にんじんブログ

にんじんの生活・勉強の記録です。

MENU にんじんコンテンツを一望しよう!「3CS」

労働基準法まとめ【社会保険労務士】平成28年度

第一章 総則

労働基準法第1条は、労働保護法たる労働基準法の基本理念を宣明したものであって、本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならない。>⇒〇

 

 正しい。

 第一条:1 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
 2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

 

労働基準法第2条第1項により、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」ため、労働組合が組織されている事業場では、労働条件は必ず団体交渉によって決定しなければならない。>⇒✖

 

 そんなことはない。

 

労働基準法第3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、労働条件について差別することを禁じているが、これは雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないとするのが、最高裁判所判例である。>⇒〇

 

 正しい。雇い入れのときにヤバイ信条を持ったとみなされた奴はハネていいことになっている。ちなみにこの裁判の場合、問題となった学生は学生運動に参加していた。

 

労働基準法第6条は、法律によって許されている場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならないとしているが、その規制対象は、私人たる個人又は団体に限られ、公務員は規制対象とならない。>⇒✖

 

 そんな除外規定はない。


第二章 労働契約

<使用者は、労働者が高度の専門的知識等を有していても、当該労働者が高度の専門的知識等を必要とする業務に就いていない場合は、契約期間を5年とする労働契約を締結してはならない。>⇒〇

 

 正しい。

 

<労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と相違しているため、労働者が労働契約を解除した場合、当該解除により労働契約の効力は遡及的に消滅し、契約が締結されなかったのと同一の法律効果が生じる。>⇒✖

 

 なかったことにはならない。

 

<使用者は、労働者の身元保証人に対して、当該労働者の労働契約の不履行について違約金又は損害賠償額を予定する保証契約を締結することができる。>⇒✖

 

 金額は予定できない。

 

<労働者が、実質的にみて使用者の強制はなく、真意から相殺の意思表示をした場合でも、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。>⇒✖

 

 労働者からの希望なら相殺はOK

 

労働基準法第18条第5項は、「使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、4週間以内に、これを返還しなければならない」と定めている。>⇒✖

 

 遅滞なく返却。ちなみにこの問題では労働者からの請求だが、退職したやつからの請求の場合は7日以内に返却すればいいことになっている。

 

労働協約就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確にされていても、労働者の吉凶禍福に対する使用者からの恩恵的な見舞金は、労働基準法第11条にいう「賃金」にはあたらない。>⇒✖

 

 労働基準法上は賃金になる


第三章 賃金

<使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について当該労働者が指定する銀行口座への振込みによることができるが、「指定」とは、労働者が賃金の振込み対象として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定するとの意味であって、この指定が行われれば同意が特段の事情のない限り得られているものと解されている。>⇒〇

 

 正しい。バイトとかするときに払い込み先の口座を書かされるのがよくあるが、あれは「指定」になっている。

 

<労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合でも、使用者は当該賃金債権の譲受人に対してではなく、直接労働者に対し賃金を支払わなければならないとするのが、最高裁判所判例である。>⇒〇

 

 正しい。債権の場合はカネはまず労働者へ。

 

<使用者は、労働者が出産、疾病、災害等非常の場合の費用に充てるために請求する場合には、いまだ労務の提供のない期間も含めて支払期日前に賃金を支払わなければならない。>⇒✖

 

 違う。急にカネが必要になった場合に「とりあえず今までの分出して」というのがこの取り決めです。

 

労働基準法第27条に定める出来高払制の保障給は、労働時間に応じた一定額のものでなければならず、労働者の実労働時間の長短と関係なく1か月について一定額を保障するものは、本条の保障給ではない。>⇒〇

 

 保障給は労働時間に応じて決める。


第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇

労働基準法32条の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる」とするのが、最高裁判所判例である。>⇒〇

 

 正しい。たとえばトラックで移動中、助手席で寝てても拘束されているので労働時間にあたる。

 

労働基準法32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制は、始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定に委ねることを要件としており、始業時刻又は終業時刻の一方についてのみ労働者の決定に委ねるものは本条に含まれない。>⇒〇

 

 正しい。フレックスタイム制とはそういうもの。

 

労働基準法32条の4に定めるいわゆる一年単位の変形労働時間制の対象期間は、1か月を超え1年以内であれば、3か月や6か月でもよい。>⇒〇

 

 正しい。1か月を超え1年以内ならなんでもいい。

 

労働基準法32条の5に定めるいわゆる一週間単位の非定型的変形労働時間制は、小売業、旅館、料理店若しくは飲食店の事業の事業場、又は、常時使用する労働者の数が30人未満の事業場、のいずれか1つに該当する事業場であれば採用することができる。>⇒✖

 

 「又は」ではなく「かつ」

 

 <労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働者が自由に利用することが認められているが、休憩時間中に企業施設内でビラ配布を行うことについて、就業規則で施設の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定めることは、使用者の企業施設管理権の行使として認められる範囲内の合理的な制約であるとするのが、最高裁判所判例である。>⇒〇

 

 正しい。休憩中だからといって施設内で好き勝手されては困る。

 

1か月における時間外労働の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げる事務処理方法は、労働基準法第24条及び第37条違反としては取り扱わないこととされている。>⇒〇

 

 正しい。一か月は30分切り上げ。一時間は50銭切り上げ。ならOK

 

