にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

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2021-01-01から1年間の記事一覧

にんじんと読む「ACTハンドブック」🥕 第二章まで

機能的文脈主義とはなにか アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)は、認知行動療法の一種である心理療法である。この心理療法は「機能文脈主義」という世界観を前提とする。 世界は要素で構成されているか? 部分的要素が実在し、それによって世…

にんじんと読む「男性権力の神話」🥕 第一章、第二章のみ

第一章 男性の権力というのは本当に神話か? 第一の視点 女性がいかに被害者であるかという言説はたくさんあるのに、男性が男性であることによる被害を主張するのはそれほど認められていないようだ。『なぜ女性のつらさは問題にされるのに、男性の生きづらさ…

にんじんと読む「ACTハンドブック」🥕 第一章

第一章 機能的文脈主義とは何か アクセプタンス&コミットメント・セラピーは「機能文脈主義」という哲学的立場のもとで実践される行動療法である。機能文脈主義は、文脈主義のはじまりであるPepperによれば、世界それ自体についての仮説・世界観のひとつで…

にんじんと読む「フッサール現象学の理路」🥕 第一章のみ

第一章 現象学の理念と方法 根本的に新たな始まりを求めるデカルトの指導理念は、デカルトにおいては主観へと転じられた哲学において達成されなければならない。なぜか。第一に、哲学の全面改革は個人の中に生じるしかないから。もし共同研究をしているにし…

にんじんと読む「はじめてのスピノザ」🥕

コナトゥスと欲望 おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力はその物の現実的本質にほかならない。 はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書) エチカ、第三部定理七 ここでいう「努力」をコナトゥスconatusといい、つまり「自分の存在を維…

【にんじんブログお知らせ】2021.12.18

今日はお知らせです。 2022年より、にんじんブログの更新は「月」「水」「金」がお休みになります。 だんだんと考えがまとまってきまして、乱読というよりは重ための本を精読しなくてはならなくなってきたからです。それから、いまはどうなるかわかりません…

にんじんと読む「自己評価メソッド」🥕

自己評価などを気にするのは道徳的に責められてしまうことのようで、変に気が引けてしまうかもしれない。だが、自己というものを適切に評価できていないことが、逆に自分というものに囚われてしまう、《自分というものを気にかけすぎ》てしまうという結果に…

にんじんと読む「うつのためのマインドフルネス&アクセプタンスワークブック」🥕 第八章まで

第三章 うつとその人生への影響を一覧表にしよう 第四章 うつの罠を知ろう 「本章では、「社会化(社会環境からもたらされる基本教育)」がいかにうつの罠に対する耐性を低めてしまうかをみていきたい」。うつの罠の本質というのは、「これまでに受けた教育…

にんじんと読む「うつのためのマインドフルネス&アクセプタンスワークブック」🥕 第二章まで

イントロダクション 「人が人生に求めるものはだいたい決まっています。健康、愛情ある人間関係、やりがいを感じられる仕事、建設的な気晴らし、精神的な活動、そしてレジャー活動」だがこれを求めることで「楽しいことが次から次へと起こる」わけではない。…

にんじんと読む「木を見る西洋人、森を見る東洋人」🥕

東洋人は環境に、西洋人は対象物に。東洋人は自己というもののありかをさまざまな人間関係や環境のつながりの中に見いだそうとするが、西洋人はそうしたものに囚われないところに自己の姿をさがす。東洋人にとって変化はあたりまえのことであり、西洋人は安…

にんじんと読む「老化と老年病」🥕 第一章のみ

第一章 老化の概念 老化とは、成熟期以降、加齢とともに個体を形成する各臓器の機能あるいは各臓器をネットワークとして統合する機能が低下し、個体の恒常性を維持することが不可能となり、ついには死に至る過程を指す。 加齢とは生後から時間経過とともに個…

にんじんと読む「肉食の哲学(ドミニク・レステル)」🥕

倫理的ベジタリアン 過去のベジタリアンたちと動機 「なんで植物は食べていいんだ?」 倒錯した動物「愛」 政治的ベジタリアンへ 倫理的ベジタリアン この本の主要な「敵」は、倫理的ベジタリアンである。ベジタリアンとは植物だけを食べることを好む者のこ…

にんじんと読む「人間交際術(A・F・V・クニッゲ)」🥕

この本はドイツの著述家であるクニッゲ(1752~1796)が書いた処世哲学の古典的名著で、他にも小説などいろいろな作品があるが、自他ともに認める「粗製乱造」のせいもあってか、現在でも親しまれているのはこの一冊のみである。 第三部まであり、第一部にお…

生き方についてTHINKする

生きる目的はない。やるべきことはなく、つまり、何をしてもよいので別に自殺してもよい。だが、本当に「よい」と思えるはずはない。私たちはいろいろの理由で死にたくないと思っている。その主要な理由は「私たちはホモ・サピエンスという動物種の一人であ…

夏目漱石のこと2

漱石が求めた「個人の自由」は、単なる信念では押し通せない。何が必要かといえば「金」である。が、漱石は「金」が力を持ちすぎる社会にも嫌気がさしていた。漱石の神経を参らせたのは、〈金力の不徳義に対する怒りと、無金力の不如意に対するあせり〉であ…

