経済学は、日常生活における人々を研究するものである(『経済学原理』)
「経済」とは生活において相互に関わり合っている人々の集団である。経済の動向はそれを構成する個々人の行動を反映する。個人の意思決定(原理1-4)、それが相互に及ぼす影響(原理5-7)、経済全体(原理8-10)
十大原理
- 何かを得るためには別のなにかをあきらめなければならない。
- それを得るために放棄したものの価値が費用である。大学へ行く費用は家賃や食費や学費や本代などではない。大学に行かなくても家賃はいるし、また、大学に行っていると働けない。つまり価値として足しすぎであり、足さなすぎになっている。
- 人々は目的を達成するために条件の下でベストを尽くす。そのような合理的な人々は既存のプランに対する微調整にあたる部分において比較検討を行っている。夕食時に直面する問題は「豚のように貪り食うか断食か」ではなく「おわかりするかしないか」である。たとえば、ガールフレンドとの10分間通話に7ドルの価値を見出している男がいたとする。彼は平均して通信費全体に90ドル(月額40ドル+0.5ドル/分)払っているため、1分間の平均費用は90セントであるから10分話すと9ドルになる。しかしだからといってガールフレンドと通話をやめることにはならない。なぜなら通信費の基本費用はいま問題とならず、5ドルの通話代と比較するからだ。……すると時間無制限の契約をしているユーザーはこの点の費用が0になりつまらない会話を行いがちだということになる。
- インセンティブとは、人びとに何らかの行動を促す要因のことである。
- 取引はすべての人々をより豊かにする。孤立すれば、すべてを自給することになる。
- 通常の場合、市場は経済活動を組織する良策である。市場経済はだれも社会全体のことなど考えていないが、結果的にいいように組織だてられる。
- これを実現し、また効率性・公平性を高めるために政府が機能することも、ありうる。しかし公共政策がいつも成功するわけではない。
- 一国の生活水準は財の生産能力に依存している
- 政府が紙幣を印刷しすぎると物価が上昇する
- 社会はいつもインフレと失業のトレードオフに直面している