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親族について

親族

 人は通常、赤の他人とは違った一群の人たちに囲まれて生活している。そこで法的にもこれらの人々との間に特別の効果を与えることが要請される。ただ各人の状況は異なるため、法定できるのはせいぜい標準を立てることである。その標準とは、『親族』であり、正確には、六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族である。

 親族の定義によれば、ひいじいさんの父親の兄弟は親族であるし、ひいじいさんの兄弟の子どもも親族である。また、じいさんの兄弟の子と孫も親族になる。

親族】六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族

  •  血族:血のつながりのある者(自然血族)、養子縁組を通して深い関係にある者(法定血族)
  •  姻族:婚姻を通じてつながりのある者

※ 親等はその間の世代数のこと。たとえば自分と親は一親等で、自分と祖父は二親等と数える。ただし、自分と兄弟姉妹が二親等であるのは、一度、共通の祖先に戻って数えるからである。

※ 血族が直系であるとは、どちらか一方が他方の子孫であることである。

※ 血族が傍系であるとは、二人が共同の祖先の子孫であることである。

※ 自分より上の世代に位置する者を尊属、下の世代に位置する者を卑属という。兄弟姉妹やいとこは尊属でも卑属でもない。

親族関係の発生

 自然血族の関係は、出生によって発生する。人の権利能力は出生にはじまるからである(民法3条1項。ただし、胎児も一定の権利を持つ)。想定されている通常のケースでは、夫婦関係にある男女から生まれた子は両親と親族関係を持つ。

  •  しかしまさに子を出産する母とは違い、その子が本当に父と血のつながりがあるかは明白ではない。夫婦関係にある妻から出生した場合はそれが夫の子であることは「推定」されるが、訴えによって夫の子でないと判明する場合がありうる。夫婦関係でない男女から生まれた子(非嫡出子)の場合は、その子は母親との親族関係は生ずるが、父親とは当然には関係は生じない。「認知」が必要なのである。認知されれば、出生に遡って関係が生じる。

 法定血族の場合は、養子縁組の成立とともに関係が生じる。養子と養親の間には親族関係があるが、養親の血族との間では三親等内でも婚姻できたり、養子の実方の親族から縁組の取り消し請求ができるなど、実方親族とは区別されている。

 婚姻によって配偶関係に入り、同時に相手方の血族と姻族関係に入る。

親族関係の効果

  •  直接的に積極的な効果が認められる場合
  1.  互助の義務 ← 直系血族および同居の家族
  2.  扶養義務 ← 直系血族と兄弟姉妹(例外として三親等内の親族)および配偶者
  3.  相続権 ← 直系血族と兄弟姉妹および配偶者
  •  間接的に相手方の身分権に関与する場合
  1.  後見・保佐・補助開始の審判・あるいはその取り消し請求 ← 四親等内の親族
  2.  婚姻・縁組の取り消し請求権 ← 親族一般
  3.  親権の喪失、親権の停止、管理権の喪失・あるいはそれら取り消し請求 ← 親族一般
  4.  夫の死亡後嫡出子否認の訴えを起こす権限 ← 3親等内の血族
  5.  未成年後見人、成年後見人、未成年後見監督人、成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人の選任・解任の請求権 ← 親族一般
  •  消極的な制約
  1.  近親婚の禁止 ← 直系の親族(および親族であった者)、三親等内の傍系血族
  2.  尊属養子の禁止
  3.  後見人および遺言の証人・立会人としての欠格 ← 配偶者と直系血族
  4.  後見監督人、保佐監督人、補助監督人としての欠格 ← 配偶者と直系血族

 そのほか、親族法以外の効果も認められる。