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「世間体」の構造 社会心理史への試み

良い本をちょっと紹介するコーナーです。

今回は「「世間体」の構造 社会心理史への試み (講談社学術文庫)」です。

「世間体」の構造 社会心理史への試み (講談社学術文庫)

「世間体」の構造 社会心理史への試み (講談社学術文庫)

 

  人間の行動というものは環境によって左右されるわけですが、それには「自然的環境」と「社会的環境」とがあります。そんなことをしていたら笑われるよ、と言われるように世間の目というのは人の行動を大きく律しております。そんな世間の構造について書かれた本です。

「世間体」を通して日本文化の基層に迫る。世間とは、体面とは何か? はじ=羞恥の文化の意義を問い直し、日本人の行動規範である「世間体」に社会心理学からアプローチする。世間論の嚆矢となった名著。

『「世間体」の構造 社会心理史への試み』(井上 忠司):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部

 

 特に第6章『「世間体」の文化再考』はドキリとさせられます。

 西洋の〈近代的自我〉の思想にふれてもらい、わが国では、〈世間の目〉を故意に拒否しようとする風潮が、徐々にあらわれてきたように思われる。ことに戦後は、その風潮がつよい。そのさい、「つよい自我」(自律性)が育たないままに、「世間」の人たちの〈まなざし〉のみを拒否しようとするならば、人びとの前には、大きな陥穽がまっていることであろう。他者に見られないかぎり、なにをやってもよい事由という陥穽が、である。 

 

「世間」とは何か (講談社現代新書)

「世間」とは何か (講談社現代新書)