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にんじんと読む「性格とは何か」🥕

 だれかの性格をおおざっぱに「やさしい」とか表現するのを類型論という。しかしこれはあまりにも粗すぎるので「〇〇」は何点、「✖✖」は何点、……といったように細かく得点を分けて書くのを特性論という。特性論のほうが正確といえば正確だが、一点違うだけで実際上の変化が見られないのにいちいち表現するのもわずらわしいことなので、類型論が一概に悪いとは言えない。ドラクエで戦士は力が強いと一言で説明するようなものである。

 特性論の問題は「ステータス値」とも言うべき項目がどれぐらいあるのかである。これを調べるのに、心理学では辞書を使う。なぜなら人のことを説明するのに「~な人だ」と言わなければならないからだ。アメリカの心理学者が人間を形容できることばとして18000語を選び出し、そのうち性格を表すものを約4500語抜き出した。英語における性格特性の最大の数であるとされる。しかしどう考えても多すぎる。そこでほとんど同じ意味の単語はまとめたりすることにした。たとえば「明るい」人物はたいてい「活発」とも言われる。この二つの語は””相関””が強いのである。こういう風に相関が強いことばをどんどんまとめていく。大体そういう感じで進めていくと、4500語が遂に5語にまとまった。これを「ビッグ・ファイブ」という。その後英語だけでなく色々な言語で試されたが、だいたいこの五つにまとまるのである。

  1.  外向性Extraversion 活発さや明るさ、ポジティブな感情の強さ、ひとりよりも皆と一緒にいたい気持ちを反映する。ただし、外向性の高い人がコミュ強なわけではない。高いほうがよさそうな気がするが、高かったら刺激を求めて周りを危険にさらしかねない。
  2.  神経症傾向Neuroticism 特にネガティブな感情の揺れ動きの大きさを反映する。落ち込みや不安、怒りといったあまり望ましくない感情を抱きやすい傾向を表す。低いほうがいいような気がするが、ネガティブな気持ちをあまり持たないのは危険予期がうまくいかない。
  3.  開放性Openness 関心の広さや興味の強さ、空想をめぐらす傾向を反映する。さまざまな活動や現象を受け入れる傾向。対人関係上オープンなわけではない。高いほうがいいような気がするが、他の人々に理解されない自分だけの突飛な世界に生きることになりかねない。
  4.  協調性Agreeableness やさしさや人を許す寛大さ、思いやりや面倒見の良さを反映する。高いほうがいい気がするが、高いと頼まれごとを断れなかったりする。
  5.  勤勉性Conscientiousness まじめで計画的、熱心に活動に取り組む傾向を反映する。高いほうがいい気がするが、極端だと融通がきかない、完全主義者になる。

 ちなみにビッグ・ファイブ以外にもヘキサコモデルというのがあって、ここに「正直さ、謙虚さ」が加わる。あるいはダークトライアドといって「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」という望ましくない性格特性がならぶものがある。

 その他、心理学で特に研究されている性格特性として「自尊感情」「幸福感」「レジリエンス」「マインドフルネス」がある。これらは性格と呼ぶと妙な感じがするが、心理学的な個人差なので広く性格特性として捉えている。

 こうした性格を把握するために、心理学ではアンケートを用いる。やるたびに結果が変わるのでは話にならないし、計りたい傾向を計れているのか、つまり信頼性と妥当性は問題であり、日々、研究されている。