第三章 批評家を武装解除する
批評家をなんとかするためにはまずはそいつを発見しなければならない(第二章)。発見したら次は、その目的を明らかにすることだ。なぜそんな訳の分からぬことをささやいてくるのか? 実はこの目的こそが、批評家の「秘密」である。というのも、なぜそんなことを呟くのかを知ってしまえば、彼の批評の影響は激減するからだ。
- 目的を明らかにすると、批評家のことばは一気に信憑性を失う。こうさせたいんだなという意図がわかってしまえば、無理やりに理屈をこしらえていることが一気に明らかになる。こうなれば、批評家に従えばどんな未来が待っているかは明らかだ。いったいその批評家のために、今後どれだけの代償を支払わなければならないのかを思えば、とうてい言うことなど聞いてはいられない。「お前のおかげでひどい目にあった」と言い返すのだ。
- 二つ目は、批評家の目的を明らかにするとともにより明瞭になる、あなた自身の目的である。そこで目指されているものはある種の「価値」であり、その価値を得たいのに、いままでは批評家に邪魔されてきた。批評家を叩きのめすためには、その価値をもつ自分を肯定しなければならない。
第四章 正確な自己評価 ~ 第八章 「~すべき思考」
略
第九章 自分の価値に沿って行動する
あなたのなかにいる色々な批評家たちは、まともに自覚すれば非合理的な「~すべき思考」を持ちその実現のためにおかしなことをわめきたてている。私たちはひとつひとつそれを発見し、名前をつけ、またこいつが出たとため息をつかなければならない。もし批評家の言う通りに行動すれば、自尊心を下げてしまう。もっとわかりやすくいうと、みじめな気持ちになる。
私たちの有する「価値」と、批評家の有する「べき思考」には違いがある。
後者は頑ななルールであり、親や同世代の仲間から手渡された検証されていない信念であり、非現実的な命令である。一方で、前者は柔軟性に富む手引きであり、自分自身によって選ばれ、人生の方向を与える。ここで「価値」のいくつかの領域をリストアップしてみよう。もしかすると、あなたには必要が無かったり、付け加えたくなったりするものもあるかもしれない。
- 親密な関係
- 親であること
- 教育と学習、つまり学ぶこと
- 友達と社交
- 健康
- 家族
- スピリチュアリティ
- 地域生活
- 余暇
- 仕事と経歴
どんなことを望むのか、考えてみよう。何が障壁になっているだろうか。それを潰すためには何をすればいいだろうか。次にあなたがすることはなにか?