夏目漱石のこと

夏目漱石ほど魅力的な作家はそういない。 彼が魅力的なのは、文学的な芸というものにとどまらない。どれだけ中身がうまくてもそれで繰り返し読む気にはならない。彼には、何度でも読ませるなにかがある。それを言葉にしようと試みているのが林田茂雄氏の書い…

生命ところどころ

ビッグバンが起きたことはほぼ間違いないと言われているとはいえ、門外漢からすると「へぇ」の域を出ないのもこっちからすると確かなことである。だがともかく何かが原因で始まらねばならぬ、もしこの世界が永遠にこの形であるのでなければ。まぁ永遠にはあ…

悟りとはなにか

人間はひじょうに考えごとをする。考えるのは一見簡単だから、使い方を間違えてしまう。そこから哲学的問題が生じ、あるいは、死の恐怖が生じる。それで宗教をやる、考えなくてラクだから、運命はみんな神様にお任せ。あるいは考えるのをすっかりやめてしま…

にんじんと読む「動物が幸せを感じるとき(テンプル・グランディン)」🥕

動物の幸せ 動物をただ単に生かす方法なら、つまり死なせない方法ならいくらでもあるだろうが、生き残れば幸せだろうと考えるのはどうかしている。このことは人間に当てはめても明らかなことだ。この件に関わって、イギリスの科学者による家畜福祉の諮問委員…

にんじんと読む「スピノザの方法」🥕 第七章

第七章 スピノザの方法 『エチカ』における定義は、発生的定義(=対象の最近原因を含むことでその対象の発生を描き出す)とは異なり、名目上のものとなっている。たとえば『自己原因とは、その本質が存在を含むもの、あるいはその本性が存在するとしか考え…

自分を見失うことについて

お釈迦様の話ではどうも我というものには実体がないそうだし、スピノザやプロティウスによると私たちは「神」「一者」と呼ばれるようなものから生物的必要性などに応じて自ずから分節化され来たったものだそうである。小馬鹿にしたような書き方で始めてしま…

にんじんと読む「スピノザの方法」🥕 第六章

第六章 逆説の解決 〈これまでの復習〉 精神は道を進みながら何ごとかを知り、知ったことが次の知ることを手助けする。何ごとかを知っているかどうかを問う必要はなく、ただその道をいかにして見つけいかにして歩めばいいかを問えばよい。だがこのような方法…

にんじんと読む「スピノザの方法」🥕 第二章

第二章 方法の三つの形象Ⅱ 〈前回の復習〉 何ごとかを知っているということの正しさは、まさにその何ごとかを知っているということだけであって、その正しさをチェックする標識は無用である。真理に到達している人は真理に到達していることを知っている。到…

吾輩はニーチェである2

「なぜ人は自分らしさを求めるのか?」 この問いを吟味するうえでまず確認しなければならないことは、「自分らしさ」とはなんであるのかである。そもそもこの点がわからなければ、人がそれを求めているのかどうかさえわからない。 そもそも自分らしさという…

吾輩はニーチェである

夏目漱石『吾輩は猫である』において、二度、哲学者ニーチェの名前が登場する。 一つは第七章の、猫の銭湯見物の折。猫はふだん服を着ている人間たちが裸体で集合しているのを見て仰天する。人間の歴史は衣服の歴史であり、衣服は人間同士を差別してきた。生…

気持ちが落ち着かないとき3

「気持ちを整理する」という。 部屋の乱れは心の乱れ、と思い、気持ちが落ち着かないときは整理整頓することにしている。この記事『気持ちが落ち着かないとき』では、その整理整頓をテーマに、思いついたことを適当に書き連ねて来た。今回はそろそろ気持ちの…

選択について

エピクロスは精神の平静と肉体の無苦(アタラクシア)が幸福であると考えた。にんじんはこれに付け加えて、あるいは補足して言いたい。そこにあるものを愛でること、音楽をきれいだと思ったり、花をきれいだと思ったり、そういったことも、幸福の主要な要素…

にんじんと読む「スピノザの方法」🥕 第一章

第一章 方法の三つの形象Ⅰ ものを考えるにあたりわれわれは暗闇のなかをひとり手探りで進まなければならないのか。それともその暗闇のなかには道案内がいるのか。また道案内は可能か。 スピノザの方法 この問いに関わって、スピノザが「方法」について論じて…

(メモ)龍樹、空、言語批判

釈迦が「我っていうのは五蘊から成るんだよ」と言ったので、五蘊について熱心に研究し始めたのが、小乗仏教といわれる人たちだった。あんまり専門的になりすぎ、学問的になりすぎてしまい、やがて大乗仏教といわれる人たちに批判を食らう。それが『般若心経…

(メモ)輪廻思想の三型

インダス文明の栄えたのち、アーリア人たちが進出してきた。そこでできたのが『リグ・ヴェーダ』などの「聖典」である。ここに生じた階層制度に現代のカースト制の起源を見ることができるそうだが、仏教の基礎にある「輪廻転生」の考え方もアーリア人との混…