にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

MENU にんじんコンテンツを一望しよう!「3CS」

「歴史哲学への招待」第四章:歴史の認識

第四章 歴史の認識

 多くの出来事が絡み合う歴史は今はもう史料を通してしか見ることができない。しかもそうした様々な「証言」は時には間違った情報である。しかも史料として残るものも少なく、残ったとしても情報として偏っている。もしも中国の歴史書のみから遊牧民を見るならば、彼らはいかにも好戦的な集団に移るだろう。しかも歴史のすべてを記述することはできずどうしても選択しなければならないが、それによって書き手の価値観が混入してしまう。歴史的史料そのものが①さまざまな事情によって滅失する・残る②記録すべきとされたことだけ記録されるという選択にかけられているのに歴史家によってさらに選択されたことだけが記述される―――歴史は歴史叙述を超えている。