ウィトゲンシュタインの入門書
入門書は、
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む (ちくま学芸文庫)
- 作者: 野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 文庫
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これが一番なのではないかなと思うのですが、最近になって違う本を知りました。
講談社選書メチエの21番、グレーリングさんという方の「ウィトゲンシュタイン」です。こちらは論理哲学論考と哲学探究、そしてウィトゲンシュタインの生涯といった幅広い内容を扱っています。けれどそれほど分厚くなく、コンパクトなのが魅力です。
どうしてわざわざ番外編を作ってまでこちらを推すのかというと、この本には思想の解説のあとに作者による反論が入るから。理由をつけたうえで「これはどうなの?」と冷静に手厳しいことをいうので、ウィトゲンシュタイン信者みたいにならなくて済みます。
野矢さんの本はもちろんわかりやすく素晴らしいのですが、どこからどこまでがウィトゲンシュタインの思想で、野矢さんの思想なのかがよくわからないところが欠点でしょう。「こういう説とこういう説があるがわたしはこっちだと思う」「ウィトゲンシュタインはこう言っているが、わたしはこうだと思う」というのがポンポン出てきます。
一方でグレーリングさんの本は
- ウィトゲンシュタインの生涯
- 論理哲学論考の思想
- 論理哲学論考への反論
- 哲学探求(後期哲学)の思想
- 哲学探究(後期哲学)への反論
- ウィトゲンシュタインの現在の評価。
となっていて、道筋的にも大変見やすいです。ただ基本的に後になればなるほどウィトゲンシュタインをボコってくる傾向にあるので、こちらを先に読むと「ウィトゲンシュタインはまぁいいか」となりそうな気もします。にんじんとしてはウィトゲンシュタインがボコられるのを見るのは楽しかったです。彼が生きていたら恐ろしいほど反駁してたんだろうなあと妄想します。ポパーとの一件もありますし。
ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い一〇分間の大激論の謎 (ちくま学芸文庫)
- 作者: デヴィッドエドモンズ,ジョンエーディナウ,David Edmonds,John Eidinow,二木麻里
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/12/07
- メディア: 文庫
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