にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

MENU

哲学

にんじんと読む「道徳の哲学者たち」🥕 第一章

そこで私は古代ギリシア人から始める。なぜそのように遠いところに出発点を求めるのか。答えは簡単で、プラトンとアリストテレスの仕事はまだ乗り越えられていないからである。 道徳の哲学者たち―倫理学入門 プラトンとアリストテレス以前 民主的な政治をし…

「生まれてこないほうがよかった」のか?

人口蓄積はたった一人でも過剰である。すべての誕生はほとんどの場合、全体として悪であり道徳的に許されない―――これが「反出生主義」の主張である。ほとんどの場合というのは、その一人の誕生が他の人々の苦痛を軽減する場合であるが、そんなことはほとんど…

アタラクシアと幸福

エピクロスの倫理思想を見ていく。 エピクロスにとって第一の善とは「精神の平静と肉体の無苦」であった。 精神の平静とは、動揺(タラケー)のない状態である。これはアタラクシアとも呼ばれていた。そもそも動揺というものは根拠のない信念によって生じる…

意味の「意味」について

にんじんの目的は「生きている意味」を見つけ出すことである。そのために、意味という言葉の〈意味〉について確認しておくのは当然のなりゆきであると思う。 たとえば「人生の意味はなにか」と問うことにおいて、「人生というのは、人がこの世で生きているあ…

エピクロスの倫理思想

道徳原理には大きく分けて二つの種類がある。またその下位には二つずつ種がある。 (1)経験的原理に立脚する道徳的形而上学=幸福の原理に基づく道徳 1. 自然感情に基づく立場 → エピクロス 2. 道徳感情に基づく立場 (2)理性的原理に立脚する道徳的…

エピクロスの勉強

カール・ヤスパースは紀元前500年から前後300年の間を「枢軸時代Axial Age」と呼んだ。中国では諸子百家、インドでは釈迦、そしてギリシャでは哲学が興り、ソクラテスやプラトン・アリストテレスなどを輩出した時代である。 最初の哲学者タレスは紀元前624年…

エピクロスの思想

規準論のみを下に書いた。 エピクロスの思想の概要:感覚と感情が真理の規準であり、それは裁判における「証言」という意味で規準である。感情とは快・不快であり、人間の選択はこれをもとに行われる。第一の善は「精神の平静と肉体の無苦」である。この第一…

アリストテレスの生涯について

哲学者・アリストテレス アリストテレスは紀元前384年にトラキア地方のスタゲイラスで生まれた。 歴史について調べると必ずといっていいほど知らない地名が出てくる。日本でないからなおさらである。トラキア地方というのは、現在でいうバルカン半島の南東部…

【哲学】「もの」を「見る」「私」について

物自体ー表象ー意識作用 私たちはものを見る。どのようにしてか。 直観的には次のように考えられている。 モノがある。それがフニャフニャと何らかの刺激を送って来る。心に思い浮かぶ。あっ、見えた。つまり「もの」ー「見る」-「私」である。刺激が来ただ…

問いの構造「もの」と「こと」

何事かを問うということがどんな形式的構造をとるのか? ハイデガーによれば、問いとは探求である。探求は探求せられるものによって方向を決められる→すべての問いは「問われているもの」を持っている。たとえば【美】について問うとき、この問いは【美しい…

にんじんと読む「存在と共同(轟孝夫)第一章」🥕 第二節まで

要約というか、にんじんが理解する限り、という内容です。 にんじんと読むシリーズでは一貫して、そうです。 第一章 「存在の問い」の導入 現象学から「存在の問い」へ 現象学においては、意識は器のようなものではない。そこに何かが盛り付けられているので…

ハイデガーの哲学:Zeug(道具)について

ハイデガーがZeug(もの)という言葉を使ったのは、伝統的な哲学の語彙を使いたくなかったからである。現在ではこのZeugは「道具」「用具」「器具」と訳されることが多いが、ドイツ語では日常的なことばで「もの」のことを指す。Spielzeugは遊ぶものであり、…

にんじんと読む「哲学的思考(西研)」🥕

第五章まで。 序章 現代思想の〈真理〉批判をめぐって 第一章 ”学問の基礎づけ”とは何か 〈普遍学〉の構想 ”学問の理念”と基礎づけ 二つの方法 ”学問の基礎づけ”とは何を意味するか 第二章 〈生〉にとって学問とは何か 人間の全生存に意味はあるか 自然科学…

にんじんと読む「現象学入門(コイファー&チェメロ)」🥕(2)フッサール

フッサールの超越論的現象学 『フッサールの見方は、間接的にはカントに、直接的にはブレンターノに基づくものである』(現象学入門: 新しい心の科学と哲学のために)。しかしもちろんフッサール哲学はカント哲学を単に変形させたものではなく、彼の哲学の端…

にんじんと読む「和辻哲郎の解釈学的倫理学(飯嶋裕治)」 第一章

第一章 解釈学的方法と「日本語で哲学する」こと 第一節 倫理学の方法としての解釈学的方法 なぜ和辻倫理学に解釈学的方法が要請されるのか。それはそもそも彼の基本的な姿勢として、考察の仕方の問題が考察対象のあり方と密接な関係にあると考えられている…