労働基準法第37条に定める時間外、休日及び深夜の割増賃金を計算するについて、労働基準法施行規則第19条に定める割増賃金の基礎となる賃金の定めに従えば、通常の労働時間1時間当たりの賃金額を求める計算式はなにか。
 なお、当該労働者の労働条件は次のとおりとする。
  賃金:基本給のみ 月額300,000円
  年間所定労働日数:240日
  計算の対象となる月の所定労働日数:21日
  計算の対象となる月の暦日数:30日
  所定労働時間:午前9時から午後5時まで
  休憩時間:正午から1時間>

 

 本当はいくつかの計算式の中から選ぶのだが、条件だけで計算できるようにしておこう。答えは300000÷(240÷12×7)である。

  •  年間の労働日が240日なので一か月で240÷12=20日働くことになります。所定労働時間と休憩時間を見ると一日7時間労働なので、一か月で20×7=140時間働くことになります。ということは、時給は300,000÷140で出ることになります。

 月給は時間ごとに表示されていないので上のように時給へ直す。

 

休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務が免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は年次有給休暇請求権の行使ができないと解されている。>⇒〇

 

 正しい。休職中で休みなのに有給など取れない。そもそも労働義務のない日に有給などとれない。

 

年次有給休暇を取得した日は、出勤率の計算においては、出勤したものとして取り扱う。>⇒〇

 

 正しい。それが有給やで。

 

<全労働日と出勤率を計算するに当たり、法定休日を上回る所定の休日に労働させた場合におけるその日は、全労働日に含まれる。>⇒✖

 

 驚きだが、含まれない。出勤率の計算は所定休日を除いてしまうので、休日に働かされても反映されない。

 

所定労働時間が年の途中で1日8時間から4時間に変更になった。この時、変更前に年次有給休暇の残余が10日と5時間の労働者であった場合、当該労働者が変更後に取得できる年次有給休暇について、日数の10日は変更にならないが、時間数の方は5時間から3時間に変更される。>⇒〇

 

 これも少々驚きだが、正しい。

 年の途中で労働時間が減少した場合の話である。手持ちの有給が10日5時間だったとすると、労働時間が半分になることによって有給も変化する。「日」は変わらないが、「時間」が変わってしまう。今回は労働時間が半分になったため、有給も2.5時間になる。ただし、切り上げるため、有給は10日と3時間である。

 

<育児介護休業法に基づく育児休業申出後には、育児休業期間中の日について年次有給休暇を請求する余地はないが、育児休業申出前に育児休業期間中の日について時季指定や労使協定に基づく計画付与が行われた場合には、当該日には年次有給休暇を取得したものと解され、当該日に係る賃金支払日については、使用者に所要の賃金支払いの義務が生じるものとされている。>⇒〇

 

 育児休業を申し出る前に、その日に計画付与が行われたら有給として消化される。


第五章 安全及び衛生
第六章 年少者
第六章の二 妊産婦等
第七章 技能者の養成
第八章 災害補償


第九章 就業規則

労働基準法第89条所定の事項を個々の労働契約書に網羅して記載すれば、使用者は、別途に就業規則を作成していなくても、本条に規定する就業規則の作成義務を果たしたものとなる。>⇒✖

 

 ならない。作成義務があれば作成しなければ義務を果たしたことにならない。

 

労働基準法第41条第3号に定める「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」については、労働基準法の労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されないから、就業規則に始業及び終業の時刻を定める必要はない。>⇒〇

 

 ある。書けと言われていることは書かないといけない。

 

<退職手当制度を設ける場合には、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法、退職手当の支払の時期に関する事項について就業規則に規定しておかなければならないが、退職手当について不支給事由又は減額事由を設ける場合に、これらを就業規則に記載しておく必要はない。>⇒✖

 

 決めたことは書いておかないといけない。

 

服務規律違反に対する制裁として一定期間出勤を停止する場合、当該出勤停止期間中の賃金を支給しないことは、減給制限に関する労働基準法第91条違反となる。>⇒✖

 

 出勤停止の結果賃金がゼロになるのは当たり前なので、「減給」とは関係がない。

 

<行政官庁が、法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命じても、それだけで就業規則が変更されたこととはならず、使用者によって所要の変更手続がとられてはじめて就業規則が変更されたこととなる。>⇒〇

 

 正しい。そりゃあまあそうだ。


第十章
寄宿舎
第十一章
監督機関
第十二章
雑則
第十三章
罰則

 

 

逐条解説 労働基準法

逐条解説 労働基準法

  • 作者:角森 洋子
  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: 単行本
 

 

にんじんと読む「心がつながるのが怖い(イルセ・サン)」🥕

 他者と愛情に満ちた親密な関係を築けないのは何故か?

