コミュニケーションは「相手尊重する/しない」「自分尊重する/しない」という2軸で考えることができる。これによって生じる型は4つある。
- 攻撃型 相手を責めたり相手を傷つけてしまう。「なんでわかんないの?」「いい加減にしろ!」(自分尊重)
- 受身型 我慢する。なにか思っても主張しない。「相手に悪いし」「言うと失礼だし」「冷たい奴だと思われる」(相手尊重)
- 操作型 相手にそれとなくわかってもらおうとする。主張を直接は言わない。「無視する」「噂を流す」「嫌味を言う」(自分も相手も尊重しない)
- アサーティブ 問題だと感じている状況について、それを言葉にして伝え、問題解決のために相手と向き合おうとする。(自分と相手を尊重)
アサーティブは自分が感じていることに誠実であり、率直に表現し、それでいて相手を尊重し対等であろうとし、自分の決めた行動に責任を持つ。私たちは自分に誠実であったり率直でいてよいのだが、自分からそれをふさいでしまう。たとえば介護されている人が負い目を感じやってほしいことを言い出せないケースがある。
私たちはこのようにあるために、まず自分が何を求め感じているかを反省しなければならず、その表現の仕方を学ばなければならない。伝えることについて着目すれば、
- 事実 これまでどんなことがあったのか? 現在どんな状況か? 何が問題なのか?
- 感情 どのように感じて来たのか。どう感じているのか。
- 提案 どうすればいいと思うか。どう変わってほしいか。
を整理することが肝要である。逆に相手からなにか批判を受けた際には、
- 当たっているか? もしそうなら「このままでいいか」「なんとかするか」
- 当たっていない? もしそうなら「否定するか」「流すか」
- わからない? もしそうなら「どうわからないのか」「考えるにはつらすぎるか」
というように整理する。たとえば「いつもミスするよね」と言われた場合は、まずそれを受け止めて「たしかにそういう面はあると感じる」のか「いつもというほどではない」のかを検討する。たとえば「背が高すぎるよね」と言われた場合は、当たっているとしても自分にはどうしようもない。たとえば「冷たいよね」と言われた場合、それがどういう意味なのかいまいちはっきりしない。あるいは批判を受け止め切れずただちに情緒的反応を示してしまうものは、対処は最小限にしてとにかく流すことが大事な場合もある。どんな場合もいつでもアサーティブにはいられない。
問題はその中身であり、ぶつけられている感情とは切り分けなければならない。場合によってはその場を一旦去って考える時間をもらうのも必要なときがある。そしてその行動を選んだのなら、責任を負う。「根に持つ」などということがないような決断をしたほうがよい。