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にんじんと読む「対話の技法」第一部

第一部 対話を知っていますか?

 対話とは何か。対話とはそもそも可能か*1

 このことを考えるにあたって、類似する他の言語行為(会話・談話・演説・討論)などとどう違うかを見よう。つまり対話でないものを見ることで対話とは何かが見えてくるという方法である。この結論としては、「対話とは、二人あるいは少数の間で、主題をめぐって交わす言論である」となる。

  1.  特定/不特定の相手 対話はホールで演台に立ってすることではなく、お互いに誰かがわかっているような、特定された人とするものである。駅でたまたま隣に座った人とするような匿名的なおしゃべりや会話、インターネットを通じた匿名の会話なども特定性がないために対話には当たらないものと考えられる。相手と私が誰であるかをお互いに了解している場で成立するのが、対話である。
  2.  相互/一方向 一方向的な語りは対話ではない。上司や親の説教は対話ではない。そこでは他方は聞くことだけで、自由に言葉を発することが禁じられている。
  3.  交わす/伝える 対話を行うのは誰かになにかを伝えるためではない。自分に言いたいことがあってそれを相手に知ってもらいたい、納得させたいならばそれは対話ではない。
  4.  主題/雑然 対話は漠然としたおしゃべりではなく、特定の同じ一つの主題について、なんらかの問いについてするものである。ふつうのおしゃべりはまとまりなく、どんどんと別の話題に移っていく。対話はそういう意味でかなり特殊な営みだといえる。
  5.  言語/非言語 対話はあくまで言葉をつうじたやりとりである。

 対話の目標はお互いに知恵を出し合って考えを進めていくことにある。合意に至ればうれしいがそうならないことも多い。

 

 

*1:〇〇とは何か? 〇〇はそもそも可能か?