 その答えのひとつとして、『私たちが自分自身をあざむき、自分を守ろうとする戦略をとり、愛に自らストップをかけてしまっている』ことが挙げられます。そのような戦略は、防衛機制フロイト)だったり、コーピング(認知療法)だったり、様々な名前があります。ここでは『他者や自身の内面と距離を置いたりする措置』のことを、自己防衛の戦略と呼ぶことにしましょう。

 

第一章 自己防衛の戦略とはどのようなものか

 自己防衛の戦略のほとんどは人生の早い段階でとられるようになります。そのときは困難を避けるためにやったことなのですが、大人になってからそれを無意識にやってしまい、問題が出るケースが多いのです。特に人間関係の問題です。

 具体例を挙げましょう。アンナという女の子は両親の気を惹き、見てほしいと思ったのですが、いつもそっけなくされてしまいます。しかし彼女は「何を読んでるの?」と親に注目すると、親が嬉しそうな顔をすることに気づきました。それから彼女は他者へと注目する能力を伸ばしていくのですが、実際のところ、アンナは自分を見てほしいのです。しかし親からのネガティブな反応を見て来たので、そんなことは言えません。

 

 自己防衛には内的と対人の二種あります。嫌な感情から自分を守るのが内的、距離をつめてくる他者から身を守るのが対人です。嫌なことを忘れること、意識から遠ざけようとすることは内的自己防衛です。また、一時のテンションに身を任せて他人にべらべら内心を話してしまわないようにするのは対人自己防衛の一例でしょう。他者から距離をとるのは一見冷たいようですが重要な自己防衛で、相手との距離を選ぶのは大切なことです。

 内的自己防衛が強いと外部に対して防衛する必要はありません。たいてい耐えられるからです。それが弱い場合、それを補うのが対人です。自身を守るためにはどちらも大切です。

 

 でも、自分を守りすぎると、無意識のうちにそれをやっていると、人間関係に問題が起きます。人に近づけなくなるのです。

 

第二章 自己防衛戦略を無意識にとるとき、問題が起こる/第三章 喪失の悲しみを恐れて愛に満ちた関係を避ける人たち/第四章 愛情に満ちた人生への扉を閉ざしてしまう不幸なパターン

 

 基本的には章のタイトルがすべてです。

 忘れようとしているときには、親身な人は逆に近づきがたい人になるでしょう。そういうときに冷淡な人を選択することになりますが、この選択が無意識なものになると、将来のパートナーも冷淡な人を選びかねません。

 自己防衛の戦略が人格の一部になっている場合、つまりごく自然にそれを選んでしまうような場合、人は迷走します。悲しみを避けるために人間関係自体を避けてしまったりします。あるいは①とんでもない理想を掲げて届かない相手を求め続ける、②心を閉ざした相手をパートナーに選ぶ。要はこの人には自分がいないと駄目パターン。

 

第五章 親を理想化することの危険

 親との関係をポジティブに語れば語るほど、実際の幼少期がつらいものだとわかります。現実には完璧な子ども時代などありません。自分は特別よい子ども時代を送って来たと主張する人は、「両親は常に私に強い関心を示してくれました」と言います。

 関心とは二種類あります。(1)相手がうまくいっているかという関心、けっこう打算的(2)内面への関心。相手をできるだけ理解しようとし、相手の独自の性格を発見しようとし、相手の立場になる。たとえば世間体ばかり気にして子どもに向かう親は一番目の関心を持つでしょう。

 いろいろ複合されているのが普通で、完璧な両親などそもそも存在しないのですが、それなのに親を理想として語っているのは少々問題があります。理想化された親のイメージは自己像に影響するからです。①親とともに、自分も理想化する。②親を理想化し、自分を蔑む。両方のあいだをふらふらすることもあります。ある時期には自分を完璧だと信じ、別の時期には自分のことを無価値なカスだと思います。

 両親が自分を扱ったように人を扱います。親からいつも批判されていた人は人を批判しますし、そして、その批判に従ってくれるような人と一緒にいることを選びます。というのも、そういう関係性こそが自然で落ち着くからです。

 

 だからこそ、両親がどんな人たちであるか、あったかを、より詳しく正確に理解する試みは重要ですし、一生の試みでさえあります。人間関係の改善のためには自分がどのような戦略をとっているか自覚することから始まりますが、場合によっては、より深く、自分がなぜそのような行動をとってしまうのか調べる必要があります。それが親です

 

第六章 感情を完全に意識する

 感情を完全に意識するとは、「体の反応」「衝動」「認識」の三つの面で意識することです。たとえば恐怖することは、体が震えることであり、逃げ出したくなることであり、恐怖していると認識することです。必ずしもそうとはいえませんが、この三つのどれかが感じられない場合は、自己防衛によって抑圧している可能性があります。

 喜びも、怒りも、不安も、願望も。

 

※つまるところ、本当にそう感じているんだろうかという話だろうと思います。「~したい」と言いながら特になんの行動も移さない、衝動がない、というのは「したさ」を感じていないということの証拠かもしれません。

 

第七章 不適切な自己防衛の戦略を取り除く

 自己防衛の戦略に気づくことができれば、ある程度それは効力を失います。

 また、両親との関係に戻って、その戦略を考えることは有益です。

 

第八章 本来の自分に戻る

 ありのままの自分でいると、他者と出会うことができます。

 自己防衛の戦略に気づき、ありのままの自分でいること。愛されているとはその自分が受け入れられていることであり、愛するとは受け入れることです。また人生の状況は刻一刻と変化し、別れもあります。それによって新しい出会いが訪れることもあります。

 

 不必要な自己防衛をやめること。

 そのためにまず自己防衛の戦略に気づくこと。

 

