽的善」や、私たちにとって役に立つという意味での「有用的善」の三種であり、その対象はそのうちいずれかの善である。言い換え…

にんじんと読む「知識の哲学」

形而上学 …… 世界とはどんなふうにできているのか 認識論 …… 世界がどうあれ、私たちはそれを知り得るのか 第一章 なにが知識の哲学の課題だったのか 知っているとはどういうことか。これについて哲学はこういうふうに定義してきた:「それを信じており、そ…

にんじんと読む「数学の現象学」

ヴァイアシュトラス・プログラム 基本テーゼ 解析学の体系全体は自然数の概念と演算の理論から純粋に論理的推論のみによって構成されなければならない 動機: それまで数直線上の点という幾何学的直観に基づいて把握されていた実数、微分、連続性といった概…

にんじんと読む「善い学びとは何か」

第一章 学びとはなにか、学ぶことの価値とはなんなのか。 学ばれるものを知識と呼ぶことにすれば、知識には以下の三つの種類が考えられる。 命題的知識 かくかくしかじかであるという知識 ノウハウの知識 ピアノを弾くなど、ある活動のためのスキル。ピアノ…

論理学の哲学

真であること・必然的であること・確実であること 「9は3の倍数である。9は3の倍数であることは真である」 真であるということは単に冗長な表現にすぎないのだろうか。この点についてはまた議論することにして、上の命題から真であることと必然性の区別…

にんじんと読む「生殖する人間の哲学」

第一章 「生殖」と他なるもの 人間を生殖するものとして見ること。それは人間を動物として見ることでもある。それは単に食べ、疲れ、休み、老い、病み、死ぬということだけでなく、他の人間と関係しなければ行えない生殖の側面をあらわにする。すなわち、人…

にんじんと読む「EVIDENCE AND INQUIRY(Susan Haack)」第四章

4 Foundherentism Articulated Our goal is an explication of epistemic justification which conforms to desiderata which emerged from the arguments of the previous chapters: to allow the relevance of experience to empirical justification(略…

証拠の構造について(基礎づけ主義・整合主義)

証拠の構造 信念Pを証拠R1という理由で正当化しよう。もしR1に正当化が必要ならばR2によって示されるだろうし、R2に正当化が必要ならばR3によって示されるだろう。こうした証拠の連鎖は次の四つのいずれかの構造を持つと思われる。 循環せず、どこかで止まる…

にんじんと読む「入門講義ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』」🥕 途中まで

論考とはなんだったのか ウィトゲンシュタインは「前期」と「後期」に大きく分けられるが、そこには連続性がある。彼は哲学を治療として捉え、哲学的問題を問題としてしまうのは言語に対する誤解のせいだと診断する。哲学者たちはなにか意味のある議論をして…