哲学
物語論の大枠 歴史の物語論は「歴史記述のテクストは必然的に”物語”という形式をとらざるをえない」と主張する。それは歴史記述においてその当事者は自分の行為がその帰結をもつと意図しているわけではないからである。たとえば『夏目漱石は1867年に生まれた…
否定媒介的な世界肯定 世界を否定したくなるような出来事が、この世界には無数に存在する。しかしそうした出来事に直面してもなお、アーレントはこの世界を肯定しようとする。ここにあるのはいわば、「それにもかかわらず」の世界肯定、すなわち直接的な世界…
第一哲学・形而上学に先行する学問論 純粋論理学について 認識論について 論理学者の課題・哲学者の課題 現象学という方法 ブレンターノの記述心理学 スペチエス説へ 指向性理論概観:スペチエス説のために 対象理論と内容理論 ブレンターノの指向性理論:対…
第一哲学・形而上学に先行する学問論 純粋論理学について 認識論について 論理学者の課題・哲学者の課題 現象学という方法 ブレンターノの記述心理学 スペチエス説へ 指向性理論概観:スペチエス説のために 対象理論と内容理論 ブレンターノ指向性理論 第一…
第一哲学・形而上学に先行する学問論 論理学とはなにか:心理主義批判 哲学者の課題:認識批判&客観的認識論 命題のスペチエス説 現象学的分析の出発点 第一哲学・形而上学に先行する学問論 個別科学(時空的で因果的な「レアルな学問」)に前提されている…
第一哲学・形而上学に先行する学問論 論理学とはなにか:心理主義批判 哲学者の課題:認識批判&客観的認識論 命題のスペチエス説 第一哲学・形而上学に先行する学問論 個別科学(時空的で因果的な「レアルな学問」)に前提されている諸々の形而上学的前提に…
現象学史 学生時代:二人の師 19世紀後半、数学基礎論の諸立場が成立し始める頃である。 基礎論上の対立の源流である《数学的対象はいかに存在しているか?》という問題について、プラトニズムv.s.構成主義の対立が表面化しはじめていた。プラトニズムは、抽…
近世心理主義から 近世の哲学的意味論は、世界を対象化し客観化していこうとする思想を背景とした、啓蒙主義的言語観によって方向づけられている。これは、J.ロック『人間知性論』第三巻「思想はすべて人間自身の胸の内にあって、目に見えず、他人から隠され…
近世心理主義から 近世の哲学的意味論は、世界を対象化し客観化していこうとする思想を背景とした、啓蒙主義的言語観によって方向づけられている。これは、J.ロック『人間知性論』第三巻「思想はすべて人間自身の胸の内にあって、目に見えず、他人から隠され…
ダメットが意味理論に要求するのは、その言語の表現や文の意味を知るときにその人が何を知っているのかについての説明能力である。すなわち、意味理論はその「何」を表示を提供するものでなければならない。たしかに《地球外生命体》について知るときは別の…
エピクロスによれば快楽こそが目的(テロス)である(エピクロス: 教説と手紙 (岩波文庫 青 606-1) メノイケウス宛の手紙)。 ただしここでいう「快楽」とは、享楽のことではなく、身体において苦痛のないことと魂において動揺のないことにほかならない、と…
実在論(プラトニズム) プラトニズムは、抽象的な観念やチームや組織といった具体的事物とは異なるものを独立の存在者として認める立場である。これは存在論的なひとつの立場である。 極端に思えるひとつの主張は、数学的プラトニズムであり、彼らは数や集…
真理とはなんなのか? この問いはこうも言い換えられる。「ニワトリは卵から孵る」という主張が持っていて、「両生類は羽毛を持つ」という主張が持っていない性質である《~は真である》という性質は一体なんであるのか? ———真理とは何かと問ううえで、真理…
革命 科学理論に起きた四つの革命はわたしたちの世界観を塗り替えた。私たち人間の住まう地球は宇宙の中心ではなく(コペルニクス的革命)、私たち人間は生物世界の中心ではなく(ダーウィン的革命)、私たちの心は独立してあるわけでも自分にとって明晰判明…
第一章 「論理学」とはなにか 論理学は妥当な形式的推論(ただし、推論の妥当性がもっぱら言明の単なる形式にもとづくかぎりで)に関する学であるとするのが今日的な見解であり、その主たる主題は言語である。すなわち、論理法則とは言語の法則なのである。 …