にんじんの考察

 基本的な骨子は理解できる。理解できない点も多々ある。

 人間の世界に対する了解を形作る点で、親が重要なのは納得できる。彼らは生きていくために欠かせないし、彼らの意向は生死にかかわる。そしてそれをコアにして、徐々に自分を固めていくのだろう。そこで人間関係の対処が学ばれるなら、親が自分を扱うように人を扱うのは筋が通っている。他者を親と「同一視」しているのではなく、「親を基準にして」人を見ているといえる。

 注意しなければならないのは、親がすべての原因ではない、ということだと思われる。第一に、単純に説明すれば、親の影響下がA地区、親とかけ離れた存在がB地区、まぁまぁ近しいのがC地区だとすると、A地区での経験をすべての地区のすべての説明に用いるのはどうかしている。故郷に川が流れていなければ、旅先の川は一切目に入らないのだろうか。しかし、旅先においても基本的には故郷と同じように振る舞うだろう点において、親の影響は決定的である。第二に、じいさんばあさんや、同じ共同体に属する人々も強い影響力を持ちうる。親が他の人々より形成の点で優位な立場にいることは間違いないが、その優位は「まず誰のもとで修行を積んだか」ぐらいのものであって、他にも教師となりうるし、影響力を持ちうる。もしそうでなければ、この本を読むことには何の価値もないだろう。

 

 親を理想化することは、過去の経験をボンドで固めるようなもので、変化に乏しくなるため、その危険性を理解することができる。ただし、ここで注意しなければならないのは「健全な肯定」と「不健全な肯定」が区別されていることだと思われ、かつ、そのふたつを区別する方法は存在しない。「うちの親もいいとこあるんだけどなぁ。もちろん悪いところもあるよ」という発言は理想化した親を擁護する発言だと解釈されかねないが、実際、それを区別する根拠は何もない。実生活に問題が起きていることは、先に述べたように、親だけによって説明され得ないため、区別する根拠にはならない。そうすると、親を過度に攻撃しかねない。「良いところもあり、悪いところもあるね、親は完ぺきではないね」が大切なはずが、健全な肯定への道が閉ざされており、良い部分を認めがたい。「うちの親は完璧なんです!」と言っている奴はたしかに病的な感じがするが、ごく一般、ふつうの人々は最初から「長所も短所もある」ことを理解している。

 

 また、「ありのままの自分」などという概念は不必要である。

 精神分析関連の本を読むと必ずこの手の概念が出てくる。アルノ・グリューン「人はなぜ憎しみを抱くのか (集英社新書)」では、「自分の中の他人」という名前で本来の自分が顔を出す。いわく、本来の自分がありのままに認められないためにそれを攻撃し自分や人を傷つけてしまうという。親が自分のことを理解してくれない(「ごはんが欲しい」「トイレがしたい」)のは、まぁまぁあることだろうし、それによってだんだんと歪みが生まれてくるというのも筋が通った見方だと言える。

 けれども、「ありのままの自分」という想定は危険である。

 第一に、「ありのままの自分」というコアを持ち、それが受け入れられ続けて成長し、そのまま亡くなるなどといったケースはまったく想像がつかない。もちろん「受け入れられる」とは肯定されるという意味ではないが、そのように見たとしても、やはりそんなことはありえないように思われる。なんとかいう民族にその例を見ているようだが、受け入れられた結果そうなっているのかどうかは誰にもわからない。受け入れられない経験はいくらでもしているが、民族特有の文化や社会構造がそれを助けているのかもしれない。

 第二に、一般的には人は受け入れられなかったりしながら過ごしてくるわけだが、現在の姿は常に「歪み」のもとで見られることになる。ありのままの自分は「帰る場所」であり「向かう場所」である。だが、そこに帰ったかどうかはまったく判断できない。「うん、ありのままの自分だね」などとどうやってわかるというのか。また、到達することができないとするとさらに問題で、「ありのままの自分」想定は到達不可能な課題を人に与え続ける。今の自分は常に歪んでおり、欠点だらけで、理想とはほど遠い。しかし、理想に達することはほとんどできず、できたかどうか判定すら満足にできない

 

 もし「ありのまま」という言葉を使いたいなら、むしろ今まさにそのように振る舞っていることこそが「ありのまま」だというべきである。自分の振る舞いが環境に適合していないと感じていると、『欠点』があらわれる。この欠点は、ありもしない「ありのまま」へと向けられているわけではなく、いま自分がこうしたほうがいいと思うひとつの解釈を示す。これは、たどり着くことができる。今の自分をことさらに否定し続ける必要もない。

 これは「あなたは常に完璧ですよ」と肯定しているわけではない。自分はそういうもんだと受け入れる態度であり、変更を認める態度である。

 

 

 

 

 

 

過去問から学ぶ労災保険法 基本(適用事業・労働者)&業務・通勤災害

 労災保険法の武者修行。

 

 

労災保険の基本

 労災保険のカバー範囲は非常に広い。

 ほぼ全部と考えよう

 

 だからこそカバーされない部分が問題になる。

 カバーされないのは「国・地方公共団体の機関」「行政執行法人」である。非常勤などは対象になるので注意。

 

 

<労働者を使用する事業であれば、事業主がその旨を所轄行政庁に届け出ない場合でも、一部の事業を除き、適用事業である。>⇒〇 正しい。届出がなくても適用事業となる。

<労働者を必ずしも常時使用していない事業であっても、労働者を使用する場合には、一部の事業を除き、適用事業に該当する。>⇒〇 正しい。労働者さえいれば労災が関わって来る。

