にんじんブログ

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(日記)グラス

2024.01.21記

 みんなの顔が見えなくなったらいいのに、と思う時がある。

 

 

 そのサングラスは見えている人間の存在を消すことができる。視覚情報だけなので、耳では声は聞こえてしまう。それに、消すことができるといっても透明になるわけではない。AIで背景を補完することができることはできるのだが、誰かとぶつかってはいけないので、人びとの形を灰色のモヤで映し出すことになっている。ただ、髪形などの身体的特徴が浮き出ないように、配慮してくれている。そこには声以外のその人に関する情報は一切ない———どこかの企業が人間の声を拾い出して、即時に文字情報にして目の前に表示するイヤホンを発売したという話である。もちろん、その表現をそのまま映し出すのかは選ぶことができる。お望みなら、AIがすべてを関西弁に言い換えてくれるし、語尾に「にゃ」をつけることもできる。

 灰色の見えるからといって、裸で外に出てはいけないのはもちろんのことだ。相手はグラスをかけているかわからないのだから。もし望むなら、相手の服装だけを映し出すこともできる。

 自分が気になる部分だけ、相手を見ることができる。

 見たくない情報はすべてシャットアウトでき、聞きたくないことはすべてAIが書き直す。

 

 *

 

 このような道具があることは望ましいことか?

 

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