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にんじんと読む「自尊心の構造(森口兼二)」🥕 ごく一部のみ

 

 

  •  ヒトはほかの動物と違って、独立して生きる能力が低いままで母体から出てきて、依存期間が非常に長い。たとえばチンパンジーの子どもは十か月で依存を脱する。ところが人間の赤ちゃんはいつでも保護者のやっかいになるし、保護者の目を振り向かせる努力をしたり、差し迫っていることなどをアピールしてはじめて欲望が満たされる。そうした事情から、子どもは保護者の目を自らのうちに内面化して、それをもとに自分の欲望を訴えるようになる。そうして依存は一生続く。

だから、基本的には他の人の評価に依存しなければ私たちは生きていけない。つまり自分を規制するために、他者の自分に対する賞罰や、自分に対する評価反応というものを内面に取り入れて、自分の行動を律していくということである。

自尊心の構造

  •   私たちが身を寄せるはじめの「他者」は最も近しい保護者であり、家族とか、そういう人たちだが、やがて幼稚園の友達とか、先生とか、遂にはそうした特定の誰かとしてではなく、より広く「一般化された他者」になっていく。それはたとえば習慣や社会通念である。仲間内での””頼れるやつ””と、一般化された範囲における””頼れるやつ””は随分違っているだろう。わたしたちが持っているいわゆる常識というものは自分が所属する集団のもつ基準であり、たいていそれで自分を判断することになるだろう。
  •  自分を照らす基準には二つの発達がある。まず第一に、より普遍的なものを目指す方向。第二に、その内面化をより深くし安定化させていく方向。技能的方向ともいえるかもしれない。