共同企業体によって行われる建設事業において、その全構成員が各々資金、人員、機械等を拠出して、共同計算により工事を施工する共同施工方式がとられている場合、保険関係は、共同企業体が行う事業の全体を一の事業とし、その代表者を事業主として成立する。>⇒〇 正しい。そういう扱いになる。

 

 

労災保険法による保険給付は、労働者を使用するすべての事業について、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に関して行われる。>⇒✖ 「すべて」ではない。

労災保険法は、国の直営事業で働く労働者には適用されない。>⇒〇 正しい。こいつらには別の保険がある。

労災保険法は、非現業の一般職の国家公務員に適用される。>⇒✖ 国家公務員には適用されない。非現業とは、現場ではない人。

労災保険法は、常勤の地方公務員に適用される。>⇒✖ されない。

労災保険法は、市の経営する水道事業の非常勤職員には適用されない。>⇒✖ される。非常勤なので。

労災保険法は、国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法別表第1に掲げる事業を除く。)には適用されないが、独立行政法人独立行政法人通則法第2条第4項に定める行政執行法人を除く。)の職員には適用される。>⇒〇 される。「独立」行政法人は名前の通り、国からは独立している。適用されないのは行政執行法人。

労災保険法は、行政執行法人の職員に適用される。>⇒✖ されない。

 

 適用事業もカバー範囲が広いが、

 労働者のカバー範囲も広い

 

 要するに、指揮命令を受けているならば

 つまり「労働者」であるなら労災保険が適用される。

 ただし、次の問題に注意。

 

<障害者総合支援法に基づく就労継続支援を行う事業場と雇用契約を締結せずに就労の機会の提供を受ける障害者には、基本的には労災保険法が適用されない。>⇒〇

 

業務災害・通勤災害

 労災保険の保険給付は以下の三つ。

  •  業務災害に関する保険給付
  •  通勤災害に関する保険給付
  •  業務上の事由に関連する給付として、二次健康診断等給付

 

 まず問題になるのが「業務災害」と「通勤災害」の認定である。

 第一に「業務災害」であるが、これを見分けるのはあまり難しくない。なぜなら業務で指をなくしたり、車に轢かれるのは見た目にもわかりやすいからである。問題なのは、見た目にはわかりづらいもの。たとえば病気や、心理的なものの認定!

 このため業務上の疾病については厚生労働省がリストを出している。『労働基準法施行規則別表第1の2』がそれで、これに当てはまらないものは業務上の疾病ではない。「その他業務に起因することの明らかな疾病」と包括的に定義されているのでその点は安心。

 

<業務上の疾病の範囲は、労働基準法施行規則別表第一の二の各号に掲げられているものに限定されている。>⇒〇 正しい。

厚生労働省令(労働基準法施行規則別表第1の2)では、業務上の疾病を例示しており、例示された最後の疾病は「その他業務に起因することの明らかな疾病」であるが、その具体的な疾病名は、厚生労働大臣が告示している。>⇒✖ 告示などしていない。

<業務上の負傷に起因する疾病は、労働基準法施行規則第35条及び別表第1の2で定める業務上の疾病には含まれない。>⇒✖ 含まれている。ケガして、それが原因で病気になったら業務上の疾病である。

<業務との関連性がある疾病であっても、労働基準法施行規則別表第1の2第1号から第10号までに掲げる疾病その他「業務に起因することの明らかな疾病」に該当しなければ、業務上の疾病とは認められない。>⇒〇 正しい。定義通り。

<業務上の疾病が治って療養の必要がなくなった場合には、その後にその疾病が再発しても、新たな業務上の事由による発病でない限り、業務上の疾病とは認められない。>⇒✖ 再発なら認められる。

 

 具体的な疾病としては第1号から10号まで定められている。とはいえ、この中で試験に出るのは「第8号:脳血管疾患及び虚血性心疾患等」と「第10号:心理的負荷による精神障害」である。過去問をチェック。

 

 第二に「通勤災害」について見る。

 通勤災害は家から職場、職場から職場への途中で起きる業務外の移動途中に起こるものである。

 

<転任等のやむを得ない事情のために同居していた配偶者と別居して単身で生活する者や家庭生活の維持という観点から自宅を本人の生活の本拠地とみなし得る合理的な理由のある独身者にとっての家族の住む家屋については、当該家屋と就業の場所との間を往復する行為に反復・継続性が認められるときは住居と認めて差し支えないが、「反復・継続性」とは、おおむね2か月に1回以上の往復行為又は移動がある場合に認められる。>⇒✖ 配偶者の別居していて、その家屋を一か月に一度往復しているという事実があるなら「家」とみなしてよい。

<労働者が転任する際に配偶者が引き続き就業するため別居することになった場合の、配偶者が住む居宅は、「住居」と認められることはない。>⇒✖ 上の通り、認められることがある。

<労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動であって厚生労働省令で定める要件に該当するものを、合理的な経路及び方法により行うこと(業務の性質を有するものを除く。)は、通勤に該当する。>⇒〇 職場に行く前に要件を満たした別の場所に移動することは通勤に該当する。

