にんじんブログ

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2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

にんじんと読む「EVIDENCE AND INQUIRY(Susan Haack)」第四章

4 Foundherentism Articulated Our goal is an explication of epistemic justification which conforms to desiderata which emerged from the arguments of the previous chapters: to allow the relevance of experience to empirical justification(略…

にんじんと読む論文「Virtue Foundherentism」

www.degruyter.com Susan Haackが提唱したFoundherentismを説明し、擁護し、批判する。すなわち、よくある誤解を排除し、Andrew C. Cluneによる「Haackは隠れた検証主義者だ」という批判に対し反論し、Haackが軽視している「徳」の問題について言及しよう。 …

証拠の構造について(基礎づけ主義・整合主義)

証拠の構造 信念Pを証拠R1という理由で正当化しよう。もしR1に正当化が必要ならばR2によって示されるだろうし、R2に正当化が必要ならばR3によって示されるだろう。こうした証拠の連鎖は次の四つのいずれかの構造を持つと思われる。 循環せず、どこかで止まる…

でもなく(日記)

2023.07.18記 この頃、ほぼ意識がないので、いかにも「自然体」という感じで良い。コンビニの店員とは二度と出会わないと知っているし、職場の人々とはそんなに長い付き合いにならないことがわかっているし、ちょっと失敗しても有名人でないのだから延々とネ…

にんじんと読む論文「The Role of Experience in Empirical Justification: Response to Nikolai Ruppert, Riske Schlu¨ ter, and Ansgar Seide(Susan Haack)」

整合的基礎づけ主義という立場は、これまでの認識論におけるよくある立場とは異なるものだ。そうでないという人が持つ誤解はとても幅広い。整合的基礎づけ主義が経験に正当化の役割をみなすとそれだけの理由で「これは基礎づけ主義の一種だ」と結論したもの…

にんじんと読む「ゲーム理論の見方・考え方」 第三章

第三章 対立、協調、交渉 前章において扱った不確実性下での個人の意思決定問題は、不確実性が相手だったが、現実の社会では「他のプレイヤー」が相手である。この違いは、相手の行動によって自分の行動が変わり、またその逆も成り立つという相互依存関係に…

にんじんと読む論文「Problems at the Basis of Susan Haack’s Foundherentism(Nikolai Ruppert, Riske Schlu¨ ter, and Ansgar Seide)」

Susan Haackの基礎づけ整合主義が、当初意図されたとおりに、基礎づけ主義と整合主義の問題点を克服したものであるのか、また、BounjourやPeter Tramelが指摘したように単に弱い意味での基礎づけ主義にすぎないのではないかということを議論する。 基礎づけ…

明日は明日の風が(日記)

2023.07.04記 今日死んでしまうとして悔いのないように生きよう。 ……ということを聞くたびに、「それだと長期的な計画が立てられないだろ」と思う小賢しいにんじんだが、言わんとしていることは痛いほどにわかる。明日仕事があるなぁとか思うと、明日疲れて…

にんじんと読む論文「Haack’s foundherentism is a foundationalism(Peter Tramel 2008)」

この論文ではハークの基礎づけ整合主義が基礎づけ主義であることを主張する。彼女は自らの立場を基礎づけ主義と異なるものであると考えているが、それは弱められた意味での基礎づけ主義と一致する。 まずハークが自らの立場を基礎づけ主義と異なるという根拠…

Foundherentism(基礎づけ整合主義)について

carrot-lanthanum0812.hatenablog.com 認識論において、基礎づけ主義と整合主義は正当化を説明するうえでそれぞれ長所と短所を持つ。Susan Haackはそれぞれを見比べて整理し、次のように考える。 基礎づけ主義は正当化の一方向性を要求するが、整合主義はし…

にんじんと読む「ゲーム理論の見方・考え方」 第一章・第二章

第一章 ゲーム理論の誕生 ゲーム理論は、フォン・ノイマンとモルゲンシュテルンの共同研究の成果『ゲーム理論と経済行動』(1944年)にはじまる、自由で自律的なプレイヤーの合理的な意思決定を研究する数学の分野である。経済というさまざまな欲求のぶつか…

経済学について

経済学とは、さまざまな経済主体が市場で財やサービスやお金を交換し合う経済活動を、ある仮説をもとにモデル化し、説明しようとする学問である(大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる (角川文庫))。あるいは、資源を効率的に配分する学問であるともい…

縄文時代について

宇宙開闢から時代は流れ、遂に哺乳類が生まれ、その一部がホモ・サピエンスへと進化した。彼らは故郷のアフリカを発ち、ユーラシア大陸を満たし、現在の日本列島へ歩を進める。 世界史的には、文字が使用されていない先史時代のうち、多くの道具を石で作った…