真理条件的意味論は合成性原理と意味論的無垢という二つの原理を維持し得ない。なぜなら第一に、文脈に応じて真理条件への貢献が変わり得るheやtodayといった表現があるからであり、第二に、意味論的無垢を仮定すれば合成性を破棄しなければならなくなる。実…
第一章 なぜ物語論なのか 『歴史記述は物語的言語構造を持つ』。 じっさい、歴史記述を見てみると、それ特有の表現を見出すことができる。たとえば《夏目漱石は1867年に生まれた》などもそうである。なぜならこの文は、出生した赤ん坊が1867年生まれであり、…
ある言語表現が明示的に伝えている意味(明意)を知るためには、そこにある程度推論を交え、肉付けしなければいけない(発展)。 曖昧性除去:複数の意味をもつ語がどの意味で用いられているか。「bank」→銀行?土手? 「太郎は自転車で逃げる犯人を追った」…
原理 認知とは、さまざまな想定をもっている状態、想定を増加・改善させたいという欲求、想定を増加・改善する場合の頭の働きである。人間の認知一般には次の原理が当てはまる(と仮定する)。 【関連性原理Ⅰ】人間の認知は、関連性を最大にするように働く性…
論証とは、命題からなる列のうち、或る一つの命題がそれ以外の命題によって立証されるものあるいは少なくともそのための証拠を提供されるものとして意図されるようなものをいう。立証を意図される命題を帰結、それ以外の命題を前提と呼ぶ。命題とは平叙文で…
第一章 志向性について考えるうえで、対象は必ずその作用とセットで考えられる。つまり『これは対象ですか』と問うことに意味はなく、『これはあなたが欲しいと思っているビールですか』という仕方で作用との関係を問われる。 さて、志向性を成立させている…
序章 志向性とは、意味を把握することによって、我々の思考や想像、知覚といった経験が「何らかの特定の対象についての経験」として成立していることをいう(『現象学は外在主義から何を学べるか』)。これはわれわれと「対象」のかかわりである。 当たり前…
「事象そのもの」とは? 現象学の根本精神である「事象そのもの」とはなんなのか。どうやらそれは直観的に把握され、直接的に見ることができ、概念や命題や思念の起源であるらしい。しかし一方で、それを見ることは難しいとも言われる。現象学という語は一般…
哲学は人間が世界を理解(メタ知識的認識)する運動である.しかし,運動の意識は時間とともに消滅する.それに対して,運動の痕跡は存在する.それゆえにその痕跡を再現し、意識化するためには物理的痕跡が必要となる.この痕跡が記号であり,意識の再現(復活)で…
第二章 《借り》から始まる人生 借りを認めることは自分の力ではできないことがあると素直に認めることである。私たちは生まれたとき無力でありだれかの世話にならなければ生きていけない。人間は借りと切っても切り離せない存在である。 【メモ】 以上。残…
第一章 交換、贈与、借り 「贈与」というものは基本的に「交換」を目指しており、未だ返さずの部分が「借り」である。高級レストランで奢ってあげたのにお返しがサイゼだったら損をしたと思うだろうか。ただ相手の経済力を考えるとサイゼでも十分だと思う人…
はじめに 資本主義が発展する以前の社会において、負債・借りをつくるというのは首輪をはめられるのと同じく、拘束され返せなければ相手の奴隷になるのと同じことだった。つまり「自由」を奪い、束縛したのである。しかし資本主義においては負債はすべてお金…
大衆はそれぞれ自己完結しており、自分を疑うということもない。「お考え」をべらべらとコメントし、他人の話は一切聞かない。Twitterのトレンドをのぞけばいくらでもいる人種だが、『こういうひといるよな』と言い、暗に自分はそうではないと思っている人間…
第二部 世界への信頼と希望はいかにして破壊されてきたのか 資本主義 アーレントは資本主義を批判する。 まず資本主義は「制作」プロセスを「労働」プロセスに変えてしまう。すなわち、使用対象物の消費財化が起きる。消費財はたちまち消費される。一方、使…
第一部 第一章 活動的生とは何か――活動的生の世界維持形成機能 人間には三つの根本活動があるとアーレントは言う。それが労働・制作・行為であり、諸活動はすべてこの三つのどれかに属する。そしてこの三つの活動を総称するものとして、『活動的生』という言…