にんじんと読む「現象学入門(コイファー&チェメロ)」🥕(1)カントとヴント

第1章 カントとヴント ※ヴントについては省略する。 現象学はカント哲学に対するひとつの応答である。 現象学がカント哲学から受け継いだ考え方の最も重要なものは、『認識論的主観主義』(岩崎武雄『カント』)である。それは認識が対象に従うのではなく、…

にんじんと読む「和辻哲郎の解釈学的倫理学(飯嶋裕治)」 序論

序論 和辻哲郎の倫理学理論の全体像の解明のために 和辻哲郎の『倫理学』は「間柄の倫理学」として知られている。人間は単に孤立した個人として存在しているのではなく、人と人との間の相互関係のなかで存在している。人間を個人性と社会性という二重性格を…

にんじんと読む「カント(岩崎武雄)」🥕

序論 カント哲学の背景と意図 『純粋理性批判』の課題と根本思想 感性と悟性の先天的形式 先験的感性論 先験的分析論 ここまでのまとめ 序論 カント哲学の背景と意図 西洋哲学の大きな流れを「古代」「中世」「近世」「現代」に大きく分けてみよう。中世哲学…

「正しさ」と自由

正しさの検討 「いまわたしの目に映っているものは、本当にそれ自体を捉えたもの」なのでしょうか。哲学者たちはこの問題に取り組んできました。デカルトはこの問題に〈神〉を持ち出し、カントは「そんな問いは人間の認識の限界を超えているんだよ」とある意…

「生きている」という謎について

ツイッターをすること、眠ること、食べること、散歩すること、その他さまざまなことは、生きることなしにはありえません。そのそれぞれが「生きる」という一つの様態であり、また、たとえば老人が「よく生きた」というときはそれらすべてをひっくるめて、一…

「応じ方」としての人間関係の不自由~人間関係についてTHINKする

必要悪なのか? 人間関係について、わたしたちの困惑は相手の「応じる」その仕方にあることは一応納得されることだろうと思います。以前の記事では、「思うままになる」人間関係について考えました。これは言葉通りの意味で応じ方が思う通りになるということ…

人間関係をTHINKする

対人的理想主義者 人間関係とは人と人との間の関係を指します。そのうちには自分がいて、様々な社会集団にいる個別的な人、人々に対してどのような態度をとればよいか悩むとき、わたしたちは人間関係の悩みに直面しているように思えます。 人間関係が人対物…

原理の中の原理~原的な直観(現象学)

原的な直観。疑えるものを疑っていった結果、残る「確信」のこと。 ことばとしては「嘘かもしれない」と言えるけれど、その実、嘘とは思っていないような。人が車の存在を疑っても、その人は車がないと本気では思っていないため、道路に飛び出したりはしませ…

近代哲学の根本問題~デカルト・カント・ヘーゲル・ニーチェ・フッサールまで

近代哲学の根本問題 近代哲学の根本問題。それは「主観と客観の一致」です。 デカルト曰く、疑い得るものをすべて疑った結果、残るものは「我」のみです。彼はそれを「魂」のような実体のあるものと考えました。①目の前にあるパソコンは実在しているのか、②…

Life, Vitalityの違いは?

英単語で「Life」(生命)、「Vitality」(生命力)というものがあります。これらはどのように違うのでしょうか? 『印欧語根を用いた英単語学習辞書』によれば、ふたつの語源は異なっています。 Lifeは、””leip-”(居座ること、くっつくこと;脂肪) Vitali…

現象学の2つの問題について

果たして、目の前にあるあの「ドア」は実在するのでしょうか? デカルトはすべてのものを疑い尽くし、とうとう我へと到着したように、彼はやはりあのドアの存在も認めないことでしょう。疑い得る、なぜならまぼろしかもしれないから。ここに「果たしてそうで…

理由、目的、意味について

わたしたちは「理由」と「目的」と「意味」がそれぞれ異なることに対してどれぐらい敏感でしょうか。にんじんはこれらの違いをあまり深くは考えたことがなかったのですが、『目的にかなうように行為することは、理由にかなうよう行為することである』(『意…

人生と苦しみについて

生命は尊い。なぜか? それなしにはあらゆる幸福がありえないからだ。 しかし生命のあることが、はたして不幸であるより幸福だということになるのだろうか。『意味の探究』(O.ハンフリング) 生命に対する肯定的な評価と同時に、否定的評価も多い。最近では…

存在問題を身近に感じよう!🥕 + 『存在と時間』の理論批判

本日のテーマは「存在」です。 マルティン・ハイデガー (シリーズ 現代思想ガイドブック) 作者: ティモシークラーク,Timothy Clark,高田珠樹 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2006/06/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (8…

にんじんと読む「暇と退屈の倫理学」🥕

本日のテーマは「退屈」です。 嫌い嫌いも好きのうち、といいますがこの正反対の二極を結合せしめるものはなにかを考えてみましょう。結論からいえば、それは〈退屈〉です。 暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator) 作者: 國分功一郎 出版社/メーカー: 太…