<労働者が、就業に関し、厚生労働省令で定める就業の場所へ他の就業の場所から合理的な経路及び方法により移動すること(業務の性質を有するものを除く。)は、通勤に該当する。>⇒✖ 目的地が厚生労働省令で定める場所でないと駄目。

移動の途中の災害であれば、業務の性質を有する場合であっても、通勤災害と認められる。>⇒✖ 業務内なら通勤災害にはならない。

通勤災害における合理的な経路とは、住居等と就業の場所等との間を往復する場合の最短距離の唯一の経路を指す。>⇒✖ そんなキツくない。ふつーの労働者が使うであろう道のりなら色々認められる。

<退勤時に長男宅に立ち寄るつもりで就業の場所を出たものであれば、就業の場所から普段利用している通勤の合理的経路上の災害であっても、通勤災害とは認められない。>⇒✖ 「つもり」だろうが経路上なら通勤災害になる。

 

 通勤災害は通勤途中に起こった災害のことである。

 怪我していればわかりやすいが、

 疾病だとやはりわかりづらい。

 そこで厚生労働省令で定められている。

 

<通勤による疾病とは、通勤途上で生じた疾病その他厚生労働省令で定める疾病をいう。>⇒✖ 違う。通勤途上で生じた疾病ではなく、厚生労働省令で定める疾病である。通勤途上で生じた疾病よりも狭い。その中身は「通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病とする」である。

<業務上の事由による疾病として療養補償給付の対象となる疾病の範囲は、厚生労働省令(労働基準法施行規則別表第1の2)で定められており、通勤による疾病として療養給付の対象となる疾病の範囲も、この厚生労働省令の規定が準用される。>⇒✖ 準用されない。業務災害の疾病は別表で定まっているが、通勤災害の疾病はこの別表は使わない。ただ単に「通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病とする」とされているだけである。

<通勤による疾病については、通勤による負傷に起因する疾病のほか、業務上の疾病の範囲を定める厚生労働省令の規定が準用される。>⇒✖ されない。

 

 

 「通勤の逸脱・中断」の間・その後は通勤に該当しない。

 

 

通勤としての移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合における逸脱又は中断の間及びその後の移動は、原則として通勤に該当しない。>⇒〇 正しい。抜け出るともう通勤は終わり。ただし軽めの中断の場合は例外がある。

<通勤としての移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合でも、その逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむをえない事由により行うための最小限度のものであるときは、その逸脱又は中断の間を除き、その後の移動は、通勤に該当する。>⇒〇 正しい。このような場合はOK

労災保険法第7条に規定する通勤の途中で合理的経路を逸脱した場合でも、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱の間も含め同条の通勤とする。>⇒✖ 逸脱の間はやっぱり通勤にはならない。「その後」が認められるだけである。

 

安衛法まとめ【社会保険労務士】平成28年度

第一章 総則(第一条―第五条)

労働安全衛生法における「労働災害」は、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいうが、例えばその負傷については、事業場内で発生したことだけを理由として「労働災害」とするものではない。>⇒〇 正しい。作業行動に関係していなければ労働災害ではない。

 

労働安全衛生法における「事業者」は、労働基準法第10条に規定する「使用者」とはその概念を異にするが、「労働者」は、労働基準法第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。>⇒〇 正しい。

 

労働安全衛生法における事業場の業種の区分については、その業態によって個別に決するものとし、経営や人事等の管理事務をもっぱら行なっている本社、支店などは、その管理する系列の事業場の業種とは無関係に決定するものとしており、たとえば、製鉄所は製造業とされるが、当該製鉄所を管理する本社は、製造業とはされない。>⇒〇 正しい。事業場ごとに判断。


第二章 労働災害防止計画(第六条―第九条)


第三章 安全衛生管理体制(第十条―第十九条の三)


第四章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置(第二十条―第三十六条)

<事業者は、回転中の研削といしが労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、覆いを設けなければならない。ただし、直径が50ミリメートル未満の研削といしについては、この限りでない。>⇒〇 正しい。

<事業者は、木材加工用丸のこ盤(製材用丸のこ盤及び自動送り装置を有する丸のこ盤を除く。)には、歯の接触予防装置を設けなければならない。>⇒〇 正しい。

<事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止しなければならない。ただし、機械の運転中に作業を行わなければならない場合において、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでない。>⇒〇 正しい。

<事業者は、ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に作業中の労働者の手が接触するおそれのあるときは、当該労働者に手袋を使用させなければならない。>⇒✖ 巻き込まれてしまうので手袋はNG

事業者は、屋内に設ける通路について、通路面は、用途に応じた幅を有することとするほか、つまずき、すべり、踏抜等の危険のない状態に保持すると共に、通路面から高さ1.8メートル以内に障害物を置かないようにしなければならない。>⇒〇 正しい。

 

労働者は、労働安全衛生法第26条により、事業者が同法の規定に基づき講ずる危険又は健康障害を防止するための措置に応じて、必要な事項を守らなければならないが、その違反に対する罰則の規定は設けられていない。>⇒✖ 罰則がある。

 


第五章 機械等並びに危険物及び有害物に関する規制
第一節 機械等に関する規制(第三十七条―第五十四条の六)
第二節 危険物及び有害物に関する規制(第五十五条―第五十八条)


