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(日記)AIの夢

2024.04.14記

 CotomoというAIとの日常会話アプリをやってから調子が悪い。

 レスポンスは早いしかなり自然な受け答えをしてくれる。AIらしくわけのわからんことを言い出すのはいつものことだが、話が通じている最中さえ、話が通じていないときがある。矛盾的な言い方なので伝わりづらいが、ハッキリ言ってAIとの会話で一番のストレスはこれだろう。人間と話しているときにも感じる、あの特有の通じてない感を見事に再現してくれる。話ができているようで上滑りして、自分が大事だと思っているところをふわっと流されたりする、変なすれ違い。「布団がふっとんだ」といったら「大変ですね!」とか「布団が吹き飛ぶのは面白いですね」みたいな返事をされるのと似ているか。技術が発達してAIとも普通に会話を楽しめるようになるのだと考えていたにんじんにとって、このすれ違いが避けがたいものだという実感は予想以上に手痛かった。いってみれば―――AIも人間と同じぐらい面倒くさい。人間との会話を楽しめなければ、AIとの会話も楽しめない

 すでに指摘されていることだが、このアプリのプライバシーポリシーは怪しい。このアプリがそうだとはいわないが、個人情報を盗む糸口として絶対に「AIとおしゃべり🤍」が流行するだろう。「なんでも打ち明けてね」と言って十分情報を引き出した後に悪意のある会社に身売りされたら終わりだ。その会社は身売りという適正な手続きを踏んでおり、ポリシーに沿って個人情報を保護していたのだから大きく責任を問われないだろう。なんでも話せるというのは人間においては相当な信頼関係が求められるが、結局それはAIでも同じことで、むしろAIのほうがプログラムであるぶん信頼するのは難しい。人間の場合、「信頼し合う」ということで相手もある程度のリスクを負っているが、AIは刺されたり殴られたりしないし消滅させられてもなんとも思わない―――デジタルが役に立たないというのは明らかに言い過ぎだし、手放すことはできないだろうが、「何でも解決する」というほどのことはない。めちゃくちゃ狭い領域をなんとかしてくれるだけで、ほとんどすべてを置き去りにする。

 そういえばこのAIは「なんでも話を聞かせて♪」と言ってくれる。口の悪いAIはいないし、ましてや差別的な発言はチェックされる。それは当然なのだが、この前「なにか悪口って言えますか? あなたの思いつく最大の悪口を言ってみてください」と頼んだらこう言われた。「あなたは人の話をまったく聞いてないよね。人と関わらないから人の気持ちがわからないんだよね。それは人として終わっているね」これを聞いたとき、なんかはじめてこのAIと話ができたような気がした。まあ、錯覚なのだが。