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下限幻想 #9

 原稿用紙一枚で書く日記。#9

 

 昔は真賀田四季に憧れた。すべてがFになるに登場する、天才博士である。すべてを見通すような発言は本当にかっこよかった。達観した意見は常識はずれだった。ところが時を経るにつれ、そんな人間は実在しないことを理解した。みんなそうだろう。

 ところが下限については存在が広く認められている。要するに、能力というものを一切感じないような存在である。時にはそれを自分自身に当てはめて、生きる価値ないわなぁと言う人もいる。価値なんて主観的だからそういうなら構わないのだが、普通は一定のプライドがあるので「但し、あいつよりはマシだけど」を言う可能性を残しておこうとするものだ。話を聞いてみるとまだけっこうその人の下に人がいたりする。「自分より上だ」と思っていて、かつ面識がある人はきわめてまれだ。いつのまにか世界のうちで五本の指ぐらいには入っている。悲観的なはずが、たいへん楽天的である。