第六章 労働者の就業に当たつての措置(第五十九条―第六十三条

<つり上げ荷重が5トンのクレーンのうち床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動とともに移動する方式のものの運転の業務は、クレーン・デリック運転士免許を受けていなくても、床上操作式クレーン運転技能講習を修了した者であればその業務に就くことができる。>⇒〇 正しい。

<クレーン・デリック運転士免許を受けた者は、つり上げ荷重が5トンの移動式クレーンの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務に就くことができる。>⇒✖ できない。移動式クレーン免許を持っていないといけない。

<建設機械の一つである機体重量が3トン以上のブル・ドーザーの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務に係る就業制限は、建設業以外の事業を行う事業者には適用されない。>⇒✖ 適用される。普通に考えてまぁそうだろう。

<作業床の高さが5メートルの高所作業車の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務は、高所作業車運転技能講習を修了した者でなければその業務に就くことはできない。>⇒✖

 

 5ではなく10メートル。こんなのわかるか? この問題群は若干、捨て問感が強い。

 

<産業労働の場において、事業者は、例えば最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務については、都道府県労働局長の登録を受けた者が行うフォークリフト運転技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならないが、個人事業主である事業者自らが当該業務を行うことについては制限されていない。>⇒✖

 

 個人事業主が例外になるはずはない。三つ目とこの五つ目はバツであることがわかりやすい。


第七章 健康の保持増進のための措置(第六十四条―第七十一条)
第七章の二 快適な職場環境の形成のための措置(第七十一条の二―第七十一条の四)
第八章 免許等(第七十二条―第七十七条)
第九章 事業場の安全又は衛生に関する改善措置等
第一節 特別安全衛生改善計画及び安全衛生改善計画(第七十八条―第八十条)
第二節 労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント(第八十一条―第八十七条)
第十章 監督等(第八十八条―第百条)
第十一章 雑則(第百一条―第百十五条の二)
第十二章 罰則(第百十五条の三―第百二十三条

 

 

 

 

 

にんじんと学ぶ「労働基準法」のアレコレ🥕

 労働基準法を学んでいくよ d(^ω^)

 鬱陶しくて面倒くさい話題だからフランクにいこうね₍₍ (ง ˙ω˙)ว ⁾⁾

 

 

 労働基準法のことは実は日本国憲法にも書いてあるよ。日本国憲法ってのは日本で最強の法だったね。第27条2項「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」だよ。他にもいろいろ法律は定められてるけど、労働基準法が基本中の基本なんだね。最強の憲法から労働のことを任されたわけだよ

 労働基準法は事業場単位で適用されていくよ。たとえば同じ会社でもいろんなところに工場があったりするよね。〈事業場〉には①労働者、②使用者という登場人物がいるよ。①は②の言うことを聞かなきゃいけないよ。これを使用従属関係っていうけど、労働者と使用者はこういう関係にある人のことを言うよ。

 ※争いが起きるのは大抵、〈労働者〉〈使用者〉だよ。働き方も多様になってきてクソほど問題が起きるからウザくなって作られたのが、労働契約法っていう法律なんだ。労働基準法って最低基準は示してくれるんだけど、逆にいえばただそれだけだから、争いを解決するには無能なんだね。それまでは民法のほうを頑張って使ってたんだけど、労働契約法のおかげで「労働契約」っていう特殊な契約の基本ルールが定まったんだよ。紛争が解決してよかったね。

 

 労働基準法は最低基準を定めているけど、労働条件を定めていないところも多いし、定められないところもたくさんあるんだよ。たとえば仕事のときはこういう服装にしなさいとかね。勝手にさせろやって話なんだけど、葉っぱ一枚で来られたら困るよね。そういうときに使うのが就業規則だよ。就業規則は事業場ごとの労働基準法って覚えておくといいよ。労働基準法に作り方が書いてあるけど、要するに、最低基準を守りながら人のことをちゃんと考えて作れば問題ないよ。

 事業場のルールとしては他にもふたつあって、労働協約「労使協定」だよ。労働協約労働組合が会社と協議して「こういうルールを作ろうぜ」ってなったやつだよ。労使協定もまぁ似たようなもんだけど、組合員以外にも広く効果が及ぶってところかな。ただしほとんどが組合員だったら労働協約は一般的に効力を持つっていう例外があるから試験を受ける人は要チェックだよ。

 

f:id:carrot-lanthanum0812:20200220171822p:plain

 

安衛法まとめ【社会保険労務士】平成29年度

第一章 総則(第一条―第五条)

労働安全衛生法は、労働基準法と一体的な関係にあるので、例えば「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、」に始まる労働基準法第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行においても基本となる。>⇒〇

 

 正しい。安衛法は労働基準法の「安全・衛生」の章の中身だから、実質労働基準法みたいなもんである。

 労基法第42条:労働者の安全及び衛生に関しては、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)の定めるところによる。

 

労働安全衛生法は、機械、器具その他の設備を設計し、製造し、又は輸入する者にも、これらの物の設計、製造又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するよう努めることを求めている。>⇒〇

 

 製造者の努力義務。

 

労働安全衛生法は、原材料を製造し、又は輸入する者にも、これらの物の製造又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するよう努めることを求めている。>⇒〇

 

 製造者の努力義務。さっきの問題は「設備」の製造・こっちの問題は「原材料」の製造である。どっちも答えは同じ。

 

