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にんじんと読む「ストレス「善玉」論(中沢正夫)」🥕

今回読んだのはこの本です。

ストレス「善玉」論 (岩波現代文庫)

 

ストレス「善玉」論 (岩波現代文庫)

ストレス「善玉」論 (岩波現代文庫)

  • 作者:中沢 正夫
  • 発売日: 2008/02/15
  • メディア: 文庫
 

 

 社会というものは本当にわずらわしい。

 もし誰もいない山のなかで転んでも「イテテ」で済むのに、町で転んだら「恥ずかしい」。自分が縛られているのを非常に感じるし、どうでもいいと頭では思いながら、どうにもならないのがくやしい。日常的ににんじんたちをボコってくるのは社会ストレスである。もちろん、山でクマに出くわしたらストレスが大きすぎてそれだけで心臓が爆発しそうだが、どうも社会におけるストレスほどには悪い影響はなさそうだ。

 ストレスと聞いてまっさきに浮かぶのは社会で受けるストレスだ。対人関係のものだ。やはり胃腸にダメージがあるらしい。『胃腸ばかりではない。円形脱毛症、偏頭痛、過換気症候群(急に呼吸が深く早くなり、手足にしびれがでてくる状態)、発作性の頻脈、高血圧、肩こり、筋肉痛、不感症、めまい、頻尿、などなどあげればきりがない』(ストレス「善玉」論 (岩波現代文庫))。

 ストレスはたいてい、他者からの期待とプライドである。著者の中沢さんは『一切のストレスを回避すれば、それは楽であろうが、その人は成長もまたあきらめることになるのである』と書いている。新世紀エヴァンゲリオンの「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ……」をほうふつとさせるストレス善玉論だ。まぁ一理あるのはみんな認めるところではあるが、「ストレスに潰れたら成長はできないよ」と暗に言うことにもなり、ストレスに負けてはいけないと余計に思わせるのではないかという不安がある。ストレス反応は体の自然な反応で恥ずかしい(なさけない)ものではないのだが、受けたくて受けるストレスはないように、恥ずかしいと思いたくて恥ずかしがっているわけではない。

 

 もう少し逃げなければならないのではないか。少なくとも、逃げる準備はすべきではないか。結局「息抜き」「逃げ場」という退避がストレスに対して有効だとわかる。無論大切なことなら立ち向かう必要もあろうが、立ち向かうためのリフレッシュがいる――こんなところが結論だろうか。映画を見て別の空気を入れてみるとか。

 

 あんまり成功とかなんとか言わないでもいいんじゃないだろうか……、とにんじんは思うが、あまり社会適合的な考え方ではない。社会は私たちに争えと言っている。「席はこれだけしか空いてないよ」と囁いているようにも思える。ストレスは多種多様なので、たとえば嫌いな奴が職場にいるとか、そういうのだったら逃避するのはなんか悔しい。

 

  逃げてもいいんじゃないかな。

 

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