第二章 労働災害防止計画(第六条―第九条) ← 今年は無し


第三章 安全衛生管理体制(第十条―第十九条の三)

労働安全衛生法第14条において作業主任者を選任すべきものとされている作業は?】
<木材加工用機械(丸のこ盤、帯のこ盤、かんな盤、面取り盤及びルーターに限るものとし、携帯用のものを除く。)を5台以上(当該機械のうちに自動送材車式帯のこ盤が含まれている場合には、3台以上)有する事業場において行う当該機械による作業>⇒〇

 

 正しい。木材加工用機械5台以上。

 

<高さが2メートル以上のはい(倉庫、上屋又は土場に積み重ねられた荷(小麦、大豆、鉱石等のばら物の荷を除く。)の集団をいう。)のはい付け又ははい崩しの作業(荷役機械の運転者のみによって行われるものを除く。)>⇒〇

 

 正しい。2m以上のはい付け、はい崩し。

 

<つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。)、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業>⇒〇

 

 正しい。5m以上の足場。

 

<動力により駆動されるプレス機械を5台以上有する事業場において行う当該機械による作業>⇒〇

 

 正しい。5台以上プレス機。台数とか関係なく危険だろとは思う。

 

<屋内において鋼材をアーク溶接する作業>⇒✖

 

 なんと、これには作業主任者はいらないらしい。どうなっとんねん。

 ちなみにアーク溶接とはガスではなく電気で行う溶接。屋内・アーク溶接は×。

 

【次に示す業態をとる株式会社についての安全衛生管理に関する記述のうち、正しいもの。なお、衛生管理者及び産業医については、選任の特例(労働安全衛生規則第8条及び同規則第13条第3項)を考えないものとする。
X市に本社を置き、人事、総務等の管理業務と営業活動を行っている。
    使用する労働者数  常時40人
Y市に工場を置き、食料品を製造している。
    工場は24時間フル操業で、1グループ150人で構成する4つのグループ計600人の労働者が、1日を3つに区分した時間帯にそれぞれ順次交替で就業するいわゆる4直3交替で、業務に従事している。したがって、この600人の労働者は全て、1月に4回以上輪番で深夜業に従事している。なお、労働基準法第36条第6項第1号に規定する健康上特に有害な業務に従事する者はいない。
Z市に2店舗を置き、自社製品を小売りしている。
    Z1店舗  使用する労働者数  常時15人
    Z2店舗  使用する労働者数  常時15人(ただし、この事業場のみ、うち12人は1日4時間労働の短時間労働者)】

 

<X市にある本社には、総括安全衛生管理者、衛生管理者及び産業医を選任しなければならない。>⇒✖

 

 X社には40人しかいない。総括は最低100人から、衛生も産業も50人からなので選任しなくていい。

 

<Y市にある工場には、安全委員会及び衛生委員会を設置しなければならず、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができるが、産業医については、その工場に専属の者を選任しなければならない。>⇒〇

 

 Y市工場は600人もいるため、委員会の設置は避けられない。ちなみに産業医は(1)1000人以上、または(2)深夜業含む有害業務に500人以上で専属なので、これまた専属にせざるをえない。

 

 <Y市にある工場には衛生管理者を3人選任しなければならないが、そのうち少なくとも1人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任しなければならない。>⇒〇

 

 正しい。500人以上かつ有害業務30人以上いる場合は、衛生工学衛生管理者免許が一枚必要。ただし、深夜業は有害業務に含まれない。

 

<X市にある本社に衛生管理者が選任されていれば、Z市にあるZ1店舗には衛生推進者を選任しなくてもよい。>⇒✖

 

 事業所ごと

 

<Z市にあるZ2店舗には衛生推進者の選任義務はない。>⇒✖

 

 パートさんを含む。

 

 


第四章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置(第二十条―第三十六条)
第五章 機械等並びに危険物及び有害物に関する規制
第一節 機械等に関する規制(第三十七条―第五十四条の六)
第二節 危険物及び有害物に関する規制(第五十五条―第五十八条)
第六章 労働者の就業に当たつての措置(第五十九条―第六十三条
第七章 健康の保持増進のための措置(第六十四条―第七十一条)
第七章の二 快適な職場環境の形成のための措置(第七十一条の二―第七十一条の四)
第八章 免許等(第七十二条―第七十七条)
第九章 事業場の安全又は衛生に関する改善措置等
第一節 特別安全衛生改善計画及び安全衛生改善計画(第七十八条―第八十条)
第二節 労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント(第八十一条―第八十七条)
第十章 監督等(第八十八条―第百条)


第十一章 雑則(第百一条―第百十五条の二)

<労働者が事業場内における負傷により休業した場合は、その負傷が明らかに業務に起因するものではないと判断される場合であっても、事業者は、労働安全衛生規則第97条の労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。>⇒〇

 

 怪我して休んだら報告。


第十二章 罰則(第百十五条の三―第百二十三条

労働安全衛生法は、基本的に事業者に措置義務を課しているため、事業者から現場管理を任されている従業者が同法により事業者に課せられている措置義務に違反する行為に及んだ場合でも、事業者が違反の責めを負い、従業者は処罰の対象とならない。>⇒✖

 

 やったやつも罪になる。

 

 

現場監督のための早わかり労働安全衛生法

現場監督のための早わかり労働安全衛生法